アステラス製薬株式会社(本社:東京、以下「アステラス製薬」)は、Pfizer Inc.(本社:米国ニューヨーク州、以下、「Pfizer」)*と共同で開発を進めている抗体-薬物複合体(Antibody-Drug Conjugate:ADC)であるパドセブTM(一般名:エンホルツマブ ベドチン(遺伝子組換え))とMSD株式会社の抗PD-1抗体キイトルーダ®(一般名:ペムブロリズマブ(遺伝子組換え))の併用療法について、2024年1月に行った日本での局所進行性または転移性尿路上皮がん(locally advanced or metastatic urothelial cancer:la/mUC)患者における一次治療の適応追加に関する承認申請に対し、厚生労働省から優先審査品目の指定を受けました。承認された場合、この併用療法は、la/mUC患者の一次治療における標準治療である白金製剤を含む化学療法に代わる最初の治療選択肢となり、la/mUCの治療にパラダイムシフトをもたらす可能性があります。

 優先審査品目は、医療上の有用性と適応疾患の重篤性に基づいて、厚生労働省により指定されます¹。今回の優先審査品目の指定は、第III相EV-302試験(KEYNOTE-A39試験)の結果に基づくものです。治療歴のないla/mUC患者において、エンホルツマブ ベドチン+ペムブロリズマブ併用療法群(以下「併用療法群」)は白金製剤を含む化学療法群(以下「化学療法群」)と比較して、全生存期間(overall survival:OS)および無増悪生存期間(progression-free survival:PFS)の2つの主要評価項目を達成し、統計学的に有意で臨床的に意義のある結果が得られました。この併用療法群の安全性は、以前にEV-103試験で報告した結果と同様であり、新たな安全性の懸念は確認されていません。

 本併用療法は、欧州では審査中であり、米国では2023年12月に承認を取得しました。

 世界で、毎年約614,000人が新たに膀胱がんに罹患し、約220,000人が死亡しています²。日本では、毎年約25,000人が膀胱がんと診断され、2022年には約10,000人が死亡したと推定されています³。

 アステラス製薬は、新たな治療選択肢を提供することにより、アンメットメディカルニーズの高い局所進行性または転移性尿路上皮がん患者さんの治療に一層の貢献をしていきます。

 本件によるアステラス製薬の通期(2024年3月期)連結業績への影響は織り込み済みです。

以上

*2023年12月14日(現地時間)、PfizerはSeagen Inc.(以下. Seagen)の買収を完了しました。

膀胱がんと尿路上皮がんについて
尿路上皮がんまたは膀胱がんは、尿道、膀胱、尿管、腎盂、およびその他の臓器の内側を覆う尿路上皮細胞で発生します⁴。膀胱がんが周囲の臓器や筋肉に転移している場合、それは局所進行疾患と呼ばれます。がんが体の他の部分に転移した場合、それは転移性疾患と呼ばれます⁵。尿路上皮がんは、膀胱がんの90%を占め、腎盂、尿管および尿道にもみられます³。症例の約12%がla/mUCと診断されます⁶。

EV-302試験(NCT04223856)について
EV-302試験は、治療歴のないla/mUC患者を対象として、エンホルツマブ ベドチンとペムブロリズマブの併用療法と化学療法を比較評価する非盲検無作為化第III相試験です。PD-L1の発現程度に関係なく、シスプラチンまたはカルボプラチンを用いた化学療法に適応の未治療la/mUC患者886人が登録されました。被験者はエンホルツマブ ベドチン+ペムブロリズマブ併用療法群、または化学療法群に無作為に割り付けられました。本試験の主要評価項目は、OSと盲検下独立中央判定(Blinded independent Central Review:BICR)によるRECIST v1.1に基づくPFSです。副次評価項目には、BICRによるRECIST v1.1に基づく客観的奏効率(ORR)と奏効期間(DOR)、および安全性が含まれます。本試験は、尿路上皮がんやその他の固形がんの複数のステージにおいて、この併用療法を評価する広範にわたるプログラムの一部です。本試験の結果は、2023年10月に開催された2023年欧州臨床腫瘍学会で発表されました。

