持続可能な資源の利用は事業活動を継続する上での必須要件であり、循環型社会の構築に向けて積極的に参画していく必要があると認識しています。循環型社会に貢献する取り組みとして、水資源の有効な利用、廃棄物の循環利用(再使用、再生利用、熱回収)に環境行動計画を定め活動を推進しています。
水資源の有効な利用
環境行動計画(省資源対策) ■ 水資源生産性を2025年度末までに、2016年度実績から20%程度向上する。 |
水資源の有効利用
水資源の有効利用は、生物多様性に与える影響を測る指標の一つです。アステラスは、水資源と経済活動との関連を「水資源生産性」という指標で評価し、その改善に取り組んでいます。2023年度の水資源生産性は、基準年度(2016年度)の65%の大幅な向上となりました。
水資源投入量と売上収益の推移
2016年度 | 2021年度 | 2022年度 | 2023年度 | ||
水資源投入量(千m³) | 8,774 | 7,394 | 6,864 | 6,497 | |
日本 | 上水・工業用水 | 7,705 | 6,737 | 6,231 | 5,952 |
地下水 | 758 | 458 | 434 | 346 | |
米国 | 上水・工業用水 | 146 | 53 | 55 | 61 |
地下水 | - | - | - | - | |
エスタブリッシュドマーケット | 上水・工業用水 | 145 | 128 | 129 | 124 |
地下水 | - | - | - | - | |
上水・工業用水 | 21 | 19 | 15 | 14 | |
グレーターチャイナ | 地下水 | - | - | - | - |
インターナショナルマーケット | 上水・工業用水 | - | - | - | - |
地下水 | - | - | - | - | |
売上収益 (十億円) | 1,312 | 1,296 | 1,519 | 1,604 | |
水資源生産性 (十億円/千m³) | 0.15 | 0.18 | 0.22 | 0.25 | |
改善率(%)(2016年度比) | - | 17% | 48% | 65% |
上水・工業用水・地下水以外からの取水はありませんでした。
対象:国内外の生産拠点、研究拠点 (注:環境への取り組みで示した取水量は本社での使用量を含めた値です。)
第三者保証の対象は、水資源投入量と水資源生産性です。
水のリサイクルおよび使用量削減の取り組み
アステラスの操業では、上水・工業用水および地下水から取水した水のみを利用しています。操業で使用した水は排水基準に応じて処理をし、水環境へ戻しています。また、プロセス排水の最小化などを行いながら、継続して水使用量削減に取り組んでいます。
リスクの評価
アステラスの研究・生産活動では水の利用が欠かせません。各事業所では水の利用に必要な許可を行政から取得し、認められた排水基準を満足するよう処理をしたうえで排水しています。
また、アステラスでは、World Resources Instituteが提供するAqueduct を用いて、工場などを置く操業地域固有の水リスクを分析しています。
現在、グローバルでの活動において枯渇が懸念される地域での水利用はありません。しかし将来、気候変動などの環境変化で水リスクが顕在化する可能性もあることから、リスク分析を行いつつ、できるだけ水への依存の程度を小さくしておくことが事業継続にも有利であると考えています。
廃棄物管理
環境行動計画(廃棄物管理) 廃棄物発生量原単位を2025年度末までに、2016年度実績から10%程度改善する。 |
廃棄物管理
アステラスでは、廃棄物の積極的なリサイクルやリユースによって、最終処分量を限りなくゼロに近づける取り組みを推進しています。また、廃棄物発生量と経済活動との関連を「廃棄物発生量原単位」という指標で評価し、その改善に向けた取り組みを行っています。
2023年度の廃棄物発生原単位は、基準年度(2016年度)から23%改善しています。
廃棄物発生量と売上収益の推移
2016年度 | 2021年度 | 2022年度 | 2023年度 | |
廃棄物発生量(トン) | 13,810 | 13,882 | 13,541 | 13,010 |
日本 | 11,726 | 10,158 | 9,787 | 9,354 |
米国 | 54 | 576 | 780 | 921 |
エスタブリッシュドマーケット | 1,976 | 3,043 | 2,866 | 2,655 |
グレーターチャイナ | 54 | 105 | 109 | 81 |
インターナショナルマーケット | - | - | - | - |
売上収益 (十億円) | 1,312 | 1,296 | 1,519 | 1,604 |
廃棄物発生量原単位 (トン/十億円) | 10.5 | 10.7 | 8.9 | 8.1 |
改善率(%)(2016年度比) | - | -2% | 15% | 23% |
対象:国内外の生産拠点、研究拠点(注:環境への取り組みで示した発生量は本社での発生量を含めた値です。)
第三者保証の対象は、廃棄物発生量と廃棄物発生量原単位です。
バリューチェーンでの廃棄物管理
研究所や工場で発生する有害廃棄物による環境汚染や、廃棄物の不法投棄を防止することも廃棄物管理では重要です。これらを防止するために適切な処分方法を検討するとともに、委託先での処理が適切に行われていることを定期的な現地調査により確認しています。
高濃度ポリ塩化ビフェニール(PCB)廃棄物の処理
アステラスでは、保管していた高濃度PCB含有機器などの無害化処理を計画的に行い、2023年度中にすべてのPCB廃棄物の処理を完了しました。