再生と視力の維持・回復


Primary Focus「再生と視力の維持・回復」は、失明の不安から患者さんを解放し、視力を取り戻す希望の光をもたらすことを使命にしています。細胞医療や遺伝子治療という次世代モダリティを活用することで、失明リスクの高い後眼部疾患を有する患者さんに対して、視力の維持や回復をもたらす新たな治療選択肢を提供します。これまで治療法が無かった患者さんに対して、一回の治療によって長期的な視力の維持・回復を達成することを目指しています。

多能性幹細胞を用いた治療用細胞の作製・生産・開発、ユニバーサルドナー細胞技術、治療用アデノ随伴ウイルスの作製および生産、眼科関連の細胞・遺伝子治療の前臨床評価に関するケイパビリティを有しており、細胞医療とウイルスを用いた遺伝子治療の両技術を核とした創薬ケイパビリティをさらに進化させていきます。

Primary Focus「再生と視力の維持・回復」では、以下のリードプログラムに取り組んでいます。

【ヒト多能性幹細胞に由来する細胞治療】

  • 網膜色素上皮細胞(ASP7317、Phase 2)
  • 視細胞、網膜神経節細胞、角膜内皮細胞(前臨床)
  • ユニバーサルドナー細胞を活用した網膜色素上皮細胞(前臨床)

【アデノ随伴ウイルスを用いた遺伝子治療】

  • オプトジェネティクス(ASP1361、前臨床)
  • 後眼部疾患を対象にした遺伝子治療(前臨床)

また、私たちは以下のケイパビリティを有しています。

  • ヒト多能性幹細胞を用いた治療用細胞作製・CMC・開発
  • ユニバーサルドナー細胞技術
  • 治療用アデノ随伴ウイルスの作製および生産
  • 眼科細胞・遺伝子治療の薬効および安全性評価
     

アステラスが外部パートナーに期待するアセット、ケイパビリティおよび人材

私たちは、再生を中心としたバイオロジー、細胞や遺伝子治療といった次世代モダリティ、失明リスクのある後眼部疾患によって形成されるPrimary Focusを発展させる革新的な外部機会および人材を求めています。次世代細胞医療のポートフォリオの拡充、安全かつ効果の高い遺伝子治療への進化、核酸医薬による後眼部疾患治療薬の創出、細胞医療の基盤を活かしたExtracellular vesicle (EV) 治療薬の展開が該当します。

【アセット、ケイパビリティ】

  • 後眼部疾患/角膜疾患に対する細胞医療
  • 遺伝子治療もしくは核酸医薬(前臨床、臨床)
  • 低侵襲・簡単・高効率な眼内送達に寄与する技術
  • 細胞医療、遺伝子治療、核酸、Extracellular VesicleのCMCの高質化・効率化に寄与する技術
  • 安全性などの性能が向上したウイルスベクター

【人材】

  • 細胞・遺伝子治療の研究・開発・製造・規制などに深い経験を有する人材

 

Primary Forcusリードの画像1

Primary Focusリードからのメッセージ

Primary Focusリード (再生と視力の維持・回復)
部門長 博士(理学)
鈴木 丈太郎

私たちは、米国ボストンエリアのAstellas Institute for Regenerative Medicine (AIRM) にて、研究・開発・CMCのチームが一体となって細胞医療の実現にスピード感をもって取り組んでいます。また、つくば研究センターでは、様々な専門性を集合させた研究チームが遺伝子治療を中心とした研究を国内外のアカデミアやバイオベンチャーと協働で実行しています。つくばバイオ研究センターでは、バイオ医薬製造技術のエキスパートが製造プロセスの技術開発と治験薬の製造を行っています。開発機能は米国および日本に中核拠点があり、米国のシカゴ地区を開発機能の中枢として、世界中の仲間と協働で新薬の開発に取り組んでいます。このように私たちは社内外の最適なケイパビリティを組み合わせることで、生産性と創造性、患者さんにとっての価値を生み出す力を高めています。

 

ASIMバイオロジー/複合免疫制御


Primary Focus「ASIMバイオロジー」はアレルギーや自己免疫疾患で苦しんでいる患者さんに、治癒につながる治療法を提供することを目標としています。現在の治療法は主にステロイドなど免疫反応全体を抑制する対症療法であり、副作用や易感染症などの課題があります。また、多くの自己免疫疾患はコントロールが難しく、未だ根治につながるような治療法はありません。病気の原因となっている抗原に対する免疫反応だけを特異的に抑えることができれば、より安全かつ有効な治療法になると考えられます。

