アステラス製薬株式会社(本社:東京、社長:畑中 好彦、以下「アステラス製薬」)の子会社である米国アジェンシス社(英名:Agensys, Inc.)と米国のバイオベンチャー企業であるシアトルジェネティクス社(英名:Seattle Genetics, Inc.)の間で締結された、抗体医薬の関連技術である抗体-薬物複合体(ADC:antibody-drug conjugate)技術*に関するライセンス契約に基づき、シアトルジェネティクス社がASG-15MEについて、アジェンシス社と共同開発を行うオプション権を行使しました。

  シアトルジェネティクス社とアジェンシス社は、2007年1月にADC技術に関するライセンス契約を締結し、2009年11月に一部修正しました。当該契約では、ADCプログラムの一つである「ASG-5ME」について、共同開発・商業化を行い、費用および利益を両社で折半することになっており、また、シアトルジェネティクス社は、ASG-5MEを除く2個のADCプログラムについて、費用および利益を折半することを条件にアジェンシス社と共同して開発・商業化を行うことのできるオプション権を有していました。シアトルジェネティクス社は、2011年6月にASG-22MEについて、この度ASG-15MEについて、このオプション権を行使しました。また、アジェンシス社は、そのほか複数個のADCプログラムについて、単独で開発・商業化を行うための独占的ライセンスを取得しており、その対価としてシアトルジェネティクス社に対し、開発マイルストンに応じた一時金および売上に応じた一桁台半ばのロイヤリティ等を支払うことになっています。

 ASG-15MEは、膀胱がん、肺がんなどの多発性固形がんに発現するSLITRK6に作用する完全ヒト抗体に、ADC技術を加えたものです。ASG-15MEは前臨床における膀胱がんと肺がんのモデルで、抗がん作用を示しました。ASG-15MEには、シアトルジェネティクス社の独自技術である細胞内酵素により分解されやすいリンカ―を介して、強力な合成毒素であるmonomethyl auristatin E(MMAE)が結合されています。血液中では安定でありながら、SLITRK6を発現するがん細胞では細胞内に取り込まれた後MMAEを放出し、狙ったがん細胞のみを死滅させるよう設計されています。


 アジェンシス社は、米国食品医薬品局(FDA)に対して、ASG-15MEの第I相臨床試験に関する治験許可申請を既に提出しています。

 今後アジェンシス社はASG-5ME、ASG-22ME、ASG-15MEについて、シアトルジェネティクス社と共同で開発・商業化を行い、費用および利益を両社で折半します。なお、本オプション権行使により、アジェンシス社はシアトルジェネティクス社より一時金を受領しますが、アステラス製薬の当期(2014年3月期)の業績へ与える影響は軽微です。

 アステラス製薬はシアトルジェネティクス社ADC技術を活用したプログラムの開発を進めることにより、がん治療に新たな選択肢を提供できることを期待しています。

 本件については、米国において、現地時間6月27日に対外発表しています。

*抗体-薬物複合体(ADC:antibody-drug conjugate)技術:がん細胞表面の抗原に結合する抗体に毒素を付け、細胞内で毒素を放出させることで、がん細胞を死滅させる技術。

 

以 上