アステラス製薬株式会社(本社:東京、社長:畑中 好彦、以下「アステラス製薬」)は、抗生物質「ヴィバティブ」(英名:VIBATIV®、一般名:テラバンシン)に関し、9月2日(現地時間)に「MRSA(メチシリン耐性黄色ブドウ球菌)を起因とする、またはその関連が疑われる、院内肺炎と人工呼吸器関連肺炎」の適応症について欧州委員会より販売承認を取得しましたので、お知らせします。

  欧州における「ヴィバティブ」については、当社の欧州子会社である、アステラス ファーマ ヨーロッパ Ltd.が2009年10月に販売承認申請を行いました。その後、2011年5月に、欧州医薬品審査庁(EMA)において医薬品の科学的評価を担当する医薬品委員会(CHMP)が、今回承認を取得した適応症に関する販売承認勧告を採択しました。なお、発売時期は決定後改めてお知らせします。

  「ヴィバティブ」は米国テラバンス社から導入した、MRSAなどの耐性菌を含むグラム陽性菌に対して細胞壁合成阻害作用と細胞膜機能阻害作用をあわせ持つ新規脂質化グリコペプチド系の抗生物質です。1,503名の患者を対象にした第III相臨床試験において、主要評価項目である臨床治癒率において、バンコマイシンに対する非劣性が証明されています。なお、米国では2009年9月に、カナダでは2009年10月に、共に「成人のグラム陽性菌に起因する複雑性皮膚・軟部組織感染症(cSSSI*)」の適応症で承認されています。

  アステラス製薬は、感染症を重点疾患領域の一つと位置付けています。現在キャンディン系抗真菌剤「マイカミン」を全世界で販売しており、これまで75,000名以上の患者に投与されてきました。また、バシリア ファーマシューティカ社より導入したアゾール系抗真菌剤イサブコナゾール(米国/欧州:第III相臨床試験)やオプティマー社より導入した大環状抗菌剤フィダキソマイシン(欧州:申請中)などをパイプラインに有しています。今回、グラム陽性菌に対して強力な抗菌力を持つ「ヴィバティブ」を欧州で上市することにより、MRSAなどの耐性菌による重篤な感染症治療に新たな選択肢を提供すると共に、感染症領域において一層の貢献ができるものと期待しています。

*cSSSI:complicated skin and skin structure infectionsの略。

 

以 上

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