ワークライフバランス
多様な労働時間制度
アステラス製薬では、社員一人ひとりの役割と成果に基づく評価が基本であり、職務に応じてスーパーフレックスタイム制度、裁量労働制度など、多様な働き方を認める労働時間制度を導入しています。
2020年度4月からアステラス製薬および国内グループ会社ではコアタイムを廃止し、フレックスタイム制度からスーパーフレックスタイム制度に移行、2020年11月からはMR職にもスーパーフレックスタイム制度を導入しました。
子育て支援の取り組み
少子化が進行するなか、社会全体で子育て家庭を応援し、子どもを生み育てやすい環境づくりを進めるため、企業に対しても仕事と子育ての調和への取り組みが求められています。アステラス製薬は、2007年、2012年、2014年および2018年に次世代育成支援対策推進法に基づく基準適合一般企業として認定を受け、くるみんマークを取得し、2019年にはプラチナくるみんも取得しました。子育て支援の取り組みとして、産前・産後や育児休業者の復職を容易にするため、希望者に対して休職中の会社情報の提供や自己啓発の機会提供のほか、新制度の周知や利用促進などを目的とした復職支援施策を実施するなど、コミュニケーションを促進するための対策を推進しています。また、ベビーシッター派遣会社との法人契約や利用時の補助、育児休業復職時の託児費用補助などの支援策に加え、育児短時間勤務制度の期間延長や、在宅勤務制度、MR職の勤務地限定制度の導入など、さまざまな子育て支援制度を導入しています。
女性の活躍の推進
人材の多様性には、人種、国籍、性別、年齢等いろいろな視点があり、国や地域の状況によって課題はさまざまです。日本では性別による多様性が十分ではないと認識し、「女性の活躍」を推進することを出発点に活動を開始しました。2007年度に社長直轄プロジェクトとしてWIND(Women's Innovative Network for Diversity)プロジェクトを発足し、職場・上司・女性の意識や行動の変革を促進していく「チェンジ・マネジメント」と、業務プロセスや人事制度の仕組み・運用などの「枠組み改革」の両方を同時に推進してきました。全てのポジション・グレードにおいて、アステラスで働く全ての社員がいきいきとやりがいをもって働き、ジェンダーに関わらず活躍している状態を目指し、多様な人材の能力発揮につなげるための課題を解決していくことが、アステラス全体の競争力強化につながると考え、今後も取り組みを推進していきます。
2014年3月には、これまでの取組みが評価され、経済産業省が表彰する「ダイバーシティ経営企業100選」に選出されました。
2016年および2019年の3月には、女性活躍推進に優れた上場企業として、経済産業省および東京証券取引所より「なでしこ銘柄」に選定されました。
また、2024年6月末時点での取締役における女性比率は46%、アステラス国内の女性社員の割合は32%、経営基幹職に占める女性社員の割合は18%でした。
女性活躍推進法に基づく一般事業主行動計画
全てのポジション・グレードにおいて、アステラスで働く全ての社員が、いきいきとやりがいをもって働き、ジェンダーに関わらず活躍している状態を目指すため、以下の通り行動計画を策定します。
■計画期間:2021年4月1日~2026年3月31日(5年間)
■目標と取組内容・実施時期
目標①:経営基幹職に占める女性割合を20%以上とする(2030年度までに30%を目指す)
- 内発的動機付けを通じたキャリア開発・エンゲージメント強化、女性経営基幹職候補のタレントプール強化・能力開発支援等を通じて、経営基幹職に占める女性割合を高めていく。
- Initiatives for 2025
目標②:男性の育児休暇・休業取得率を100%にする
- ジェンダーに関わらず、仕事と家庭を両立し双方に貢献できる職場を実現することで、社員一人ひとりの人生を豊かなものとし、会社の持続的な成長につなげる。
- Initiatives for 2025
経団連30% Challengeへの賛同
アステラスは、経団連が呼び掛ける「2030年30%へのチャレンジ」に賛同しています。
「2030年30%へのチャレンジ」は、2020年11月に経団連が公表した「。新成長戦略」において掲げられている「多様な人々の活躍推進」のうち、「2030 年までに役員に占める女性比率を30%以上にする」という目標を推進するための取り組みです。
当社は、これまでも女性活躍推進に取り組んでいますが「2030年30%へのチャレンジ」へ賛同することで、さらなるダイバーシティ、エクイティ&インクルージョンを推進し、企業価値向上を目指してまいります。
経団連 「2030年30%へのチャレンジ」
https://challenge203030.com/
グリーンサプライ支援室
アステラスは、障がい者がその能力や適性に応じて、自立した日常生活や社会生活を営むことができる社会の実現に向けて活躍できる場を提供することが自らの社会的責任のひとつであると認識しており、各種制度や就労環境の整備を行いながら、障がい者雇用の促進に努めています。
