- 人工呼吸器への依存および運動機能の改善に関する予備的なデータを
安全性に関するデータとともに報告 -

 アステラス製薬株式会社(本社:東京、代表取締役社長CEO:岡村 直樹、以下「アステラス製薬」)は、X連鎖性ミオチュブラーミオパチー(X-linked myotubular myopathy:XLMTM)患者を対象とした遺伝子治療薬resamirigene bilparvovec(AT132)の有効性と安全性を評価する臨床試験(ASPIRO試験)の、2022年2月28日時点における予備的なデータ解析を、医学専門誌のThe Lancet Neurology(以下、「Lancet Neurology誌」)で発表しました。AT132プログラムおよびASPIRO試験は現在臨床試験差し止め中です。本データは、11月15日(米国時間)にLancet Neurology誌のオンライン版、および冊子版2023年12月号に掲載予定です。

 発表予定のデータは、2022年2月28日時点で、本試験においてAT132が投与された24人のXLMTM患者のデータが含まれます。今回の予備的なデータ解析では、AT132の単回注射を受けた2つの投与群(1.3x1014 vg/kg(低用量)、3.5x1014 vg/kg(高用量))と、対照群として試験に組み入れられたものの投与されなかった2人の患者、および自然経過研究から12人の患者を比較しました。

 ベースラインでは全ての被験者が人工呼吸器を使用しており、3人が30秒間自立して座ることが可能でしたが、これ以上の運動マイルストーンを達成した被験者はいませんでした。低用量群では、投与後24週までにベースラインからの平均人工呼吸器サポート時間が対照群と比較して、推定77.7%(95%信頼区間 [Confidence Interval:CI]:40.22-115.24, p=0.0002)減少しました。高用量群では、推定22.8%(95%CI:6.15-39.37, p=0.0077)減少しました。本試験では、データ解析をした時点で、投与された24人の男子のうち16人(低用量群6人、高用量群10人)が人工呼吸器を外すことに成功しました。低用量群の5人、高用量群の3人は自立歩行が可能になり、他にもいくつかの主要な運動マイルストーンを治療後に達成しました。

 高用量群では3人(18%)、低用量群では1人(14%)が死亡しました。AT132投与後に死亡した4人すべての被験者において、肝臓および肝胆道の重篤な有害事象(Serious Adverse Event:SAE)が観察され、死亡時には進行性胆汁うっ滞性肝炎にまで進行しました。AT132の投与に関連すると判断されたSAEは、低用量群では7人中2人に、高用量群では17人中9人で観察されました。死亡しなかった被験者20人中5人に治療に関連した肝胆道系のSAEが認められました。

 AT132が投与されなかった参加者14人(対照群2人と自然経過研究からの12人)のうち、人工呼吸器を外すことに成功した患者はいませんでしたが、48週までに5人が30秒間自立して座ることが可能になりました。その他の運動マイルストーンは達成しませんでした。

 今回の予備的なデータは、組換えAAV遺伝子治療によるミオチュブラリン置換の有効性を示唆するものです。

以上

XLMTMについて
XLMTMは、重度の筋力低下と呼吸障害により若くして死に至る、重篤で致死的な神経筋疾患です。生後18カ月時点の推定生存率は50%とされており、乳児期を過ぎて生存した患者さんの場合、10歳までの推定生存率はさらに25%とされています。XLMTMは、骨格筋細胞の正常な発達、成熟および機能に必要なタンパク質であるミオチュブラリンの欠損または機能不全をもたらすMTM1遺伝子変異によって引き起こされ、およそ40,000~50,000人の新生児男子に1人の割合で発症する疾患です。
XLMTMは度重なる入院および外科的介入などにより、患者さんやご家族および医療システムに大きな負担がかかります。XLMTM患者さんの80%以上が人工呼吸器による補助を必要とし、多くの場合、栄養補給のための胃瘻カテーテルを必要とします。また、ほとんどの患者さんにおいて、正常な運動発達マイルストーンの遅延や未達がみられます。現在治療法はなく、補助人工呼吸器や栄養チューブなどの支持療法の選択肢しかありません。

XLMTMの治療薬AT132について
AT132は、XLMTMの治療のための、MTM1遺伝子の機能コピーを有するAAV8ベクターです。一度の静脈内投与により標的とする骨格筋にAAV8を送り込み、その標的組織においてミオチュブラリン発現を増加させることにより、患者さんの転帰を有意に改善させることが期待されています。AT132の前臨床開発は、Genethon(www.genethon.fr)と共同で実施されました。
AT132は、FDAから「再生医療・先端治療(RMAT)」、「希少小児疾病(Rare Pediatric Disease)」、「ファストトラック(Fast Track)」、「希少疾病用医薬品(Orphan Drug)」の指定、および欧州医薬品庁(EMA)から「優先医薬品(Priority Medicines:PRIME)」、「希少疾病用医薬品(Orphan Drug)」の指定を受けています。

ASPIRO試験について
ASPIRO試験(NCT03199469)は、5歳未満のXLMTM患者を対象に、AT132の安全性および予備的有効性を評価する国際共同無作為化非盲検漸増投与試験です。主要評価項目には、安全性(有害事象および一定の臨床検査値)および有効性(神経筋機能および呼吸機能の評価)が含まれます。副次評価項目には、疾患の負担や健康に関連する生活の質(Quality of Life)、ならびに筋組織学的およびバイオマーカーによる評価が含まれます。

アステラス製薬株式会社について
アステラス製薬は、世界70カ国以上で事業活動を展開している製薬企業です。最先端のバイオロジーやモダリティ/テクノロジーの組み合わせを駆使し、アンメットメディカルニーズの高い疾患に対する革新的な医薬品の創出に取り組んでいます(Focus Areaアプローチ)。さらに、医療用医薬品(Rx)事業で培った強みをベースに、最先端の医療技術と異分野のパートナーの技術を融合した製品やサービス(Rx+®)の創出にも挑戦しています。アステラス製薬は、変化する医療の最先端に立ち、科学の進歩を患者さんの「価値」に変えていきます。アステラス製薬の詳細については、(https://www.astellas.com/jp/)をご覧ください。

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