Primary Focus 再生と視力の維持・回復
Blindness & Regeneration

全世界で1億6千万人以上が、失明リスクの高い眼科疾患に罹患しているといわれており、患者さんのQoL(生活の質)に長期的且つ深刻な影響を与えています*。失明を引き起こす疾患の多くでは、効果的な治療法が限られており、治療法が存在しない疾患もあります。

*参考資料:
Data from the WHO Blindness and Visual Impairment fact sheet. Version 8 Oct 2020.  
Data from the Foundation Fighting Blindness 2019 Annual Report. 

 

アプローチ

私たちは、失明のリスクの高い眼科疾患を持つ患者さんに対して、細胞医療や遺伝子治療などの新しいモダリティを活用することで、視力をつかさどる重要な細胞の機能に置き換わる、もしくはその機能を保護、回復するような新しい治療法の開発を目指しています。
ヒト多能性幹細胞に由来する、網膜色素上皮細胞ASP7317は、地図状萎縮を伴う加齢黄斑変性、Stargardt病を適応症とするリードプログラムで、現在第Ⅰb相試験が進行中です。
また、ユニバーサルドナー細胞技術を用いたプログラムであるASP2020がパイプラインに加わりました。ユニバーサルドナー細胞技術は、免疫拒絶を回避し、他家細胞移植を可能にする技術です。アステラスは、移植領域において、プログラフ®(免疫抑制剤)を通じて世界をリードしてきました。今後もより多くの患者さんに安全な移植医療を届けるために、情熱を持って研究開発に取り組んでいきます。

また、私たちは以下のケイパビリティを持っています。

  • ヒト多能性幹細胞を用いた、高品質な治療用細胞の作製・CMC・開発
  • 免疫拒絶のない細胞医療を可能にする、ユニバーサルドナー細胞技術
  • 次世代の細胞医療のための安全な遺伝子改良技術
  • 治療用アデノ随伴ウイルスの作製、生産、開発
  • 眼科領域における細胞・遺伝子治療の薬効および安全性評価
アプローチ

UDC:ユニバーサルドナー細胞、RPE:網膜色素上皮細胞、AAV:アデノ随伴ウイルス

 

パイプライン

パイプライン

 

パートナリング

私たちは、細胞医療や遺伝子治療といった次世代のモダリティを追求し、器官の機能を再生させるようなイノベーションを追求しています。

外部パートナーに期待するアセット、ケイパビリティおよび人材

眼科領域またはその他の領域における

  • 細胞医療・遺伝子治療、その他の新たなモダリティや技術(前臨床、臨床)
  • 標的とする器官の再生をもたらす医薬品候補(前臨床、臨床)
  • 低侵襲で効率良く、眼内に医薬品を届ける技術
  • 細胞・遺伝子・Extracellular VesicleのCMC(Chemistry:化学、Manufacturing:製造、Control:品質管理)の改善に寄与する技術
  • 網膜下・硝子体内投与のための、より安全で高性能な血清型のAAV

【人材】

  • 細胞・遺伝子治療の、研究・開発・製造・規制などに深い経験を有する人材

 

Primary Focusリードからのメッセージ

Primary Focusリードからのメッセージ

Primary Focusリード (Blindness and Beyond)
部門長 博士(理学)
鈴木 丈太郎

私たちは、ヒト多能性幹細胞由来の細胞医療を実現するため、米国ボストンエリアのAstellas Institute for Regenerative Medicine(AIRM) とUniversal Cellsにて、研究・開発・CMCのチームが一体となり、スピード感をもって研究開発に取り組んでいます。また、アステラスの遺伝子治療のCenter of ExcellenceであるAstellas Gene Therapyは、AAVを活用した遺伝子治療の研究開発に取り組んでいます。
アステラスは米国に開発の中核拠点があり、世界中のパートナーと協働で新薬の開発に取り組んでいます。私たちは社内外の最適なケイパビリティを組み合わせることで、生産性と創造性を高め、患者さんにとっての「価値」を生み出していきます。

 

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