アステラス製薬株式会社(本社:東京、以下「アステラス製薬」)は、Claudin 18.2陽性、HER2陰性の切除不能な局所進行性または転移性胃腺がんおよび食道胃接合部腺がんの治療薬として開発中のゾルベツキシマブについて、7月5日(現地時間)、米国食品医薬品局(Food and Drug Administration:FDA)から生物学的製剤承認申請書(Biologic License Application:BLA)を受理した旨の通知を受領しました。承認された場合、米国でファーストインクラスの抗Claudin 18.2モノクローナル抗体となる可能性があります。
本申請は優先審査の指定を受け、FDAによる審査終了目標日(Prescription Drug User Fee Act date:PDUFA date)は、2024年1月12日と定められました。FDAは、本申請に対しReal-Time Oncology Review(RTOR)プログラムを適用します。この制度は、安全で有効な治療法をできる限り早く患者さんへ提供できるよう、審査プロセスの迅速化を図ることを目的としています。
今回のBLAは、第III相SPOTLIGHT試験およびGLOW試験の結果に基づいています。SPOTLIGHT試験では、ゾルベツキシマブ+mFOLFOX6療法(オキサリプラチン、ホリナートおよびフルオロウラシルを組み合わせた療法)群とプラセボ+mFOLFOX6療法群を比較しました。GLOW試験では、ゾルベツキシマブ+CAPOX療法(カペシタビンとオキサリプラチンを組み合わせた療法)群と、プラセボ+CAPOX療法群を比較しました。
SPOTLIGHT試験およびGLOW試験において、スクリーニングされた患者の約38%が、免疫組織化学染色において腫瘍細胞の75%以上で中等度から強度の染色強度を示し、Claudin 18.2陽性と判定されました*3,4。
米国では、2023年に26,500人が胃がんと診断され、11,130人が同疾患により死亡すると推定されています*1。早期胃がんの症状は、より一般的な胃に関連する疾患と重複することが多いため、進行期または転移期、つまり腫瘍の発生源から他の組織や臓器に転移してから胃がんと診断されることが多いと言われています*2。転移期の患者の5年相対生存率は6.6%です*1。
アステラス製薬は、アンメットメディカルニーズの高い胃腺がんおよび食道胃接合部腺がんに苦しむ患者さんに新たな治療選択肢を提供することを目指しています。
本件によるアステラス製薬の通期(2024年3月期)連結業績への影響は織り込み済みです。
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