各種法令・規則を遵守し、高い倫理観に基づいて行動する

製品の適正使用の推進

アステラスの医薬情報担当者(MR)は、医療従事者に製品の添付文書に基づく適正使用情報を提供することで、自社の医薬品が安全かつ効果的に使用されるように努めています。MRは高い倫理観に基づいて行動し、適用法令・規制、業界ルール、アステラスグループ行動規準を含む社内規程を厳重に遵守しながら、製品の情報提供を実施しています。

メディカル担当者(MSL)は、製品の安全かつ効果的な使用方法をはじめ製品について科学的根拠に基づいた情報交換を医療従事者との間で行うことで、医療従事者の製品についての理解を促し、製品の安全かつ有効な使用を推進しています。MSLは信頼性が高く、理解しやすく、公正かつ偏りがない医学的・科学的情報を提供しています。MSLは製品の販売促進につながる活動は行わず、各種規則などに準拠し、高い倫理観に基づいて行動しています。

問い合わせ対応

アステラスは、患者さんや医療従事者からの問い合わせに対して、信頼性が高く、公正かつ偏りがない医療情報を提供する責任があると考えています。この責任を果たすことによって、医薬品の適正使用を促進しています。

この認識のもと、世界の国々にメディカルインフォメーションセンターを開設し、さまざまな問い合わせに対応しています。主要なインフォメーションセンターでは、営業日でなくとも24時間体制で緊急の問い合わせに対応しています。2020年3月期は、約8万8,000件の問い合わせがありました。

医療情報に関する問い合わせ対応に際してアステラスは、適切で一貫性のある正確な情報の提供を目指し、常に改善を続けています。その一環として、グローバルな医療情報システムを導入し、問い合わせおよび世界中のグループ会社から提供される回答の管理を行っています。これにより、問い合わせに対して簡潔、迅速かつ正確に回答するとともに、患者さんや医療従事者のニーズを分析し、製品のライフサイクルマネジメントに役立てています。

最近は新たに地域別の医療情報ウェブポータルを導入し、製品に関する情報を、より詳しくダイレクトな形で医療従事者へ提供しています。

偽造医薬品対策

正規の医薬品流通経路に偽造医薬品が混入することは、患者さんが有効な治療を受ける機会を失うだけでなく、重度の健康被害を引き起こす可能性があるため、世界的に深刻な問題となっています。

アステラスは「偽造医薬品対策についての基本的な考え方」を明確に定め 、ウェブサイト上で公表しています。

アステラスでは、品質保証部門、サプライチェーン管理部門など複数の関連部門のリーダーで構成する委員会を運営しているほか、製品に関わるセキュリティ・リスクを日常的に監視するプロダクト・セキュリティ部門を設置し、偽造医薬品対策を行っています。これらの委員会や部門は、世界中の市場でアステラスの製品に影響を及ぼす不審な活動を監視するとともに、偽造医薬品や、アステラスの製品に悪影響を及ぼし患者さんをリスクにさらす可能性がある医薬品の横流し、盗難などの不法行為への対策を実施しています。

また、アステラスは、現行の規制や薬事法の定めに従って実施している製品へのシリアルナンバーの付与にとどまらず、計画的に偽造防止対策を進めています。さらに、他の製薬企業と連携してさまざまな活動に定期的に参画し、偽造医薬品の流通防止に取り組んでいるほか、各国の行政や司法当局における偽造医薬品の取り締まり活動に対しても積極的に支援・協力しています。

製品回収

アステラスは、製品の安全性や有効性、品質に問題が生じた場合に実施するリコール制度を整備しており、関連情報を迅速に医療機関や影響を受ける関係者に伝達し、該当製品の回収を実施しています。2021年3月期は、自主回収を1件実施しました。

製品回収の履歴

年度 リコール数 重度
(クラスI)
中度
(クラスII)
軽度
(クラスIII)
分類なし
2014 3 0 1 1 1
2015 3 0 1 1 1
2016 3 0 2 1 0
2017 3 0 2 0 1
2018 7 0 4 2 1*
2019 2 0 1 0 1
2020 1 0 0 1 0

*当局主導のリコール

ファーマコヴィジランス(PV)*システムの向上

アステラスは、ファーマコヴィジランス(PV)機能とその他関連部門、販社、およびライセンスパートナーとの連携強化を通じて、PVシステムの更なる向上に継続的に取り組んでいます。これにより、規制要件への対応はもとより、製品戦略の拡大への対応、信頼性の高い製品情報の提供と製品の適正使用の推進につなげています。

アステラスは、製品の安全性情報を広く収集する体制を構築しています。PV機能に密接に関わる従業員だけでなく販社を含めた全従業員と契約社員を対象にPVについての研修を毎年実施することで、適切かつ迅速に安全性情報を収集する体制を維持・強化しています。また、PV機能以外の部門が外部事業者へ業務を委託する場合は、必要に応じて業務委託契約に安全性情報の収集に関する要件を追加しています。

グローバルで使用している安全性情報のデータベースや関連手順も、環境の変化に対応するため、整備を進めています。2019年3月期には、規制要件の変更に伴う安全性情報のデータベースや手順の大幅なアップグレードを完了し、2020年3月期、2021年3月期においても順次、各国の規制に準じて電子報告を行うためのシステム機能の拡張を継続してきました。

PV機能と他の部門との連携強化によって、大規模な医療データベースなどのリアルワールドデータを自社製品の安全性評価に活用し、リスクの最小化につなげる取り組みも進めています。さらに、安全性情報の監視、データベースへの取り込み、処理・報告、安全性シグナルの早期検出・解析に活用できる自動化技術や人工知能技術の探索・評価も継続して実施しており、安全性情報の管理体制も今後強化していきます。

* ファーマコヴィジランス:医薬品安全性監視