アステラス製薬株式会社(本社:東京、以下「アステラス製薬」)は、claudin 18.2陽性、HER2陰性の切除不能な局所進行性または転移性胃腺がんおよび食道胃接合部腺がんの治療薬として開発中のゾルベツキシマブについて、米国食品医薬品局(Food and Drug Administration:FDA)から、審査完了報告通知を2024年1月4日(米国時間)に受領しました。

 FDAは、ゾルベツキシマブの医薬品製造受託機関の施設を査察した結果、未解決の指摘事項があるため、審査終了目標日(Prescription Drug User Fee Act date:PDUFA date)である2024年1月12日までにゾルベツキシマブを承認できない旨を通知しました。FDAは、ゾルベツキシマブの有効性や安全性を含む臨床試験結果に関連した懸念は表明しておらず、追加の臨床試験も求めていません。なお、アステラス製薬が販売している他の製品への影響はありません。

 アステラス製薬のHead of Immuno-Oncology DevelopmentであるMoitreyee Chatterjee-Kishore, Ph.D., M.B.A.は、「私たちは、ゾルベツキシマブがclaudin 18.2陽性、進行性または転移性胃腺がんおよび食道胃接合部腺がんに苦しむ患者さんの新たな治療選択肢となり得ることに、引き続き自信を持っています。アステラス製薬は、FDAおよび医薬品製造受託機関と連携し、FDAのフィードバックを迅速に解決し、必要としている米国の患者さんへゾルベツキシマブをできるだけ早く届けるために全力を尽くします」と述べています。

 アステラス製薬は、ゾルベツキシマブを日本、欧州、中国を含む他の複数の国や地域でも承認申請しており、規制当局が審査中です。

 本件によるアステラス製薬の通期(2024年3月期)連結業績への影響は軽微です。

 詳細は、2023年7月6日に開示をしたプレスリリース「ゾルベツキシマブ FDAが承認申請を受理、優先審査指定」をご覧ください。

以上

ゾルベツキシマブについて
ゾルベツキシマブは、開発中の膜貫通型タンパク質claudin 18.2を標的として結合するキメラIgG1モノクローナル抗体です。ゾルベツキシマブは、承認された場合、ファーストインクラスの抗claudin 18.2モノクローナル抗体となる可能性があります。ゾルベツキシマブは、がん細胞表面のclaudin 18.2に結合することにより作用します。この結合相互作用は、抗体依存性細胞傷害(ADCC)と補体依存性細胞傷害(CDC)という2つの異なる免疫系経路を活性化することにより、がん細胞死を誘導します1。ゾルベツキシマブの安全性と有効性は、胃腺がんおよび食道胃接合部腺がん、膵臓腺がんにおいて現在検証中で、まだ確立されていません。開発中の用途で承認を受けるあるいは市販される保証はありません。

アステラス製薬株式会社について
アステラス製薬は、世界70カ国以上で事業活動を展開している製薬企業です。最先端のバイオロジーやモダリティ/テクノロジーの組み合わせを駆使し、アンメットメディカルニーズの高い疾患に対する革新的な医薬品の創出に取り組んでいます(Focus Areaアプローチ)。さらに、医療用医薬品(Rx)事業で培った強みをベースに、最先端の医療技術と異分野のパートナーの技術を融合した製品やサービス(Rx+®)の創出にも挑戦しています。アステラス製薬は、変化する医療の最先端に立ち、科学の進歩を患者さんの「価値」に変えていきます。アステラス製薬の詳細については、(https://www.astellas.com/jp/)をご覧ください。

注意事項
このプレスリリースに記載されている現在の計画、予想、戦略、想定に関する記述およびその他の過去の事実ではない記述は、アステラス製薬の業績等に関する将来の見通しです。これらの記述は経営陣の現在入手可能な情報に基づく見積りや想定によるものであり、既知および未知のリスクと不確実な要素を含んでいます。さまざまな要因によって、これら将来の見通しは実際の結果と大きく異なる可能性があります。その要因としては、(i)医薬品市場における事業環境の変化および関係法規制の改正、(ii)為替レートの変動、(iii)新製品発売の遅延、(iv)新製品および既存品の販売活動において期待した成果を得られない可能性、(v)競争力のある新薬を継続的に生み出すことができない可能性、(vi)第三者による知的財産の侵害等がありますが、これらに限定されるものではありません。また、このプレスリリースに含まれている医薬品(開発中のものを含む)に関する情報は、宣伝広告、医学的アドバイスを目的としているものではありません。

参考文献
1 Sahin U, et al. FAST: a randomised phase II study of zolbetuximab (IMAB362) plus EOX versus EOX alone for first-line treatment of advanced CLDN18.2-positive gastric and gastro-oesophageal adenocarcinoma. Ann Oncol. 2021;32(5):609-19.

 

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