アステラス製薬株式会社(本社:東京、代表取締役社長CEO:岡村 直樹、以下「アステラス製薬」)は、閉経に伴う血管運動神経症状(Vasomotor Symptoms、以下「VMS」)に対する経口の非ホルモン治療剤として開発中のfezolinetantに関し、日本で実施するピボタル試験である第III相STARLIGHTTM 2試験について、最初の患者への投与を開始しました。

 日本では、2つの第III相STARLIGHTTM試験が進行中です。STARLIGHTTM 2試験は、fezolinetantの1日1回投与における、12週間の有効性および安全性を評価します。STARLIGHTTM 3試験では、fezolinetantの1日1回投与における、52週間の安全性および忍容性を評価します。

 アステラス製薬のVice President兼Head of BioPharma DevelopmentであるMarci Englishは、「閉経に伴うVMSは、非常に多くの日本の女性に影響を与えています。私たちは第III相STARLIGHTTM試験を開始し、日本で閉経に伴うVMSを経験する女性への新たな非ホルモン性の治療選択肢の提供に向けて、一歩前進したことを嬉しく思います」と述べています。

 第III相STARLIGHTTM試験におけるfezolinetantの用量は、147人が登録し2022年に完了した第IIb相STARLIGHTTM試験(NCT05034042)をはじめとする、これまでのグローバルなデータに基づき決定されました。第IIb相STARLIGHTTM試験の結果は、2023年12月3日に開催された日本女性医学学会学術集会において発表されました。

以上

STARLIGHTTM 2試験について
STARLIGHTTM 2試験(NCT06206408)は、閉経に伴うVMSを有する日本人女性を対象に、fezolinetantの有効性と安全性を評価する、12週のプラセボ対照無作為化二重盲検並行群間比較の、多施設共同第III相試験です。約390人の被験者が試験に組み入れられ、fezolinetant低用量群、高用量群、プラセボ群にそれぞれ約130人が割り付けられる予定です。主要評価項目は投与後8週時点におけるVMSの頻度に関するベースラインからの平均変化量です。

STARLIGHTTM 3試験について
STARLIGHTTM 3試験(NCT06206421)は、閉経に伴うVMSを有する日本人女性を対象に、fezolinetantの安全性および忍容性を評価する、52週のプラセボ対照無作為化二重盲検並行群間比較の、多施設共同第III相試験です。約260人の被験者が試験に組み入れられ、fezolinetant群、プラセボ群にそれぞれ約130人が割り付けられる予定です。主要評価項目は、52週間にわたる有害事象の発生頻度と重症度です。

VMSについて
ホットフラッシュ(顔のほてり・のぼせ等)や寝汗を特徴とするVMSは、閉経に伴う一般的な症状であり、女性の日常生活と全般的な生活の質(Quality of Life: QOL)に対し、大きな影響を与える可能性があります1,2。世界中で、40~64歳の女性の約半数以上がVMSを経験し3,4、日本では約25%~37%の女性が、閉経に伴いこれらの症状を経験したことがあると報告されています5,6

fezolinetantについて
fezolinetantは、閉経に伴うVMSの治療のために開発中の経口の非ホルモン治験剤です。fezolinetantは、KNDy(キスペプチン/ニューロキニンB/ダイノルフィン)ニューロンに結合するニューロキニンB(NKB)をブロックし、脳の体温調節中枢(視床下部)のバランス回復を助け、ホットフラッシュや寝汗の回数や重症度を軽減します7,8,9。fezolinetantは開発中であり、日本において承認を受ける、あるいは市販される保証はありません。

アステラス製薬株式会社について
アステラス製薬は、世界70カ国以上で事業活動を展開している製薬企業です。最先端のバイオロジーやモダリティ/テクノロジーの組み合わせを駆使し、アンメットメディカルニーズの高い疾患に対する革新的な医薬品の創出に取り組んでいます(Focus Areaアプローチ)。さらに、医療用医薬品(Rx)事業で培った強みをベースに、最先端の医療技術と異分野のパートナーの技術を融合した製品やサービス(Rx+®)の創出にも挑戦しています。アステラス製薬は、変化する医療の最先端に立ち、科学の進歩を患者さんの「価値」に変えていきます。アステラス製薬の詳細については、(https://www.astellas.com/jp/)をご覧ください。

注意事項
このプレスリリースに記載されている現在の計画、予想、戦略、想定に関する記述およびその他の過去の事実ではない記述は、アステラス製薬の業績等に関する将来の見通しです。これらの記述は経営陣の現在入手可能な情報に基づく見積りや想定によるものであり、既知および未知のリスクと不確実な要素を含んでいます。さまざまな要因によって、これら将来の見通しは実際の結果と大きく異なる可能性があります。その要因としては、(i)医薬品市場における事業環境の変化および関係法規制の改正、(ii)為替レートの変動、(iii)新製品発売の遅延、(iv)新製品および既存品の販売活動において期待した成果を得られない可能性、(v)競争力のある新薬を継続的に生み出すことができない可能性、(vi)第三者による知的財産の侵害等がありますが、これらに限定されるものではありません。また、このプレスリリースに含まれている医薬品(開発中のものを含む)に関する情報は、宣伝広告、医学的アドバイスを目的としているものではありません。

1 Utian WH. Psychosocial and socioeconomic burden of vasomotor symptoms in menopause: a comprehensive review. Health Qual Life Outcomes. 2005;3:47.
2 Jones RE, Lopez KH, eds. Human Reproductive Biology. 4th ed. Waltham, MA: Elsevier, 2014:120.
3 Makara-Studzinska MT, Krys-Noszczyk KM, Jakiel G. Epidemiology of the symptoms of menopause - an intercontinental review. Przegl Menopauzalny [Menopause Rev]. 2014;13:203-211.
4 Gold EB, Colvin A, Avis N, et al. Longitudinal analysis of the association between vasomotor symptoms and race/ethnicity across the menopausal transition: study of women's health across the nation. Am J Public Health. 2006;96:1226-1235.
5 Tomida M, Otsuka R, Tange C, et al. Vasomotor symptoms, sleep problems, and depressive symptoms in community-dwelling Japanese women. J Obstet Gynaecol Res. 2021 Oct;47(10):3677-3690. doi: 10.1111/jog.14937. Epub 2021 Jul 18. PMID: 34278662; PMCID: PMC9291044.
6 NHK World-Japan. Survey on Menopause and Work 2021: Summary of Results.
 https://www.jil.go.jp/tokusyu/covid-19/collab/nhk-jilpt/docs/20211103-nhk-jilpt.pdf
7 Depypere H, Timmerman D, Donders G, et al. Treatment of menopausal vasomotor symptoms with fezolinetant, a neurokinin 3 receptor antagonist: a phase 2a trial. J Clin Endocrinol Metab. 2019;104:5893-5905.
8 Fraser GL, Lederman S, Waldbaum A, et al. A phase 2b, randomized, placebo-controlled, double-blind, dose-ranging study of the neurokinin 3 receptor antagonist fezolinetant for vasomotor symptoms associated with menopause. Menopause. 2020;27:382-392.
9 Fraser GL, Hoveyda HR, Clarke IJ, et al. The NK3 receptor antagonist ESN364 interrupts pulsatile LH secretion and moderate levels of ovarian hormones throughout the menstrual cycle. Endocrinology. 2015;156:4214-4225.

 

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