アステラスのグローバルコンプライアンスプログラムの諸要素
* 誠実な企業風土は、有効なコンプライアンスプログラム全体に関わり、両者は相互に依存しています。

 

以下の分野もエシックス&コンプライアンスプログラムに含まれます

  • 贈収賄・腐敗行為の防止
  • ヘルスケアコンプライアンス (医療機関、医療従事者、政府関係者との関わり)
  • 個人情報保護
  • 透明性情報公開
  • 利益相反
  • 国際貿易コンプライアンス
  • 情報セキュリティ

    アステラスのコンプライアンスプログラムは、価値観に根差した倫理的で誠実な企業風土がその中心にあります。このことが、全社員に求められるコアコンピテンシーである、倫理および法令等に則ったリスクベースの合理的な判断・意思決定の支えとなり、イノベーションや大胆な発想の実現を可能にします。リスク衡量・積極性・機動性・創造性・専門性・実行可能性を伴ったコンプライアンスガイダンスを通じ、患者さんに対して持続可能な価値を提供できるような行動・判断を行っていきます。

    アステラスのコンプライアンスプログラムは、ビジネス部門との協力によってプログラムの標準化と有効性の強化を図りながら「予防」、「発見」、「対応」、「評価」のサイクルを回すことで、持続的に発展・進化していきます。 

    予防

    価値観に根差した倫理的で誠実な企業風土を醸成するための第一歩は、アステラスの経営陣が、社員が倫理および法令等に則った適切な意思決定のできる「心理的に安全な環境」の整備に向けて説明責任と監督を担うことです。これは、当社のグローバルおよび各地域のコンプライアンス委員会による取組みと、委員会が業務運営・活動に即して倫理・コンプライアンスを認識・理解することにより、一層強化されます。

    アステラスの包括的コンプライアンスプログラムは、コンプライアンス違反や不適切行為を防止することを目的に設計されています。コンプライアンスに関連するリスク分野をカバーする既存のグローバルポリシー、プロセス、システム、ツール、統制およびそれらに関連する研修・コミュニケーションを通じて、リスクを低減し、コンプライアンス違反を防止するための措置を講じています。

    コンプライアンスリスク評価は、(基準や統制の策定・実施、外部業者や販売委託先に対する適切な監督・デューデリジェンス、対象者を特定した効果的な研修・コミュニケーションなどによる)適切なリスク低減を行うべき既存の、あるいは新しいリスク分野の特定に役立ちます。

    エシックス&コンプライアンス部門は、社員のコンプライアンス意識と理解を継続的に向上させるため、オンライン、あるいはライブの研修プログラムを複数展開しています。新入社員を含む全社員に、アステラスグループ行動規準、個人情報保護、反贈収賄・反腐敗行為、利益相反などをテーマとしたコンプライアンス研修の受講を義務付けています。また、グローバルの倫理・コンプライアンス研修では、研修効果を測るためのアンケート調査も実施しており、その結果は、研修が社員のニーズに合っているかどうかの確認や研修効果をさらに高めるための改善に役立てています。

    発見

    コンプライアンス違反の防止に会社として様々な努力を払いますが、アステラスの社内規程および当業界に適用される法令やガイドランを遵守する責任を負っているのは社員一人ひとりです。エシックス&コンプライアンス部門の目標は、ガイダンス、説明、教育研修の提供を通じて、社員および会社が倫理および法令等に則った判断・意思決定を行えるようになることです。

    アステラスはEthicsPoint(第三者が運営する内部通報窓口)を設置し、社員が匿名かつ秘密裡に、自らの声、懸念、不正の疑いを会社に伝えることのできる方法を提供しています。EthicsPointの利用者は、その選択により、身元を明らかにすることも、(法令で認められる範囲において)匿名を維持することもできます。

    さらに、業務やプロセスを積極的にモニタリングすることで、問題の早期発見やリスクの特定が可能となり、教訓の共有、コミュニケーションや研修、プロセス改善により、将来のコンプライアンス違反の防止につなげることができます。 

    対応

    コンプライアンス違反を発見した場合、あるいは不適切な活動や行為に関する通報を受けた場合、事実および状況を十分に把握するため、公正、入念、かつ客観的な方法で速やかに調査を行います。違反の事実が認定された場合は、あらゆる法令、規程、手続、ガイドラインおよびアステラスの価値観を一貫性と客観性を持って適用することに対する経営陣の責任と支援を前提に、適切かつ相応の措置を講じます。

    通報された事案は、必ずしも懲戒処分につながるわけではありません。調査の結果、不正と認定されないものの、さらなる研修や教育の必要性が確認されるということも多々あります。誤解を招かないための明確なコミュニケーションや指示の方法が指導されることもあります。もし不正があるならば、できる限り速やかに対処する必要があります。Speak-Up(声を上げること)はアステラスをより良い会社にするための方法でもあります。

    評価

    アステラスのエシックス&コンプライアンス部門は、コンプライアンスプログラムの成熟度と有効性を継続的に評価・検討するためのプロセスを設けています。研修、内部調査、懲戒処分、プログラムの標準化など、確立された重要評価指標(KPI)を高めていくことは、アステラスの取締役会や経営陣に対して、エシックス&コンプライアンス部門に十分かつ適切なリソースと権限を確保するために必要な情報を与え、その管理監督を容易にするものです。