アステラス製薬株式会社(本社:東京、社長:畑中 好彦、以下「アステラス製薬」)は、スイス バシリア社と共同で開発を進めているアゾール系抗真菌剤:CRESEMBA®(一般名:isavuconazonium sulfate)に関して、米国食品医薬品局(FDA)から承認を取得しましたので、お知らせします。適応症は18歳以上の患者を対象とした侵襲性アスペルギルス症及び侵襲性ムーコル症の治療です。

   侵襲性アスペルギルス症及び侵襲性ムーコル症はいずれも主に免疫不全患者で発症する重篤な真菌感染症です。

   CRESEMBAの安全性及び有効性は、2つの第III相臨床試験(SECURE試験とVITAL試験)の結果に基づいています。SECURE試験は成人の侵襲性アスペルギルス症患者を対象とする二重盲検実薬対照試験です。一方、VITAL試験は、腎障害を有する侵襲性アスペルギルス症患者及び稀な真菌による侵襲性の真菌感染症患者を対象とするオープン試験です。

   被験者数516名のSECURE試験では、主要評価項目である投与42日目までの総死亡率において、ボリコナゾールに対するCRESEMBAの非劣性が確認されました。投与42日目までの総死亡率は、CRESEMBA群の18.6%に対し、ボリコナゾール群では20.2%でした。

   VITAL試験では、37名の侵襲性ムーコル症患者にCRESEMBAが投与されました。CRESEMBA投与群で総死亡率は38%でした。なお、侵襲性ムーコル症での有効性は、対照群との比較試験で評価されていません。

   SECURE試験におけるCRESEMBAの総合的な安全性プロファイルとして、死亡率と非致死性の有害事象の発現率が対照群であるボリコナゾールと同等でした。

   なお、臨床試験において、CRESEMBA投与群で最もよくみられた有害事象は、吐き気(26%)、嘔吐(25%)、下痢(22%)、頭痛(17%)、肝機能検査値上昇(17%)、低カリウム血症(14%)、便秘(13%)、呼吸困難(12%)、咳(12%)、末梢浮腫(11%)、背痛(10%)でした。

   CRESEMBAの推奨される開始用量は、1回372mg(有効成分であるisavuconazoleの相当量は200mg)を8時間毎に計6回(48時間)の経口または静脈内投与です。なお初期投与終了から12時間から24時間が経過した症状安定後は、1日1回372mg(有効成分であるisavuconazoleの相当量は200mg)の経口または静脈内投与が推奨されています。

   アステラス製薬は、CRESEMBAについて2014年7月8日にFDAに販売許可を申請しました。なお、欧州ではバシリア社が成人の侵襲性アスペルギルス症及び侵襲性ムーコル症の適応症について、2014年7月16日に欧州医薬品庁(EMA)に販売許可申請を提出しています。

   今回の承認取得に伴い、アステラス製薬はマイルストンとして30百万スイスフランをバシリア社に支払いますが、当期(2015年3月期)業績予想に織り込み済みです。

 アステラス製薬は、今回の承認取得により、重篤な真菌感染症の治療における新たな選択肢を提供できることを期待しています。

  本件については、米国において、現地時間3月6日に対外発表しています。

以上

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