アステラス製薬株式会社(本社:東京、代表取締役社長CEO:畑中 好彦、以下「アステラス製薬」)は、Ironwood Pharmaceuticals, Inc.(NASDAQ: IRWD、本社:米国マサチューセッツ州、CEO: Peter Hecht, Ph.D.、以下「Ironwood社」)より導入し、日本において開発しているグアニル酸シクラーゼC受容体作動薬リナクロチド(一般名)について、慢性便秘症(器質的疾患による便秘を除く)(以下「慢性便秘症」)患者を対象とした第III相試験で主要評価項目を達成しましたので、お知らせします。

   今回実施した試験は、日本の慢性便秘症患者186例を、リナクロチド投与群(0.5mg)又はプラセボ投与群に1:1の比で無作為に割り付け、リナクロチドを4週間経口投与した際の有効性を検証するとともに、安全性を検討したプラセボ対照二重盲検並行群間比較試験です。

   試験の結果、主要評価項目である投与後1週間におけるSBM1)頻度の週平均値の変化量において、リナクロチド投与群はプラセボ投与群と比較して統計学的に有意な改善を示しました。なお、主な有害事象は下痢で、その程度は全て軽度から中等度でした。この試験の詳細なデータは今後の学会発表等で紹介する予定です。

   なお、この試験は4週間の二重盲検比較試験期間の後、継続して行う52週間の非盲検試験期間も含んでいます。今後、両試験の結果を基に申請へ向けた準備を進めていきます。

   アステラスの開発機能長であるBernhardt G Zeiher, M.D.は今回の試験結果について次のように述べています。「第III相試験で良好な結果が出たことを嬉しく思います。リナクロチドは、既に承認を取得している便秘型過敏性腸症候群に加え、慢性便秘症に対しても新たな治療選択肢を提供することで、これらの疾患における諸症状に苦しむ多くの患者さんへ一層の貢献ができるものと期待しています。」

   また、Ironwood社のChief Scientific Officer and President of Research and DevelopmentであるMark Currie, Ph.D.は以下のように述べています。「リナクロチドは複数の国において複数種類の適応症及び用量で第III相/IIIb相試験が行われています。今回の試験で良好な結果が出たことで、合計9つの試験で主要評価項目を達成したことになります。日本において、既に承認を取得している便秘型過敏性腸症候群の適応症でリナクロチドを発売できることを楽しみにしています。」

1)SBM:Spontaneous bowel movement、排便の当日又は前日に下剤、坐薬、浣腸又は摘便の処置がない排便。

以上

リナクロチドについて

   リナクロチドは、腸粘膜上皮細胞に発現しているグアニル酸シクラーゼC(GC-C)受容体に局所的に結合して活性化することにより、腸管分泌及び腸管輸送能を促進し、加えて内臓痛覚過敏を改善します。リナクロチドは成人の便秘型過敏性腸症候群、慢性特発性便秘(CIC)の適応症で世界30か国以上で承認されています。アステラス製薬は同剤の日本における開発・販売権を有しており、IBS-Cの効能・効果で2016年12月にリンゼス®錠0.25 mgとして承認取得しています。なお、日本では成人の2.9%Ref) が便秘型過敏性腸症候群であると言われています。

Ref) Kubo M, Fujiwara Y, Shiba M, Kohata Y, Yamagami H, Tanigawa T, et al. Differences between risk factors among irritable bowel syndrome subtypes in Japanese adults. Neurogastroenterol Motil. 2011;23:249-54.

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