PADCEVTM(エンホルツマブ ベドチン(遺伝子組み換え))について
エンホルツマブ ベドチンは、ほぼ全ての尿路上皮がん細胞に発現し、細胞間の接着に関連するタンパク質であるネクチン-4を標的とするファーストインクラスのADCです。非臨床試験データから、エンホルツマブ ベドチンの抗腫瘍活性は、がん細胞上でエンホルツマブ ベドチンがネクチン-4に結合して標的細胞内に取り込まれると細胞障害性物質であるモノメチルアウリスタチンE(Monomethyl auristatin E:MMAE)が放出され、細胞増殖抑制(細胞周期停止)および細胞死(アポトーシス)が生じることによることが示唆されています⁷。

Pfizer、Merck & Co., Inc., Rahway, NJ, USA(米国とカナダ以外ではMSD)との提携について
Seagenとアステラス製薬は、治療歴のない転移性尿路上皮がん患者を対象に、PADCEVTM(エンホルツマブ ベドチン)とMerck & Co., Inc., Rahway, NJ, USAのKEYTRUDA®(ペムブロリズマブ)の併用療法を評価するために、臨床開発の提携契約を締結しています。既に案内の通り、2023年12月14日にPfizerはSeagenの買収を完了しました。KEYTRUDA®はMerck & Co., Inc., Rahway, NJ, USAの子会社であるMerck Sharp & Dohme Corp.の登録商標です。

アステラス製薬株式会社について
アステラス製薬は、世界70カ国以上で事業活動を展開している製薬企業です。最先端のバイオロジーやモダリティ/テクノロジーの組み合わせを駆使し、アンメットメディカルニーズの高い疾患に対する革新的な医薬品の創出に取り組んでいます(Focus Areaアプローチ)。さらに、医療用医薬品(Rx)事業で培った強みをベースに、最先端の医療技術と異分野のパートナーの技術を融合した製品やサービス(Rx+®)の創出にも挑戦しています。アステラス製薬は、変化する医療の最先端に立ち、科学の進歩を患者さんの「価値」に変えていきます。アステラス製薬の詳細については、(https://www.astellas.com/jp/)をご覧ください。

注意事項
このプレスリリースに記載されている現在の計画、予想、戦略、想定に関する記述およびその他の過去の事実ではない記述は、アステラス製薬の業績等に関する将来の見通しです。これらの記述は経営陣の現在入手可能な情報に基づく見積りや想定によるものであり、既知および未知のリスクと不確実な要素を含んでいます。さまざまな要因によって、これら将来の見通しは実際の結果と大きく異なる可能性があります。その要因としては、(i)医薬品市場における事業環境の変化および関係法規制の改正、(ii)為替レートの変動、(iii)新製品発売の遅延、(iv)新製品および既存品の販売活動において期待した成果を得られない可能性、(v)競争力のある新薬を継続的に生み出すことができない可能性、(vi)第三者による知的財産の侵害等がありますが、これらに限定されるものではありません。また、このプレスリリースに含まれている医薬品(開発中のものを含む)に関する情報は、宣伝広告、医学的アドバイスを目的としているものではありません。

1 Pharmaceuticals and Medical Devices Agency. Drug Reviews. 
https://www.pmda.go.jp/index.html Accessed February 1, 2024
2 International Agency for Research on Cancer. Cancer Today: bladder globocan 2022 fact sheet (01-2024). 30-bladder-fact-sheet.pdf (who.int)
3 Cancer Information Service, Cancer Statistics in Japan. Published 2022.
https://ganjoho.jp/public/qa_links/report/statistics/pdf/cancer_statistics_2023_data_E.pdf
4 National Cancer Institute. What is bladder cancer? https://www.cancer.gov/types/bladder#:~:text=Types%20of%20bladder%20cancer,bladder%20cancers%20are%20urothelial%20carcinomas
5 American Society of Clinical Oncology. Bladder cancer: introduction (12-2021).
https://www.cancer.net/cancer-types/bladder-cancer/introduction
6 National Cancer Institute. Cancer stat facts: bladder cancer. 
https://seer.cancer.gov/statfacts/html/urinb.html.

 

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