サステナビリティ方針業績評価指標

私たちが創出するイノベーションは、社会のサステナビリティ向上の一端を担い、その結果、社会からの信頼を得ることでアステラスのサステナビリティ向上にも繋がると考えています。
企業が社会のサステナビリティ向上に貢献することへの期待は年々高まっています。アステラスは社会からの期待に応えていくことは重要であると考えており、サステナビリティ活動の業績や進捗を適切に開示していきます。
私たちはサステナビリティ方針にある2つの柱に関連する9つの最重要課題(マテリアリティ)および環境に関する重要課題に対し、アステラスが中期的に優先する項目、具体的な取り組み、2025年度までのコミットメントを策定しました。このコミットメントに対してサステナビリティ方針の業績評価指標(SDPIs)を設定し、測定可能かつ適切な具体的アクションを開示することで、サステナビリティ方針を着実に推進していきます。

- 原則、対象範囲はグローバルとし、冒頭に記載している期間の業績を開示
- このSDPIsに含まれている医薬品(開発中のものを含む)に関する情報は、宣伝広告、医学的アドバイスを目的としているものではありません:

 

1. アンメットメディカルニーズの高い疾患の治療のための新しい治療法やモダリティの創出

アステラスは、アンメットメディカルニーズに応えた治療法やモダリティを創出し、世界の患者さんや介護者の生活を改善する優れたアウトカムをもたらすソリューションを提供することで、ヘルスケアシステム全体の負担軽減に貢献します。

 単位2023年度
PoC*1を取得したプロジェクト数プロジェクト0
IND*2を取得したプロジェクトの数プロジェクト4
新規に上市した製品数製品5
(VEOZAH, IZERVAY, VYLOY,
XTANDI (M0 CSPC), PADCEV (1L mUC))
ブレークスルーセラピー*3指定、ファスト・トラック*4指定、PRIME*5指定、優先審査*6指定、先駆け審査*7指定のいずれかに該当するプロジェクト数3
Rx+新規プログラム数プログラム1

*1 PoC:Proof of Concept/コンセプト検証(後期開発への進展の是非を判断するために臨床試験データで効果を確認すること)
*2 IND:Investigational New Drug/新薬の臨床試験開始届
*3 ブレークスルーセラピー:重篤なあるいは命にかかわる疾患に関する薬剤の開発および審査の促進を目的としたアメリカ食品医薬品(FDA)の制度
*4 ファスト・トラック:完治が難しい疾患に対し、高い治療効果が期待できそうな新薬を優先的に審査するアメリカ食品医薬品(FDA)の制度
*5 PRIME:Priority Medicines/欧州医薬品庁(EMA)が実施している、アンメットメディカルニーズを対象とする医薬品の開発支援を強化する制度
*6 優先審査:希少疾病用医薬品の指定を受けた医薬品の他、一定の要件に該当する医薬品について優先的に審査する制度
*7 先駆け審査:有効な治療法がなく命に関わる疾患に対し、革新的医薬品等を世界に先駆けて日本発で早期に実用化するために国内での開発を促進する日本の制度

 

2. アステラスが創出するイノベーションへのアクセス最大化と患者さんのアウトカム向上

保健医療へのアクセスは、社会とアステラス双方にとっての最重要課題のひとつです。より多くの患者さんにアステラス製品へのアクセスを提供すること、疾病の認識、予防、ヘルスケアサービスへのアクセスを改善することにより、2025年までに3,600万人以上(累計)にインパクトをもたらします。

 単位2023年度
アステラスのコアビジネス(Rx,Rx+)  
アステラス製品*8を処方された累計患者数1億5,950万以上
(1994年からの累計)
アステラス製品を届けた国の数カ国103
Rx+ 事業で製品化されたプログラム数プログラム0
アステラス製品の入手可能性の向上  
多様な医薬品アクセスプログラム*9を通じて治療を受けた患者数2,055以上
多様な医薬品アクセスプログラムの実施国数カ国61以上
アステラス製品が販売されていない国の患者さんに、パートナーとともにアステラス製品へのアクセスを提供した人数0
外部パートナーが実施する保健医療へのアクセス向上に向けた活動の協働・支援  
アステラスが支援する保健医療へのアクセス向上のプログラムにより影響を受けた人数(2021年度からの累計)約31,500
(2024年3月末現在)
アステラス・グローバルヘルス財団による保健医療へのアクセス向上のプログラムにより影響を受けた人数3,140万以上
(2018年度からの累計)
アステラス・グローバルヘルス財団の助成金額百万
USドル
約13.3以上
(2018年度からの累計)
パートナーと協力し保健医療へのアクセス課題に取り組む研究開発活動の件数4

