アステラス製薬株式会社(本社:東京、代表取締役社長CEO:安川 健司、以下「アステラス製薬」)は、Seagen Inc.(以下、「Seagen社」)と共同で開発を進めている抗体-薬物複合体(Antibody-Drug Conjugate: ADC)エンホルツマブ ベドチン(遺伝子組換え)(以下、「エンホルツマブ ベドチン」)について、シスプラチン不適応の局所進行性または転移性尿路上皮がん患者を対象としたEV-201試験のコホート2、およびEV-103試験の用量漸増コホートと用量拡大コホートAの最新データを発表します。

 なお、これらの試験データは2021年6月4日から8日にかけて開催される2021年米国臨床腫瘍学会 (American Society of Clinical Oncology: ASCO)年次総会において発表予定です。発表概要は以下の通りです。

 

EV-201試験コホート2

 ASCO演題:Enfortumab vedotin in cisplatin-ineligible patients with locally advanced or metastatic urothelial cancer who received prior PD-1/PD-L1 inhibitors: An updated analysis of EV-201 Cohort 2 (抄録番号4524)

 第II相試験であるEV-201試験コホート2(NCT03219333)では、PD-1 または PD-L1 阻害剤による治療歴があり、白金製剤による化学療法未治療かつシスプラチン不適応の局所進行性または転移性尿路上皮がん患者を対象に、エンホルツマブ ベドチンを評価しました。

 中央値16カ月の追跡調査において、主要評価項目である盲検下独立中央評価により評価された客観的奏効率(Objective Response Rate: ORR)は51%(95%信頼区間:39.8、61.3)であり、22%に完全奏効がみられました。奏効期間(Duration of Response: DOR)の中央値は13.8カ月(95%信頼区間:6.4、未達)、無増悪生存期間(Progression-Free Survival: PFS)の中央値は6.7カ月(95%信頼区間:5.0、8.3)、全生存期間(Overall Surivival: OS)の中央値は16.1カ月(95%信頼区間:11.3、24.1)でした。

 頻度の高い治療と関連のある有害事象は脱毛症(51%)、末梢感覚神経障害(49%)および倦怠感(34%)であり、頻度の高いグレード3以上で治療と関連のある有害事象は好中球減少症(9%)、斑状丘疹状発疹(8%)および倦怠感(7%)でした。グレード3以上で治療と関連のある注目すべき有害事象は、皮膚反応(17%)、末梢神経障害(8%)、高血糖(6%)でした。また、初回解析において、75歳以上で複数の合併症を有する患者4例の死亡が、治療と関連のある有害事象として治験担当医師より報告されました。

 なお、EV-201試験コホート2の主要解析(The Lancet Oncology)に基づいたエンホルツマブ ベドチンの生物学的製剤一部変更承認申請(supplemental Biologic License Application: sBLA)は、米国食品医薬品局(FDA)の優先審査の指定を受けました。

EV-103試験コホートA

 ASCO演題:Update on durability results and long term outcome of enfortumab vedotin + pembrolizumab in first line locally advanced or metastatic urothelial carcinoma (la/mUC) (抄録番号4528)

 第Ib/II相試験であるEV-103試験(NCT03288545)の用量漸増コホートおよび用量拡大コホートAでは、シスプラチン不適応で、局所進行または転移した状態において全身治療を受けておらず、かつ12カ月以内に術前または術後の補助化学療法として白金製剤による治療を受けていない局所進行性または転移性尿路上皮がん患者を対象に、エンホルツマブ ベドチンとキイトルーダ®(一般名:ペムブロリズマブ(遺伝子組換え))*との併用を評価しました。

 中央値24.9カ月の追跡調査後の長期解析において、安全性プロファイルはこれまでの知見と概ね一貫しており、新たな安全性上のシグナルは発生していないことが示されました。

 頻度の高い治療と関連のある有害事象は末梢感覚神経障害(55.6%)、倦怠感(51.1%)、脱毛症(48.9%)であり、頻度の高いグレード3以上で治療と関連のある有害事象はリパーゼの増加(17.8%)、斑状丘疹状発疹(11.1%)、および倦怠感(11.1%)でした。グレード3以上で治療と関連のある注目すべき有害事象は、皮膚反応(20%)、高血糖(8.9%)、末梢神経障害(4.4%)でした。また、初回解析において、関連している可能性があるとして1人の死亡(多臓器不全症候群)が報告されました。

 また、前回の解析で報告されていますが、ORRは73.3%(95%信頼区間:58.1、85.4)であり、15.6%に完全奏効がみられ、PFSの中央値は12.3カ月(95%信頼区間:8.0、未達)でした。なお、追跡調査後の長期解析において、DORの中央値は25.6カ月(95%信頼区間:8.3、未達)、OSの中央値は26.1カ月(95%信頼区間:15.7、未達)でした。

 なお、昨年、切除不能な局所進行性または転移性尿路上皮がんで、シスプラチンベースの化学療法に不適応の患者における、エンホルツマブ ベドチンとキイトルーダ®との併用による一次治療を対象として、FDAからブレークスルーセラピー指定(Breakthrough Therapy Designation)を取得しました。

 

 これらのASCOで発表される解析結果により、エンホルツマブ ベドチンが中央値16カ月の追跡調査後も多くの患者さんで有用性を示すこと、また、エンホルツマブ べドチンとキイトルーダ®の併用が長期にわたって一貫した安全性プロファイルを示すことが認められました。これは、治療の選択肢が非常に限られている患者さんにとって、重要な知見です。アステラス製薬は、患者さんに新たな治療選択肢を提供することで、アンメットメディカルニーズの高い局所進行性または転移性尿路上皮がんの治療に一層の貢献をしていきます。

 本件については、米国において現地時間5月19日に対外発表しています。

*:キイトルーダ®(一般名:ペムブロリズマブ(遺伝子組換え))はMerck & Co., Inc.の製品です。

以上