- 疾患の進行または死亡のリスクを24.9%低減 -
アステラス製薬株式会社(本社:東京、代表取締役社長CEO:安川 健司、以下「アステラス製薬」)は、Claudin 18.2陽性、HER2陰性の切除不能な局所進行性または転移性胃腺がんおよび食道胃接合部腺がんの一次治療薬として開発中であるゾルベツキシマブについて、ゾルベツキシマブとmFOLFOX6療法(オキサリプラチン、ホリナート、フルオロウラシルを組み合わせた療法)の併用療法の有効性と安全性を評価する第III相SPOTLIGHT試験の詳細データを発表しました。
ゾルベツキシマブ+mFOLFOX6療法群(ゾルベツキシマブ群)は、プラセボ+mFOLFOX6療法群(プラセボ群)と比較して、無増悪生存期間(PFS)および全生存期間(OS)のいずれにおいても統計学的に有意な延長を示しました。ゾルベツキシマブ群は、プラセボ群)と比較して、疾患の進行または死亡のリスクが24.9%減少(n=565、ハザード比0.751、95%信頼区間0.598-0.942、P=0.0066)し、SPOTLIGHT試験の主要評価項目を達成しました。PFSの中央値は、ゾルベツキシマブ群で10.61カ月(95%信頼区間8.90-12.48)、プラセボ群で8.67カ月(95%信頼区間8.21-10.28)でした。また、ゾルベツキシマブ群はOSにおいても統計学的に有意な延長を示し、死亡のリスクが25.0%低下しました(ハザード比0.750、95%信頼区間0.601-0.936、P=0.0053)。OSの中央値は、ゾルベツキシマブ群で18.23カ月(95%信頼区間16.43-22.90)、プラセボ群で15.54カ月(95%信頼区間 13.47-16.53)でした。
重篤な治験薬投与下の有害事象(Treatment Emergent Adverse Events: TEAE)の発現割合は両群間で類似しており(ゾルベツキシマブ群44.8%に対してプラセボ群43.5%)、これまでの試験と一致していました。ゾルベツキシマブ群において最も発現頻度の高かったTEAEは、悪心(82.4%対60.8%)、嘔吐(67.4%対35.6%)、食欲減退(47.0%対33.5%)でした。
SPOTLIGHT 試験から得られたこれらの最新データは、2023年米国臨床腫瘍学会消化器癌シンポジウム(American Society of Clinical Oncology (ASCO) Gastrointestinal (GI) Cancers Symposium)のlate-breaking oral presentation(抄録番号LBA292、1月19日午後1時30分(米国太平洋時間))において、SPOTLIGHT試験の治験責任医師である、国立がん研究センター東病院 消化管内科 医長 設樂紘平医師によって発表されました。
胃がんは、多くの場合、進行期または転移期、あるいは腫瘍の発生部位から他の体の組織や臓器に転移した段階で診断されます1。転移期における5年相対生存率は約6%です2。
SPOTLIGHT試験およびGLOW試験において、スクリーニングされた患者の約38%が、免疫組織化学染色において腫瘍細胞の75%以上で中等度から強度の染色強度を示す、Claudin 18.2陽性のがんです3。この結果に基づくと、承認された場合、全世界で年間推定 82,000 人の患者がゾルベツキシマブの対象となる可能性があります3。
今後、SPOTLIGHT試験および GLOW試験の結果に基づき、グローバルで規制当局への申請を行う予定です。アステラス製薬は、患者さんに新たな治療選択肢を提供することで、アンメットメディカルニーズの高い胃腺がんおよび食道胃接合部腺がんの治療に貢献していきます。
本件は、米国において現地時間1月19日に対外発表しています。
以上