アステラス製薬株式会社(本社:東京、社長:畑中 好彦)は、米国メディベーション社と共同で開発・商業化を進めているアンドロゲン受容体阻害剤エンザルタミド(一般名、製品名:XTANDI/イクスタンジ、開発コード:MDV3100)について、第Ⅱ相TERRAIN試験の結果が得られましたのでお知らせします。TERRAIN試験では、転移性去勢抵抗性前立腺がん患者を対象としてエンザルタミドとビカルタミドを比較しました。主要評価項目である無増悪生存期間において、エンザルタミド群ではビカルタミド群と比較して統計学的に有意な延長が認められました(ハザード比=0.44;95%信頼区間、0.34-0.57;p<0.0001)。無増悪生存期間の中央値は、ビカルタミド群の5.8か月に対し、エンザルタミド群では15.7か月でした。

 TERRAIN試験における投与期間の中央値はエンザルタミド群で11.7か月、ビカルタミド群で5.8か月でした。重篤な有害事象はエンザルタミド投与群の31.1%、ビカルタミド投与群の23.3%でみられました。グレード3以上の心臓関連の有害事象は、エンザルタミド投与群の5.5%、ビカルタミド投与群の2.1%でみられました。また、エンザルタミド群では2例、ビカルタミド群では1例の痙攣発作がみられました。投与期間中に最もよくみられた副作用のうち、ビカルタミド投与群よりもエンザルタミド投与群で多くみられたものは、疲労、ほてり、高血圧、下痢、体重減少及び四肢痛でした。

 本試験の結果について、治験責任医師の一人であるカロライナ泌尿器学研究センター(Carolina Urologic Research Center)のNeal Shore医師は、「今回の結果により、エンザルタミドはビカルタミドよりも長期間にわたって、本試験の対象患者の病勢を抑制できることが示されました。この結果は、前立腺がんの複数の試験や様々な進行段階において認められている素晴らしくかつ一貫性のあるエンザルタミドのデータを、より強固にするものと考えられます。」と述べています。 

 副次評価項目の結果や安全性情報を含む詳細な試験結果は、今後、学会にて発表する予定です。

 本件については、米国において、現地時間1月22日に対外発表しています。

以 上

TERRAIN試験について

 第Ⅱ相TERRAIN試験では、北米とヨーロッパにおいて、黄体形成ホルモン放出ホルモン(LHRH)アナログによるホルモン療法あるいは外科的去勢術後に進行した転移性前立腺がん患者375例が組み入れられました。主要評価項目は無増悪生存期間で、これは、中央判定による画像診断上の進行、骨関連事象、他の新たな抗腫瘍薬の開始または死亡のうちいずれかの事象が最初に起きるまでのランダム化からの期間で定義されています。本試験では、エンザルタミド160 mgを1日1回投与した場合とビカルタミド50 mg*を1日1回投与した場合とを比較しました。患者組み入れは2013年7月に完了しています。

 *欧米でLHRHアナログとの併用において承認された用量。日本におけるビカルタミドの承認用量は1日80 mg。 

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