具体的な取り組みとしては、2011年4月にグリーンサプライ支援室を初めてつくば研究センター内に開設し、2014年10月には焼津製剤研究センターに、2016年4月には本社に3番目の拠点としてグリーンサプライ支援室を開設しました。ここで働く「グリーンスタッフ」と呼ばれる障がいのある社員が、それぞれの障がい特性や事業場の特性に応じ、機密文書の回収・処理業務、緑化維持管理や花卉の栽培、従業員のユニフォーム・靴のクリーニングや清掃業務、またリユース品の利用促進に向けた活動等を日々行っています。その特性に応じた職務の開発と提供を行いながら、「グリーンスタッフ」の皆さんが活躍できる環境を整え、各人の自立に向けた取り組みを進めています。
また、2013年度より、一般社団法人 企業アクセシビリティ・コンソーシアム(ACE)に参画し、「企業の成長に資する、新たな障がい者雇用のモデルを社会とともに確立する」ことを目指しています。
障がい者雇用率の推移
2015年度 | 2016年度 | 2017年度 | 2018年度 | 2019年度 | 2020年度 | 2021年度 | 2022年度 | 2023年度 | |
雇用率 | 2.15% | 2.18% | 2.31% | 2.30% | 2.11% | 2.37% | 2.49% | 2.78% | 2.73% |
労働組合との関係
アステラス製薬の社員は、アステラス労働組合を構成し、上部団体として医薬化粧品産業労働組合連合会に加盟しています。2024年3月31日現在における組合員数は2,861名です。労使協議の場として経営協議会や職場協議会、(安全)衛生委員会などがあり、それぞれの立場からの提案・意見交換を進め、労使双方のテーマの理解と認識を共有しています。
健康管理
健康診断
健康診断の結果、2023年度はアステラス国内グループ全体の20.1%の社員が再検査・精密検査が必要であると診断され、そのうち再検査未受診者は6.4%でした。今後も健康リスク者のフォローを強化し、再検査などの早期で確実な受診を促していきます。なお、健康保険組合が推進する健康増進策として、ウォーキングやダイエット、ライフスタイル改善へのチャレンジを促すプログラムが毎年行われており、2023年度は2,267名が実施しました。
メンタルヘルスケア
職場や生活でのストレスなど、さまざまな原因で引き起こされるメンタルヘルスケアの問題については、社内精神科医や社外EAP※1を利用した健康相談の体制を構築しています。
2008年より、厚労省『職業性ストレス簡易調査票』に基づいた心の健康診断を実施しています。
2016年からは法令に基づくストレスチェックを実施し、調査結果を考慮した職場の環境調整などを行っています。
※1 従業員支援プログラム(Employee Assistance Program)。メンタル面から社員を支援するプログラム
長時間労働の防止
長時間労働は身体的、精神的な健康障害に結びつくと言われています。アステラスの過重労働対策は、時間管理システムにより適切に把握しています。2015年より、社員一人ひとりの豊かな生活と生産性・創造性の高い働き方の両立を目指して「働き方改革」に取り組んでおり、様々な施策を推進しています。
ボランティア活動支援
社員が自発的に取り組むボランティア活動を支援する制度を設けています。
ボランティア休暇制度は、社会福祉、自然環境保護、災害援助、国際協力活動などの活動のための技術・知識取得などを支援するため、年間5日を限度に休暇を取得できます。また、ボランティア休業制度は、長期のボランティア活動を支援する制度で、最長3年までの休業が認められます。
骨髄ドナー特別休暇制度は、社員の骨髄提供者としての自発的意思を尊重し支援するための制度であり、骨髄登録や骨髄提供を行う際に必要な期間を休暇とする制度です。
2010年度に開始したアステラス全社のボランティア活動の取り組みであるChanging Tomorrow Day *¹ により、社員のボランティア活動に対する意識が高まっています。
*¹詳細は以下のウェブサイトをご参照ください。
傷病休業時の制度と補償
ライフイベントの中でも、思いがけなく起こる病気やけがは、短期間の場合は年次有給休暇で対応できますが、長期の療養が必要になる場合にも安心できる制度が必要となります。
特別療養休暇制度は、1ヶ月以上の療養後も継続して入院・自宅療養を必要とする場合、1ヶ月が経過した翌日より操業日30日を限度として休暇が取得できる制度であり、2023年度は24名の利用がありました。
なお、特別療養休暇の期間を過ぎた場合は、共済会からの療養給付、健康保険組合からの傷病手当金やその後の団体長期障害所得補償保険などが用意されています。
また、治療と仕事の両立支援として、特別療養休暇の分割取得や時短勤務制度等を2018年より導入し、社員が病気の治療と仕事を柔軟に両立し、安心して働くことのできる環境整備を行っています。