- 進行性尿路上皮がん患者の一次治療を対象とした
ペムブロリズマブとの併用療法について-

 アステラス製薬株式会社(本社:東京、以下「アステラス製薬」)は、Pfizer Inc.(本社:米国ニューヨーク州、以下、「Pfizer」)*と共同で開発を進めている抗体-薬物複合体(Antibody-Drug Conjugate:ADC)であるエンホルツマブ ベドチン(遺伝子組換え)とMerck & Co., Inc., Rahway, NJ, USA(米国とカナダ以外ではMSD)の抗PD-1抗体KEYTRUDA®(一般名:ペムブロリズマブ(遺伝子組換え))の併用療法について、局所進行性または転移性尿路上皮がん(locally advanced or metastatic urothelial cancer:la/mUC)患者における一次治療として、3月27日(現地時間)中国国家薬品監督管理局(National Medical Products Administration:NMPA)の医薬品評価センター(Center for Drug Evaluation:CDE)が生物学的製剤一部変更承認申請(supplemental Biologic License Application:sBLA)を受理した旨の通知を受領しました。承認された場合、この併用療法は、la/mUC患者の一次治療における標準治療である白金製剤を含む化学療法に代わる最初の治療選択肢となり、la/mUCの治療にパラダイムシフトをもたらす可能性があります。

 尿路上皮がんには、下部尿路(膀胱および尿道)と上部尿路(尿管および腎盂)の両方のがんが含まれ、尿路上皮がんの約90%~95%は下部尿路に発生します1,2。世界で、年間約614,000人が膀胱がんと診断され、年間約220,000人が死亡しています3。中国では、2022年に約93,000人が膀胱がんと診断され、約41,000人が死亡しています4

 今回の申請は、第III相EV-302試験(KEYNOTE-A39試験)の結果に基づくものです。
治療歴のないla/mUC患者において、エンホルツマブ ベドチン+ペムブロリズマブ併用療法群(以下「併用療法群」)は白金製剤を含む化学療法群と比較して、全生存期間(overall survival:OS)および無増悪生存期間(progression-free survival:PFS)の2つの主要評価項目を達成し、いずれにおいても統計学的に有意、かつ臨床的に意義のある結果が得られました。併用療法群の安全性は、以前に報告したEV-103試験の結果と同様であり、新たな安全性の懸念は確認されませんでした。

 NMPAは、PD-1またはL1阻害剤および白金製剤を含む化学療法による治療歴のある局所進行性または転移性尿路上皮がん患者の治療薬としてもエンホルツマブ ベドチンを審査中です。

 本併用療法に関して、欧州日本では審査中であり、米国では2023年12月に承認を取得しました。

 アステラス製薬は、患者さんに新たな治療選択肢を提供することで、アンメットメディカルニーズの高い局所進行性または転移性尿路上皮がんの治療に一層の貢献をしていきます。

 本件によるアステラス製薬の通期(2024年3月期)連結業績への影響は織り込み済みです。

以上

膀胱がんと尿路上皮がんについて
尿路上皮がんまたは膀胱がんは、尿道、膀胱、尿管、腎盂、およびその他の臓器の内側を覆う尿路上皮細胞で発生します5。膀胱がんが周囲の臓器や筋肉に転移している場合、それは局所進行疾患と呼ばれます6。がんが体の他の部分に転移した場合、それは転移性疾患と呼ばれます6。尿路上皮がんは、膀胱がんの90%を占め、腎盂、尿管および尿道にもみられます3。症例の約12%がla/mUCと診断されます7

EV-302試験(NCT04223856)について
EV-302試験は、治療歴のないla/mUC患者を対象として、エンホルツマブ ベドチンとペムブロリズマブの併用療法と化学療法を比較評価する非盲検無作為化第III相試験です。PD-L1の発現程度に関係なく、シスプラチンまたはカルボプラチンを用いた化学療法に適応の未治療la/mUC患者886人が登録されました。被験者はエンホルツマブ ベドチン+ペムブロリズマブ併用療法群、または化学療法群に無作為に割り付けられました。本試験の主要評価項目は、OSと盲検下独立中央判定(Blinded independent Central Review:BICR)によるRECIST v1.1に基づくPFSです。副次評価項目には、BICRによるRECIST v1.1に基づく客観的奏効率(ORR)と奏効期間(DOR)、および安全性が含まれます。本試験は、尿路上皮がんやその他の固形がんの複数のステージにおいて、この併用療法を評価する広範にわたるプログラムの一部です。本試験の結果は、2023年欧州臨床腫瘍学会で発表されました。