アステラスはこれまで、移植・免疫領域を重点疾患領域として、プログラフをはじめ様々な免疫制御薬の研究開発を進めてきました。これまでに培ってきた免疫領域における研究開発の経験やケイパビリティを活かして、抗原特異的免疫調節(ASIM:antigen-specific immune modulation)を可能にする革新的な技術の開拓に挑戦しています。

Primary Focus「ASIMバイオロジー」では、以下のリードプログラムを推進しています。また、自己抗体を産生するB細胞を選択的に制御できるアステラス独自のプラットフォームの構築も行っています。

  • ピーナッツアレルギー(A0892)を対象とした臨床試験
  • ダニアレルギー(A2390)を対象とした臨床試験

一方で、病因抗原が多様であったり、抗原が明確ではなかったりする自己免疫疾患も多く存在します。このような疾患に対しては、複数の抗原に対する免疫応答を効果的に制御できる新しいモダリティが必要です。アステラスは、ASIMバイオロジーに続く新しいPrimary Focus候補として、抗原が複雑な免疫疾患においても疾患特異的な免疫応答を抑制することができる、革新的なモダリティ/テクノロジーを探索しています(Multi-immune Regulation)。また、その技術が薬効を示しうることを予測可能な前臨床疾患モデルや臨床におけるバイオマーカーの整備も必要です。外部との連携により、このような技術やケイパビリティを拡充したいと考えています。

 

Primary Focusリードの画像2

Primary Focusリードからのメッセージ

Primary Focusリード(ASIMバイオロジー)
部門長 博士(医学)
古川 重忠

ASIM技術による特異的免疫制御は難治性免疫疾患の根治につながる究極のゴールです。我々はこのゴールの実現のため、研究、開発、生産、マーケティング、ポートフォリオ戦略の代表者からなる、部門横断的なチームを結成し、新たなモダリティ/テクノロジーの開発に注力しています。一方で、革新的な技術を開発するためには、社外研究者との協働が必須です。現在、抗原特異的免疫制御については研究が盛んに行われており、日々新しいテクノロジーが報告されています。我々は、アレルギーや自己免疫疾患で苦しんでいる患者さんの治癒につながる治療法を一日でも早くお届けするために、積極的にオープンイノベーションを推進していきたいと考えています。

 

ミトコンドリアバイオロジー


「健康に生きる」。誰もが持つ願いです。アステラスは「科学の進歩を患者さんの価値に変える」をVISIONとし、病気に苦しむ患者さんの明日を明るい未来に変えることにコミットしています。

Primary Focus「ミトコンドリアバイオロジー」のターゲットであるミトコンドリアの機能はとても複雑です。エネルギーを産生する細胞内小器官というのが最も一般的な理解ですが、ミトコンドリアにはそれ以外にも多面的な機能があり、それらは複数の生化学的な経路で制御されています。事実、ミトコンドリアは老化に関わるプロセスにおいて重要な役割を果たしており、ミトコンドリアの機能が異常をきたすと、様々な疾患の原因になったり、その症状を悪化させたりすることが知られています。

アステラスはミトコンドリアバイオロジーに基づいた創薬の研究・開発・商業化でグローバルリーダーを目指します。このため、米国マサチューセッツ州に拠点をおくマイトブリッジを2018年1月に完全子会社化しました。科学の進化に伴って、ミトコンドリア機能不全と病気とを繋ぐ病態生理学の理解は日々発展しています。アステラスとマイトブリッジは、このミトコンドリア機能に着目した革新的なアプローチで、これらアンメットメディカルニーズの高い疾患に対して新たな治療機会を提供できるよう研究を進めています。

アステラスは臨床試験段階ある以下の2つの化合物をはじめとして、このミトコンドリアバイオロジー領域での研究開発に対して集中的に投資していきます。

  • ASP0367:ペルオキシソーム増殖因子活性化受容体(PPAR)調節薬で、δ型に対して非常に高い選択性を持つ経口薬です。脂肪酸酸化に関わる遺伝子の発現を亢進しミトコンドリアを増やすことで、ミトコンドリアにおける呼吸を刺激します。この作用によって、デュシェンヌ型筋ジストロフィーおよびミトコンドリアミオパチーの患者の筋機能を改善するのではないかと期待しています。
  • ASP1128:ペルオキシソーム増殖因子活性化受容体(PPAR)のδ型に対して非常に高い選択性を持つ調節薬で、注射薬として開発中です。冠動脈バイパス手術後の急性腎不全を適応症として、POC(Proof of Concept)試験を2019年11月に開始しました。