*8 ハルナール、ベシケア、ミラベグロン、プログラフ、イクスタンジ、ゾスパタ、エベレンゾ、パドセブ
*9 詳細は以下のウェブサイトをご参照ください
アステラス製品の入手可能性の向上

 

3. 価値に基づく価格設定をアドボケートし、持続可能なヘルスケアシステムの維持へ貢献

アステラスは、価値に基づく価格設定をアドボケートし、持続可能なヘルスケアシステムの維持へ貢献します。

 単位2023年度
価値に基づく価格設定(グローバルでの活動)  
価値、アフォーダビリティ*10、アクセスの課題に対応するため、価値に基づく革新的な価格設定ソリューションが導入された数5
価値に基づく革新的な価格設定方法によって製品が発売された国の数(累計)カ国2
価値に基づく革新的な価格設定方法を採用している製品/ブランドの数-2
価値に基づく価格設定(日本国内における活動)  
経団連*11の活動を通じ、価値に基づく価格設定に関して勉強会やイベントでの講演・発表を実施した数3
価値に基づく価格設定を内容に含む一般市民向けアドボカシー活動の数8

*10 費用負担可能であること
*11
 一般社団法人日本経済団体連合会

 

4. イノベーション創出を促す人材と組織文化の醸成

アステラスは、イノベーションを実現するための確かなケイパビリティを持つ人材の確保とイノベーションを促進する組織文化を醸成します。

 単位2023年度
サステナビリティ関連イベント実施後にメディアで報道された件数8
社長からの6階層以下の組織の割合83
全組織のスパン・オブ・コントロール *12の平均値-5.9
社内表彰制度の従業員の利用率87
社内表彰制度により表彰を受けた従業員の割合76
社内表彰制度の従業員の満足度今後測定予定
エンゲージメントスコア-71

*12 スパン・オブ・コントロール: マネジャー1人が管理する部下の人数

 

5. 強靭で持続可能なビジネス基盤の構築

アステラスは、予測不能な事態や緊急事態が生じた場合でも、安全で有効な医薬品を確実に製造し安定的に供給することは極めて重要だと認識しています。製造サプライチェーンやエネルギー調達への事前対策やサステナビリティの観点を盛り込んだサプライヤーの選定を行い、より持続可能で柔軟なバリューチェーンを構築します。

