- 次世代がん免疫療法の研究開発をさらに加速 -

 アステラス製薬株式会社(本社:東京、代表取締役社長CEO:安川 健司、以下「アステラス製薬」)は、KaliVir Immunotherapeutics LLC(本社:米国ペンシルベニア州、CEO: Helena Chaye, Ph.D., J.D.、以下「KaliVir社」)と、がん免疫治療のための静脈内投与が可能な腫瘍溶解性ウイルス「VET2-L2」および2番目となる後続の開発候補品の共同研究開発および商業化に関する全世界における独占的ライセンス契約を締結しました。

 KaliVir社は、遺伝子組換えワクシニアウイルス*を用いた独自の技術プラットフォームを持ち、複数の導入遺伝子を搭載した全身投与型腫瘍溶解性ウイルスVET2-L2をリードプログラムとして開発しています。VET2-L2は、静脈内投与により全身の腫瘍に到達し、腫瘍細胞を直接破壊すると同時にがん免疫を活性化させることで腫瘍細胞を破壊します。静脈内投与により腫瘍に到達するため、腫瘍内投与での複雑な手順を必要とせず、表層化していない腫瘍や直接のアクセスが難しい部位の腫瘍にも効果が期待でき、より多くのがん患者さんの治療への適応が期待できます。なお、VET2-L2は現在前臨床の開発段階にあります。

 今回の契約により、KaliVir社が有する腫瘍溶解性ウイルスに関する高い専門性とアステラス製薬が有する新薬開発力およびグローバルビジネスにおける豊富な経験を活かした新たながん免疫治療法の創出を目指します。

 本契約に基づき、アステラス製薬は、契約一時金ならびに、VET2-L2および後続の開発候補品の研究・前臨床開発に関わる支払いとして合計5,600万米ドルを上限とする金額をKaliVir社に支払います。また、VET2-L2と後続の開発候補品の開発・商業化を行う場合、KaliVir社に対し、その進捗に応じたマイルストンとして、それぞれ最大で3億700万米ドルおよび2億7,100万米ドルを支払う可能性があります。さらに、商業化された製品の売上に応じたロイヤリティを支払う可能性があります。

 KaliVir社のCEO Helena Chaye, Ph.D., J.D.は「当社の開発におけるリードプログラムであるVET2-L2が、アステラス製薬のがん治療のプログラムの一つとして加わることを、大変うれしく思います。VET2-L2は複数の機能を持ち、静脈内投与が可能なワクシニアウイルスを用いた腫瘍溶解性ウイルスで、前臨床で得られた強固なデータに基づき、臨床試験への移行を予定しています。アステラス製薬は医薬品の開発と商業化における優れた実績を有しており、今回の提携は、当社のVETプラットフォームが客観的に評価されたものとうれしく思います。当社は、この製品をがん患者さんにお届けすることに全力を尽くしており、アステラス製薬との協力関係が、これを加速させるものと確信しています」と述べています。

 アステラス製薬の代表取締役副社長 経営戦略・財務担当の岡村直樹は、「アステラス製薬では、がん免疫を研究開発戦略上のPrimary Focusの一つに位置づけ、新たなモダリティ/テクノロジーによる次世代の治療法の開発に取り組んでいます。その中でも、腫瘍溶解性ウイルスは有効な治療法のない患者さんへの新たな治療の選択肢として有望であると考え、その研究開発に注力しています。今回のKaliVir社との提携により、この領域のパイプラインがより充実し、将来のがん治療における選択肢をさらに広げることができるものと期待しています。アステラス製薬は、今後も、科学の進歩を患者さんの価値に変えるための革新的な医療ソリューション創出を目指していきます」と述べています。

 なお、本件によるアステラス製薬の業績への影響は、通期(2021年3月期)連結業績予想に織り込み済みです。

以上