このほかにもミトコンドリア機能に着目した複数の低分子化合物が前臨床段階にあり、様々な適応症に応用できるかどうか可能性を評価しています。
 

アステラスが外部パートナーに期待するアセット、ケイパビリティおよび人材

ミトコンドリアバイオロジーに関連した基礎研究は、遺伝子治療、細胞医療、ミトコンドリア移植療法などといった新しいモダリティとともに発展しています。ミトコンドリアバイオロジーに基づいた薬剤の開発は急速に進化していますので、様々なケイパビリティが必要です。強いインパクトのある研究をタイムリーに発展させていくため、外部パートナーシップの可能性を模索しています。

【アセット、ケイパビリティ】

  • ミトコンドリアやその機能制御に関わる前臨床または臨床段階のアセット、ケイパビリティについて、モダリティ/テクノロジーを問わず広範に興味があります。アステラスには低分子化合物や抗体の薬剤を開発した経験があり、また、細胞医療や遺伝子治療を薬剤開発に応用する専門知識があります。

【人材】

  • 科学的な面での優秀さと誠実さは必須ですが、それだけでは十分ではありません。アステラスは様々な背景や経験を持つ多様な人材を集めることが、クリエイティブかつアジャイルな薬剤開発につながると考えています。アステラスとそのパートナーは、チームワーク、グローバルコミュニケーション、透明性、尊重、フォーカスを重要視します。

 

Primary Focusリードの画像3

Primary Focusリードからのメッセージ

Primary Focusリード(ミトコンドリアバイオロジー)
部門長 博士(獣医)
長瀬 逸郎

私たちは、ミトコンドリアの領域で革新的な治療法の開発に取り組んでいます。私たちのサイエンスアドバイザーには、ミトコンドリアのバイオロジー、代謝、老化プロセスなどの分野で世界をリードする科学者たちが含まれていて、彼らは科学の進化を次世代の医薬品に応用した経験を有しています。これは、私たちの「ボストンイノベーションハブ」コンセプト(米国ボストン地区を研究拠点として、周辺のアカデミアやベンチャーなどと協力しながら薬剤の研究開発を進めること)を推し進めるのに大変役立ちます。アステラスの新薬研究開発の経験をパートナーのみなさんとの協働に活かしていきます。

 

遺伝子治療


遺伝子治療は医療に大きな変革をもたらす力を秘めています。遺伝子の変異は6,000を超える希少疾患*の直接的な発症原因になっているだけではなく、遺伝性でない、その他多くの一般的な疾患の病態生理にも寄与しています。近年、遺伝子導入・制御技術は急速に進歩し、実用化に至っています。遺伝子治療は、他に治療選択肢がない患者さんに革新的な価値をもたらす可能性を秘めています。

アステラスの戦略では、アデノ随伴ウイルス(AAV)をベクターとした遺伝子治療におけるグローバルリーダーシップを発揮するケイパビリティの樹立を目指しています。2020年1月、希少な神経筋疾患を対象としたAAVに基づく遺伝子治療薬の開発をリードするAudentes社を買収しました。Audentes社は稀少疾患にとどまらず、より一般的な疾患を抱える患者さんのアンメットメディカルニーズに応えることを目指しており、アステラスはAudentes社を遺伝子治療におけるCOE(Center of Excellence: 組織、部門を横断する中心拠点)として位置づけています。Audentes社は米国ノースカロライナ州に遺伝子治療薬の最先端製造技術を有する施設を開設(2021年操業開始予定)し、製造力を一層強化する予定です。

*: Online Mendelian Inheritance in Man® (OMIM®) Gene Map Statistics. https://www.omim.org/statistics/geneMap, (参照2020年5月12日)

Primary Focus「遺伝子治療」では、以下のリードプログラムに取り組んでいます。 

  • AT132:骨格筋細胞におけるミオチュブラリンタンパクの欠如が原因となる、希少かつ致死的疾患であるX染色体連鎖性ミオチュブラー・ミオパチー(XLMTM)に対する遺伝子置換療法
  • AT845:骨格筋および心筋におけるグリコーゲンの蓄積につながる酸性α‐グルコシダーゼ(GAA)酵素活性の欠如が原因となる、重篤な進行性神経筋疾患であるポンペ病に対する遺伝子置換療法
  • AT702/751/753:ジストロフィンをコードする遺伝子変異が引き起こす重度の進行性神経筋疾患であるデュシェンヌ型筋ジストロフィー(DMD)に対するベクター化エクソンスキッピング遺伝子制御療法

アステラスはAudentes社を買収することで、後期開発品であるAT132を含めた革新的な治療パイプラインと先駆的な遺伝子治療薬製造能力を手に入れました。
 

アステラスが外部パートナーに期待するアセット、ケイパビリティおよび人材 

私たちは、遺伝子治療における革新的なイノベーションを求めており、未来に向けた成長を目指しています。私たちは目標達成のために、新たな機会や最先端の科学を獲得するためのパートナーとの新たなコラボレーションを追求しています。

