アステラス製薬株式会社(本社:東京、代表取締役社長CEO:安川 健司、以下「アステラス製薬」)は、未治療のFLT3遺伝子変異陽性急性骨髄性白血病(Acute Myeloid Leukemia:AML)患者を対象とした、ギルテリチニブと強力な化学療法(寛解導入療法および地固め療法)との併用による第I相試験の最新結果が、2018年第60回米国血液学会(ASH: American Society of Hematology)年次総会において口頭発表されましたので、お知らせします(Abstract 564)。本試験において、ギルテリチニブは強力な化学療法との併用により、未治療のFLT3遺伝子変異陽性AML患者に対して高い奏効率を示しました。

 ASH年次総会でデータを発表したJohn Hopkins Sidney Kimmel Comprehensive Cancer CenterのKeith W. Pratz医師は、「AMLは生命に関わる疾患であり、できるだけ早期に治療を開始することが必要です。AMLの標準治療は、寛解導入療法と地固め療法ですが、特定の遺伝子変異を標的とした新たな治療法は、AML患者さんを治療する医師にとって重要な選択肢となり得ます。これらのデータは、AMLの一次治療において、FLT3遺伝子変異を有する患者さんの治療をどのように行うべきか、科学的な理解を深めるうえでも有益です」と述べています。

 現在進行中の非盲検、用量漸増/用量拡大第Ⅰ相試験(NCT02236013)は、未治療の成人AML患者において、ギルテリチニブを寛解導入療法および地固め療法と併用投与した際、および維持療法としてギルテリチニブを単独投与した際の安全性、忍容性および有効性を評価することです。

 本試験は2つのパートから成り、初めに患者を用量漸増コホートに組み入れて最大耐用量(MTD)を決定しました。用量拡大コホートの患者には、用量漸増コホートにて決定した用量拡大コホートの推奨用量のギルテリチニブを投与しました。

 2018年10月11日現在、68例が本試験に組み入れられ、このうち66例を安全性解析対象例としました。これらの患者のうち、36例(54.5%)にFLT3遺伝子変異(FLT3-ITD、n=26)が認められました。用量漸増パート1-14日目にギルテリチニブの投与を受けた40mg/日投与群の患者2例において、用量制限毒性(DLT:好中球減少症、血小板減少症、駆出率の低下)が認められました。ギルテリチニブの投与スケジュールの変更後は、この用量におけるDLTは認められませんでした。200mg/日投与群の患者2例にDLT(好中球減少症、好中球減少性腸炎)が認められました。MTDおよび推奨される拡大用量は120mg/日に設定されました。

その他の重要な所見は、以下の通りです。

  • スケジュール1のギルテリチニブ120mg投与群(n=17)におけるFLT3遺伝子変異陽性患者への有効性評価は治験終了時点で評価され、複合完全寛解率(CRc率)は100%でした。
     
  • ダウノルビシンによるスケジュール2の寛解導入療法を受けたFLT3遺伝子変異陽性患者のCRc率も100%でした。
     
  • イダルビシンによるスケジュール2の寛解導入療法を受けたFLT3遺伝子変異陽性患者のCRc率は66.7%でした。
     
  • ギルテリチニブ80mg/日以上の投与を受けた患者(n=52)のうち、FLT3遺伝子変異陽性患者のCRc率は90.3%(n=28/31)でした。
     
  •  全生存期間の中央値は未到達でしたが、無病生存期間の中央値は430日(95%CI:155日、630日)でした。
     
  • 10%以上の患者に発現したグレード3以上の有害事象(AEs)は、発熱性好中球減少症(63.6%)、血小板減少症(19.7%)、血小板数減少(19.7%)、白血球数減少(19.7%)、好中球減少症(19.7%)、好中球数減少(16.7%)、貧血(13.6%)、敗血症(10.6%)でした。
     
  • 1例以上の患者に認められた重篤な有害事象は、発熱性好中球減少症(n=11)、敗血症(n=4)、小腸閉塞、駆出率の低下(いずれもn=2)でした。

 ギルテリチニブは、日本において2018年9月に「ゾスパタ®錠40 mg」の製品名で「再発又は難治性のFLT3遺伝子変異陽性の急性骨髄性白血病」を効能・効果として厚生労働省から製造販売承認を取得しています。米国においても2018年11月に「XOSPATA®」の製品名で再発または難治性のFLT3遺伝子変異陽性AMLの治療薬として米国食品医薬品局(FDA)から承認を取得しています。