エンホルツマブ ベドチンについて
エンホルツマブ ベドチンは、ほぼ全ての尿路上皮がん細胞に発現し、細胞間の接着に関連するタンパク質であるネクチン-4を標的とするファーストインクラスのADCです8。非臨床試験データから、エンホルツマブ ベドチンの抗腫瘍活性は、がん細胞上でエンホルツマブ ベドチンがネクチン-4に結合して標的細胞内に取り込まれると細胞障害性物質であるモノメチルアウリスタチンE(Monomethyl auristatin E:MMAE)が放出され、細胞増殖抑制(細胞周期停止)および細胞死(アポトーシス)が生じることによることが示唆されています9

Pfizer、Merck & Co., Inc., Rahway, NJ, USAとの提携について
Pfizerとアステラス製薬は、治療歴のない転移性尿路上皮がん患者を対象に、PADCEVTM(エンホルツマブ ベドチン)とMerck & Co., Inc., Rahway, NJ, USAのKEYTRUDA®(ペムブロリズマブ)の併用療法を評価するために、臨床開発の提携契約を締結しています。KEYTRUDA®はMerck & Co., Inc., Rahway, NJ, USAの子会社であるMerck Sharp & Dohme Corp.の登録商標です。

アステラス製薬株式会社について
アステラス製薬は、世界70カ国以上で事業活動を展開している製薬企業です。最先端のバイオロジーやモダリティ/テクノロジーの組み合わせを駆使し、アンメットメディカルニーズの高い疾患に対する革新的な医薬品の創出に取り組んでいます(Focus Areaアプローチ)。さらに、医療用医薬品(Rx)事業で培った強みをベースに、最先端の医療技術と異分野のパートナーの技術を融合した製品やサービス(Rx+®)の創出にも挑戦しています。アステラス製薬は、変化する医療の最先端に立ち、科学の進歩を患者さんの「価値」に変えていきます。アステラス製薬の詳細については、(https://www.astellas.com/jp/)をご覧ください。

注意事項
このプレスリリースに記載されている現在の計画、予想、戦略、想定に関する記述およびその他の過去の事実ではない記述は、アステラス製薬の業績等に関する将来の見通しです。これらの記述は経営陣の現在入手可能な情報に基づく見積りや想定によるものであり、既知および未知のリスクと不確実な要素を含んでいます。さまざまな要因によって、これら将来の見通しは実際の結果と大きく異なる可能性があります。その要因としては、(i)医薬品市場における事業環境の変化および関係法規制の改正、(ii)為替レートの変動、(iii)新製品発売の遅延、(iv)新製品および既存品の販売活動において期待した成果を得られない可能性、(v)競争力のある新薬を継続的に生み出すことができない可能性、(vi)第三者による知的財産の侵害等がありますが、これらに限定されるものではありません。また、このプレスリリースに含まれている医薬品(開発中のものを含む)に関する情報は、宣伝広告、医学的アドバイスを目的としているものではありません。

1 Leow JJ, Liu Z, Tan TW, Lee YM, Yeo EK, Chong YL. Optimal Management of Upper Tract Urothelial Carcinoma: Current Perspectives. Onco Targets Ther. 2020;13:1-15.
2 Petros FG. Epidemiology, clinical presentation, and evaluation of upper-tract urothelial carcinoma. Transl Androl Urol. 2020;9(4):1794-8.
3 International Agency for Research on Cancer. Cancer Today: Bladder Globocan 2022 fact sheet (01-2024). 30-bladder-fact-sheet.pdf (who.int)
4 International Agency for Research on Cancer (IARC). Bladder Fact Sheet. Lyon, France. 2022 (02-2024). Available at: 160-china-fact-sheet.pdf (who.int)
5 National Cancer Institute. What is bladder cancer? https://www.cancer.gov/types/bladder#:~:text=Types%20of%20bladder%20cancer,bladder%20cancers%20are%20urothelial%20carcinomas
6 American Society of Clinical Oncology. Bladder cancer: introduction (12-2021). https://www.cancer.net/cancer-types/bladder-cancer/introduction.
7 National Cancer Institute. Cancer stat facts: bladder cancer. https://seer.cancer.gov/statfacts/html/urinb.html.
8 Challita-Eid PM, Satpayev D, Yang P, et al. Enfortumab vedotin antibody-drug conjugate targeting nectin-4 is a highly potent therapeutic agent in multiple preclinical cancer models. Cancer Res 2016;76(10):3003-13.
9 PADCEV [package insert]. Northbrook, IL: Astellas Pharma US, Inc.

 

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