【アセット、ケイパビリティ】 

  • 医療価値の高い遺伝子治療の新たな製品コンセプトおよびAAVコンストラクト
  • 遺伝子制御およびRNA編集のための新技術
  • 新しい効率的なウイルスベクター技術
  • AAV製造プロセスの改善
  • AAVの脳内デリバリー方法
  • AAVの再投与および既存の免疫を有する患者さんへの治療を可能にする技術

【人材】 
研究、開発、製造、商業化のバリューチェーン全体に渡り、優秀な人材を積極的に求めています。

 

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Primary Focusリードからのメッセージ

Primary Focusリード(遺伝子治療) 
部門長  
ウルフ トレマー

AAVベクターに基づく遺伝子治療に関する目覚しい発展により、世界中の患者さんが遺伝子治療を受けられるようになりました。アステラスは、「科学の進歩を患者さんの価値に変える」というVISIONを掲げています。私たちは、COEであるAudentes社とともに、これからもAAVをベースとした遺伝子治療薬の研究、開発、製造、商業化におけるリーダーシップを発揮していきます。

 

がん免疫


私たちの使命は、革新的ながん治療薬を研究開発し、そして患者さんに届け、最終的にはがんを治癒することです。この使命を達成するために、私たちはイノベーションを可能とする能力を高め、外部パートナーとの強力なネットワークを構築しています。免疫チェックポイント阻害剤のような新しい治療方法が登場しましたが、依然としてがん治療にはアンメットメディカルニーズが存在しています。免疫チェックポイント阻害薬を投与された患者さんの80%は治療に抵抗性であるか、治療中に再発すると推定されています。
Primary Focus「がん免疫」では、がんに対する免疫応答の様々なステップへ同時に作用する治療薬の開発に取り組んでいます。
 

Primary Focus「がん免疫」では、以下のリードプログラムに取り組んでいます。

アステラスは外部パートナーとの戦略的提携により、強力で競争力のあるがん免疫のポートフォリオを確立してきました。自社においても米国(シアトル、サウスサンフランシスコ、ノースブルック)と日本のつくばで、探索研究、タンパク質工学、前臨床開発、臨床開発、トランスレーショナルサイエンス、製造といったケイパビリティを構築しております。また、世界の主要な学術機関やバイオテクノロジー企業と提携し、がん免疫における独自の治療薬の開発を進めています。

  • ASP8374:抗TIGIT抗体
  • ASP1948:抗NRP1抗体
  • ASP1951:GITRアゴニスト抗体
  • ASP9801:腫瘍溶解性ウイルス(鳥取大学との提携)
  • ASP7517:WT1搭載人工アジュバントベクター細胞(aAVC)(理化学研究所との提携)

 

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アステラスが外部パートナーに期待するアセット、ケイパビリティおよび人材 

私たちはがんへの有効性が期待できる多機能のモダリティプラットフォームの構築を進めております。そして、腫瘍生物学に対する深い理解、多機能モダリティ、研究開発、商業化における専門性に基づいて、がん免疫の研究開発に取り組んでいます。イノベーションの盛んなマサチューセッツ州ケンブリッジ、カリフォルニア州ベイエリア、東京に拠点をおくベンチャーおよび事業開発部からインプットされる新たな提携および買収機会を通じて、アステラスのがん免疫に関するケイパビリティを最大化したいと考えています。

【アセット、ケイパビリティ】

  • 新規メカニズムの免疫チェックポイント
  • 腫瘍溶解性ウイルス
  • ワクチン
  • 細胞療法
  • アステラスパイプラインを利用した併用療法

【人材】
私たちは有能なチームメンバーを常に求めています。起業家精神にあふれたダイバーシティのある環境において、進歩的で革新的なチームの一員として働くことに興味を持たれましたら、お問い合わせください。
 

強固で多機能なプラットフォームの構築

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Primary Focusリードからのメッセージ

Primary Focusリード(がん免疫) 
部門長 医師
ピーター サンダー

がんの克服は可能であり、克服できる日が来ると私は信じています。この成功のためには、やり遂げる決意と、がんの研究開発における最良の専門家とのパートナーシップおよびコラボレーションが必要となります。私たちは、がんの治癒が期待できる画期的な医薬品を提供することで、がん患者さんに革新的な価値を提供できるようチームおよびコラボレーションネットワークを構築しています。すでに臨床試験中のがん免疫プログラムや将来のパイプラインプログラムが患者さんのアンメットメディカルニーズを満たすと私は信じています。私たちは社内チームおよび社外パートナーとコラボレーションすることによりがん免疫の可能性を最大化し、科学の進歩を患者さんの価値に変えていきます。

 

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