Primary Focus ミトコンドリア
Mitochondria

ミトコンドリアは独自の母性遺伝DNA (mtDNA)を持つ、細胞内の特殊な小器官です。ミトコンドリアの機能不全は、腎臓、肝臓、筋肉、中枢神経系、目および耳などの疾患と関連しています。これらの疾患の多くは治療の選択肢がほとんどなく、アンメットメディカルニーズ(満たされない医療ニーズ)が存在しています。ミトコンドリアを標的とした研究開発に取り組むことで、ミトコンドリアの機能不全に伴う疾患に対する革新的な治療法の創出を目指しています。

 

 

アプローチ

私たちは、ミトコンドリアバイオロジーと、疾患の病態に関する理解を深め、そして革新的な標的分子を特定する研究プラットフォームを活用することで、科学的に関連性のある適応症を選択しています。

アプローチ

mtDNA: ミトコンドリアDNA(デオキシリボ核酸)、ROS: 活性酸素種、ATP:アデノシン三リン酸、NAD+:ニコチンアミドアデニンジヌクレオチド

PoC(Proof of Concept)を確認後、適応症をさらに拡大し、さらに新しいアプローチとして細胞医療にも取り組んでいます。

 

パイプライン

パイプライン

 

パートナリング

ミトコンドリアバイオロジーに関連した基礎研究は、遺伝子治療、細胞医療、ミトコンドリア移植療法などといった新しいモダリティとともに発展しています。ミトコンドリアバイオロジーに基づく医薬品の開発は急速に進化しているため、様々なケイパビリティが必要です。強いインパクトをもたらす研究を発展させていくために、外部パートナーの皆さまとの提携機会を探索しています。

外部パートナーに期待するアセット、ケイパビリティ

アステラスは、低分子化合物や抗体を用いた医薬品開発の豊富な経験と、細胞医療や遺伝子治療に関する専門性を持っています。ミトコンドリアや、その機能制御に関わる前臨床または臨床段階のアセット、技術、ケイパビリティについて、モダリティ/テクノロジーを問わず、幅広く注目しています。

【人材】

科学に関する専門性、誠実さは必須ですが、アステラスはさまざまな背景や経験を持つ多様な人材が集まることが、創造を生み、かつ柔軟な医薬品開発につながると考えています。チームワーク、コミュニケーション、透明性、尊重を重要視しています。

 

Primary Focusリードからのメッセージ

Primary Focusリードからのメッセージ

Primary Focusリード(ミトコンドリア)
部門長 博士(臨床薬理)
Tong Zhu

アステラスは、グループ会社であるマイトブリッジ社(米国、マサチューセッツ州ケンブリッジ)と、Nanna社(英国、ケンブリッジ)とともに、高い専門性を持つチームを構築し、ミトコンドリアの機能を改善するための革新的な治療法の開発に取り組んでいます。ミトコンドリアのバイオロジー、代謝、老化プロセスなどの分野で、世界をリードする科学者とのネットワークを構築し、「イノベーションハブ」のコンセプト(米国ボストン地区や英国を拠点として、周辺のアカデミアやベンチャー企業などと協働する研究活動)を推進しています。私たちは、革新的な開発戦略の下、1つの疾患において迅速にPOCを取得し、さらに患者さんの価値を最大化するため、より多くの疾患への適応拡大に取り組んでいます。また、医薬品開発において患者さんの視点を組み込むため、患者団体とも協働しています。

参考情報:本Primary Focusでは、ミトコンドリア機能不全を原因とする、重篤で効果的な治療法がほとんど開発されていない疾患の解決に取り組んでいます。各疾患に対する私たちの研究開発の取り組みについて、下記からもご覧いただけます。

 

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