アステラス製薬株式会社（本社：東京、代表取締役社長CEO：岡村 直樹、以下「アステラス製薬」）は、Eko Health Inc.（本社：米国カリフォルニア州、Co-Founder and CEO： Connor Landgraf、以下「Eko社」）と、Eko社の最新のデジタル聴診器Eko CORE 500TMおよびAIを活用した心血管疾患検出ソフトウェアについてグローバル供給・ライセンス契約を締結しました。アステラス製薬はWelldoc, Inc.（本社：米国メリーランド州、以下「Welldoc社」）と協働し、Eko社のテクノロジーとWelldoc社のケイパビリティを活用して、デジタルセラピューティクス（Digital Therapeutics ：DTx）に統合し、心不全患者向けで非侵襲性のZ1608の開発を進めています。アステラス製薬はZ1608について、米国食品医薬品局（FDA）の認証取得を目指しています。
アステラス製薬は、今後の研究を通じて、食事や活動、服薬アドヒアランスなどの健康データに基づく自動コーチングに加え、心不全に関連する主要な生理学的バイオマーカーの遠隔モニタリングにZ1608を活用することで、急性心血管イベントの発生頻度を低減できるかどうかを評価します。Z1608は、患者さんを治療の中心に据えて、自身が医療関係者と連携して健康管理上の重要な役割を果たすことができるように設計されています。
このほどFDAから認証されたEko CORE 500™は、3誘導心電計測機能を備えたデジタル聴診器です。取得した生理学的データをEko社独自のアルゴリズムによって処理し、心血管機能の障害について注視すべき点を特定します。アステラス製薬は、Eko社のテクノロジーとWelldoc社の確立されたDTxに関するケイパビリティを統合します。また、Z1608内で閲覧できる疾患啓発のコンテンツは米国心臓協会（American Heart Association：AHA)から提供されます。
AHAから提供される疾患啓発コンテンツは、患者さんやその家族、介護者が、心臓の健康に影響を与える重要な要因に焦点を当てたライフスタイルを計画できるように支援します。心臓の健康に影響を与える重要な要因には、運動、健康的な食事、体重管理、ストレス管理、禁煙といった、心不全患者にとって重要なものが含まれています。
Eko社のデジタル聴診器Eko CORE 500™（左）とZ1608のイメージ
心不全において、非侵襲的で使いやすいDTxに対する高いアンメットメディカルニーズがあります。心不全は、世界中で6,400万人以上が罹患している世界的な健康問題です1。米国では、心不全の罹患数は約690万人（2020年推計）であり、高齢化と人口増加により、2030年には24%増の850万人近くになると予測されています2,3。
アステラス製薬の経営戦略担当CStO(Chief Strategy Officer)であるAdam Pearsonは、「私たちは経営計画2021において、『Rx+®ビジネスの進展』を戦略目標の一つに掲げています。Eko社とWelldoc社との製品を組み合わせることにより新たなソリューションを提供することで、心不全の患者さんへ新たな『価値』を届けていきます」と述べています。
Eko社のCo-founder and CEOであるConnor Landgrafは、「心不全患者さんの在宅ケアには、患者データを正確に測定できる必要があります。アステラス製薬との提携により、当社のベストインクラスの製品であるデジタル聴診器CORE 500™とAIを活用した循環器疾患検出ソフトウェアをWelldoc社の確立されたDTxと統合することで、心不全がリアクティブではなく、プロアクティブに管理される未来に近づきます。私たちはパートナーと協力することで、自宅と医療機関のケアギャップを埋めるため、心疾患治療の変革に向けて大きな一歩を踏み出しています」と述べています。
Welldoc社のCEOであるKevin McRaithは、「心不全と診断された患者さんと医療提供者は、日常生活にシームレスに統合され、自己管理をサポートしてくれるデータ駆動型の臨床判断を促すソリューションを求めています。Welldoc社は、アステラス製薬と協働し、当社の慢性疾患ケア・プラットフォームを活用することで、データに基づく斬新な洞察と個別化されたコーチングを提供する、ファーストインクラスのデジタルソリューションを構築できることを嬉しく思います」と述べています。
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