- PD-1またはPD-L1阻害剤による治療歴がある患者において長期の有効性を確認 -
アステラス製薬株式会社(本社:東京、代表取締役社長CEO:安川 健司、以下「アステラス製薬」)は、Seagen Inc.(以下、「Seagen社」)と共同で開発を進めている抗体-薬物複合体(Antibody-Drug Conjugate: ADC)であるPADCEV®(一般名:エンホルツマブ ベドチン(遺伝子組換え))の第II相単群試験(EV-201試験)コホート2の結果を、2021年米国臨床腫瘍学会 泌尿生殖器がんシンポジウム(American Society of Clinical Oncology Genitourinary Cancers Symposium:ASCO GU)で発表しました(抄録番号#394)。
EV-201試験コホート2では、PD-1またはPD-L1阻害剤による治療歴があり、白金製剤による化学療法未治療かつシスプラチン不適応の局所進行性または転移性尿路上皮がん患者を対象に、PADCEV®を評価しました。
本コホートにおいて、主要評価項目である独立中央判断により評価された客観的奏効率(Objective Response Rate:ORR)は52%(89例中46例)(95%信頼区間:40.8, 62.4)であり、20%(89例中18例)に完全奏効、31%(89例中28例)に部分奏効が認められました。また、観察された有害事象は過去の試験データと一貫しており、グレードを問わず治療と関連のある頻度の高い有害事象は、脱毛症(51%)、末梢性感覚ニューロパチー(47%)および疲労(34%)でした。
なお、副次評価項目およびその他の安全性所見は以下の通りです。
- 奏効期間(Duration of Response:DOR)の中央値は10.9カ月(95% 信頼区間:5.8, 未到達)、無増悪生存期間(Progression-Free Survival:PFS)の中央値は5.8カ月(95% 信頼区間:5.0, 8.3)、全生存期間(Overall Surivival:OS)の中央値は14.7カ月(95% 信頼区間:10.5,18.2)でした。
- グレード3以上で治療と関連のある注目すべき有害事象は、皮膚反応(17%)、末梢神経障害(8%)および高血糖(6%)でした。また、75歳以上で複数の合併症を有する患者4例の死亡が、治療と関連のある有害事象として治験担当医師より報告されました。
EV-201試験コホート2の結果は、生物製剤承認一部変更申請の一部として、本年3月末までに米国食品医薬品局(FDA)に提出される予定です。また、米国のみならず、その他の地域の承認申請にも使用される予定です。
なお、日本と欧州において、エンホルツマブ べドチンは承認申請に向けた開発段階にあります。
本件については、米国において現地時間2月12日に対外発表しています。
以上