 単位2023年度
サプライチェーンマネジメント  
総電力使用量に占める再生可能エネルギー源による電力の割合40
非常用電源強化プロジェクトの進捗状況-国内の製造拠点・研究所に予備電源の導入を実施中または検討中
地震多発地域の生産サイトにおける耐震補強工事の進捗率100
安定供給のための取り組み-サプライヤーとの連携強化に向けた各種取り組みを継続して実施
地政学的課題に関する代替調達の準備の進捗-
  • 一部の製品を除く主要製品の代替リソースのリスク評価および準備を完了
  • リスク評価中の一部の製品については、代替リソースの特定を完了
  • 新製品である Izervay のリスク評価を開始
サステナブル調達  
TPLM*13プログラムの全グループ会社における統一的な運用の進捗状況-全グループ会社および製造拠点に対し、グローバル化されたTPLMの運用プロセスを導入完了
サプライヤーエンゲージメント活動へのビジネスパートナー行動規範の組み込み状況-
  • ビジネスパートナー行動規範をアステラスコーポレートサイトに掲載
  • ビジネスパートナー行動規範を「アステラスの持続可能な調達宣言」の一つの柱に含めた
  • 注文書や契約の規約へのビジネスパートナー行動規範の組み込みを実施
小規模・多様なサプライヤーに対する年間支出の米国以外の地域への拡大状況-
  • 米国において小規模事業者に約1億3,000万ドルの支出を目標とする「2024 US Small Business Plan」がVeterans Affairs(アメリカ合衆国退役軍人省)より承認を受けた
  • 中小企業データベースの利用を開始し、既存のサプライヤーとの照合を行うとともに、グローバルにビジネスを展開できる潜在的な中小企業の特定に活用
アステラス内における「持続可能な調達宣言」の浸透状況-
  • 「アステラスの持続可能な調達宣言」をコーポレートサイトへ掲載
  • グローバルな調達とベンダーマネジメントに関する社内研修の一環として、「アステラスの持続可能な調達宣言」についての研修を実施
サプライヤーに取引を発注する際の意思決定プロセスへのサステナビリティ基準の組み込み状況-
  • 提案依頼書へのESG関連の質問及びガイダンスの組み込みを準備
  • サプライヤー選定時に活用できるようサステナビリティ基準の調達手順書への組み込みを実施
戦略的サプライヤーおよび優先サプライヤーに対するサプライヤー・リレーションシップ・モデルのガバナンス体系へのサステナビリティの組み込み状況-
  • 新しいDaaSモジュール(GHG削減を包括的に進めるツール)を既存のSRM(サプライヤー・リレーションシップ・マネジメント)プラットフォームへ取り込む準備を推進中
  • 第1期では戦略的サプライヤーおよび優先サプライヤーを対象に働きかけを行う予定

*13 TPLM :Third Party Lifecycle Management

 

6. 製品の品質と安全性のさらなる向上

アステラスは、「品質重視の文化」を醸成し、患者さんのための製品の品質保証と安全性を確保します。

 単位2023年度
製品の品質保証  
様々な社内コミュニケーションチャネルを通じて品質保証の啓発資料を共有する文化の醸成されている-CEOを含むトップおよび上級管理職による、品質の重要性に関するメッセージを発信
商用生産施設における品質重視の文化についての評価-商用生産施設における品質重視の企業文化についてのスコアカード評価を完了し(高岡、富山、高萩、焼津、ダブリン、ケリー、瀋陽)、24年度に重点的に取り組むべき目標課題を特定
コミュニケーションプラットフォームでリーン・シックスシグマ(Lean Six Sigma) *14の資料とツールが共有されている-
  • リーン・シックスシグマ実践コミュニティが48 か国 より970 名が参加するまでに成長
  • 約 100 名のアステラス社員が Lean Six Sigma 認定を取得
  • 品質と効率の継続的な改善の実例を共有するライブ、セッションを9 回実施

*14 リーン・シックスシグマ:品質保証文化を醸成するために、社内において最大限に業務を効率化し、ホワイトスペース(新しいアイデアを模索するために必要なリソース)を創出し、コストを削減するためのアプローチ

 

7. パリ協定と整合性のある温室効果ガス排出削減の達成 

アステラスは、パリ協定と整合性のある温室効果ガス排出目標を定め、SBT*15認証を取得しています。これらに沿って2025年度までに適正な量の温室効果ガス削減目標の達成を目指します。
[2030年度までの温室効果ガス排出量削減目標]*16
スコープ1+2
63%削減(基準年:2015年度)
スコープ3
37.5%削減(基準年:2015年度)

 単位2023年度
温室効果ガス排出削減率(スコープ1+2)39.8
温室効果ガス排出削減率(スコープ3)1.8*17
エネルギー使用量TJ2,005
再生可能エネルギー由来の電力の割合40
水資源生産性(WRP)(十億円/千m³)0.25
売上収益当たりの廃棄物発生量(トン/十億円)8.1
生物多様性指数-4.9
営業車に占める低排出ガス車の割合59
TPLMプログラムを通じて評価されるCMO*18の数25

*15 詳細は以下のウェブサイトをご参照ください
温室効果ガス排出量削減目標を改定しSBT(Science Based Targets)イニシアチブの承認を取得
*16 詳細は以下のウェブサイトをご参照ください 
環境への取り組み | アステラス製薬 (astellas.com)
ESGデータ | アステラス製薬 (astellas.com)
*17 2022年度実績
*18 CMO: Contracted Manufacturing Organizations