アステラスは、日々の企業活動において誠実に行動し、患者さんのことを第一に考え、会社の長期的かつ持続的な成功を重視する倫理的な企業風土を推進しています。

エシックス&コンプライアンス部門のIntegrity in Actionプログラムは、倫理・コンプライアンスに責任を持つこと、誠実に行動すること、率先垂範することの重要性を強調しています。このプログラムへの継続的なコミットメントの一環として、研修・コミュニケーションにおいて、誠実さや患者志向の考え方を定着させ、倫理・コンプライアンスを徹底することがアステラスの使命を果たす上でいかに重要かを社員に理解させるようにしています。

アステラスは、社員が懸念の声を上げたり、「アステラスグループ行動規準」への違反(その疑いを含む)や不適切な行為・慣行を通報したりすることが容易な、心理的安全の高い環境の醸成に努めています。通報は社員だけでなく社外の方も行うことができ、通報者は(法令で認められている限りにおいて)匿名を維持することができます。すべての通報は内部調査チームが対応しています。

またアステラスでは、内部調査の結果、不正が認められなかった場合を含め、懸念やコンプライアンス違反を善意で通報した者への報復行為を固く禁止しています。また、Speak Up(声を上げること)を促す取組みをグローバルに展開し、ビジュアルに工夫を凝らしたオンラインリソース、ポスター、コミュニケーション、プレゼンテーションなどを活用しながら、Speak Up の重要性や社員の通報義務を定期的に再認識させています。

コンプライアンス違反に関する通報と内部調査については、一元管理を行っており、これによりコンプライアンスに関わる傾向分析をグローバルに行うことが可能となっています。統計情報、傾向、カテゴリー等の分析結果は、グローバルおよび各地域のコンプライアンス委員会に定期的に共有しています。

アステラスの基本的な価値観である誠実さや倫理・コンプライアンスを組織内で効果的に推進・実践していくためには、リーダーやマネジャーの存在が重要になります。エシックス&コンプライアンス部門は、ビジネス部門と緊密に連携の上、倫理・コンプライアンスに根差した企業風土の継続的な強化・維持を目的としたさまざまな取組みを展開しています。例えば、リーダー・マネジャー向けのワークショップを含め、倫理的な意思決定を支援するための取組みを行っており、日々の企業活動において倫理的な判断を行うための助けとなる実用的なツールを倫理に関わる種々の重要概念を基にして作成し、リーダー・マネジャー(あるいはそのチーム員)が利用できるようにしています。

Turn the Lights Onプログラムは、内部調査やモニタリング等を通じて発覚した事案を元にしたシナリオを用いて、社員により関心を持ってもらえるような形で、倫理・コンプライアンスに関わる問題に対応していくための教訓やベストプラクティスを伝えていこうという取組みです。各地域のコンプライアンス委員会やリーダー層を巻き込んで社員に向けたケースディスカッションを行うほか、組織のあらゆるレベルで対話を促し、コンプライアンスの成熟度およびコンプライアンスに対するオーナーシップ・責任感の向上を図っています。安心して声を上げることのできる環境を築くことで、社員間の信頼および会社に対する信頼が醸成されると考えています。

患者さんのことを第一に考えながら、イノベーションを迅速かつ誠実に実現するための倫理的な意思決定を行うことで、患者さんに継続的に価値をもたらし、成功の土台である信頼が深まっていく、長期的で持続可能な未来を創造していきたいと考えています。