-Poseida社は臨床段階に、特定のがんや希少疾患の治癒が可能な
複数の差別化された細胞および遺伝子治療プログラムを有するバイオ医薬品企業-
-アステラス製薬がPoseida社の取締役会および科学諮問委員会にオブザーバーとして参加-

 アステラス製薬株式会社(本社:東京、代表取締役社長CEO:岡村 直樹、以下「アステラス製薬」)は、Poseida Therapeutics, Inc.(本社:米国カリフォルニア州、CEO:Mark Gergen、「Poseida社」)と、がん領域の細胞医療における戦略的投資を含む提携に関する契約を締結しました。

 本契約に基づき、アステラス製薬は、Poseida社の新規発行株式8,333,333株(当社取得後、Poseida社の発行済株式総数の約8.8%に相当)を1株当たり3.00米ドルで取得するための2,500万米ドル、および複数の固形がんを対象として開発中の他家CAR-T細胞プログラムであるP-MUC1C-ALLO1の独占的かつ優先的な交渉権を取得するための2,500万米ドルの総額5,000万米ドルをPoseida社に投資します。さらに、アステラス製薬は取締役会、および科学諮問委員会(Scientific Advisory Board)にオブザーバーとして参加する権利と、Poseida社の経営権の変更に関する一定の権利も取得します。

 アステラス製薬は、研究開発戦略であるFocus Areaアプローチの中で、特に注力しているPrimary Focusの一つに「がん免疫」を掲げています。本Primary Focusでは、多機能プラットフォームを活用した次世代のがん免疫治療法の創出に取り組んでいます。そのポートフォリオは、腫瘍溶解性ウイルスや二重特異性免疫細胞誘導、低分子、細胞医療など、多岐に渡っています。

 Poseida社は、独自の遺伝子編集プラットフォームを活用し、がんや希少遺伝子疾患を対象とした細胞医療および遺伝子治療の研究開発に取り組んでいます。がん領域では、複数の固形がんを対象とした第I相試験を実施中のP-MUC1C-ALLO1をはじめ、固形がんおよび血液がんを対象とする他家CAR-T細胞プログラムの幅広い開発パイプラインを有しています。

 アステラス製薬の経営戦略担当CStO(Chief Strategy Officer)のAdam Pearsonは、「私たちはがん領域における幅広い専門知識、経験、独自の技術を活かし、多くの患者さんにおいて、がん細胞を発見し破壊できるように免疫システム機能を再活性化することに注力しています。そのために、外部パートナーとの提携や、アステラス製薬のグローバルな創薬ケイパビリティの最大化を通じて、革新的で多機能なモダリティプラットフォームの確立を進めています。今回の戦略的提携は、アステラス製薬のがん免疫の戦略に合致しており、がん免疫療法を必要とする患者さんに対する新しい治療法の開発につながると確信しています」と述べています。

 Poseida社のCEOであるMark Gergenは、「私たちは、患者ケアを改善する革新的な医薬品の開発において、細胞医療および遺伝子治療が刺激的な成長領域となるという、私たちの長期的なビジョンを共有できる、卓越したバイオ医薬品企業であるアステラス製薬と契約できることを大変嬉しく思います。本提携は、私たちの新規遺伝子工学技術プラットフォームおよび細胞医療アプローチの可能性をさらに実証するものです。アステラス製薬と協力して、私たちが共有するビジョンを推進し、私たちの可能性をさらに高めるために必要な新たなコラボレーション機会を探ることを期待しています」と述べています。

 なお、本件によるアステラス製薬の通期(2024年3月期)連結業績への影響は軽微です。

以上

 

P-MUC1C-ALLO1について
P-MUC1C-ALLO1は、複数の固形がんを適応症とした第I相試験を実施中の他家CAR-T細胞プログラムです。Poseida社は、P-MUC1C-ALLO1は、乳がん、卵巣がん、大腸がん、肺がん、膵臓がん、腎臓がんなどの上皮細胞に由来する固形がん、ならびにがん特異的なMucin1タンパク(MUC1-C)を発現するその他のがんを幅広く治療できる可能性があると考えています。P-MUC1C-ALLO1は宿主対移植片および移植片対宿主の両反応性を排除または低下させるために必要な遺伝子編集を施されており、完全な他家細胞移植用にデザインされています。Poseida社は乳がん、および卵巣がんの前臨床モデルにおいて、腫瘍細胞を検出不可能なレベルまで除去することを実証しています。第I相試験の詳細は、www.clinicaltrials.govで入手できます。ClinicalTrial.gov番号は、NCT05239143です。

Poseida Therapeutics, Inc. について
Poseida社は臨床段階に、特定のがんや希少疾患の治癒が可能な、複数の差別化された細胞および遺伝子治療プログラムを有するバイオ医薬品企業です。パイプラインには、固形がんと血液がんを対象とした他家CAR-T細胞プログラムのほか、アンメットメディカルニーズの高い患者さんを対象とした遺伝子治療プログラムが含まれています。Poseida社の細胞および遺伝子治療への取り組みは、非ウイルス型piggyBac®DNAデリバリーシステム、Cas-CLOVER Site-Specific Gene Editing System、ナノ粒子、ハイブリッド遺伝子送達技術、独自の遺伝子編集プラットフォームに基づいています。また、Poseida社はロシュ社と細胞医療に関するグローバルな戦略的提携を締結しています。詳細は、www.poseida.comTwitterLinkedInをご覧ください。

アステラス製薬株式会社について
アステラス製薬は、世界70カ国以上で事業活動を展開している製薬企業です。最先端のバイオロジーやモダリティ/テクノロジーの組み合わせを駆使し、アンメットメディカルニーズの高い疾患に対する革新的な医薬品の創出に取り組んでいます(Focus Areaアプローチ)。さらに、医療用医薬品(Rx)事業で培った強みをベースに、最先端の医療技術と異分野のパートナーの技術を融合した製品やサービス(Rx+®)の創出にも挑戦しています。アステラス製薬は、変化する医療の最先端に立ち、科学の進歩を患者さんの「価値」に変えていきます。アステラス製薬の詳細については、(https://www.astellas.com/jp/)をご覧ください。

注意事項
このプレスリリースに記載されている現在の計画、予想、戦略、想定に関する記述およびその他の過去の事実ではない記述は、アステラス製薬の業績等に関する将来の見通しです。これらの記述は経営陣の現在入手可能な情報に基づく見積りや想定によるものであり、既知および未知のリスクと不確実な要素を含んでいます。さまざまな要因によって、これら将来の見通しは実際の結果と大きく異なる可能性があります。その要因としては、(i)医薬品市場における事業環境の変化および関係法規制の改正、(ii)為替レートの変動、(iii)新製品発売の遅延、(iv)新製品および既存品の販売活動において期待した成果を得られない可能性、(v)競争力のある新薬を継続的に生み出すことができない可能性、(vi)第三者による知的財産の侵害等がありますが、これらに限定されるものではありません。また、このプレスリリースに含まれている医薬品(開発中のものを含む)に関する情報は、宣伝広告、医学的アドバイスを目的としているものではありません。

 

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