アステラス製薬株式会社(本社:東京、以下「アステラス製薬」)は、経口アンドロゲン受容体阻害剤であるXTANDI®(一般名:エンザルタミド)について、本日、中国国家薬品監督管理局(National Medical Products Administration:NMPA)の医薬品評価センター(Center for Drug Evaluation:CDE)から、転移性ホルモン感受性前立腺がん(metastatic Hormone-Sensitive Prostate Cancer:mHSPC)の適応追加に関する承認申請(New Drug Application:NDA)を受理した旨の通知を受領しました。

 本申請は、第III相China ARCHES試験の結果に基づいています。本試験では、中国本土のmHSPCの中国人患者180人が登録され、エンザルタミド+アンドロゲン除去療法(ADT)群(エンザルタミド群)、プラセボ+ADT群(プラセボ群)のいずれかに無作為に割り付けられました。この試験では、前立腺特異抗原(Prostate Specific Antigen:PSA)増悪までの時間(Time To PSA Progression:TTPP)において統計学的に有意な改善を示し、主要評価項目を達成しました。なお、PSA値の増悪は最下点(ベースライン後に観察された最低PSA値またはベースライン値)から25%以上かつ絶対値として2 μg/L(2 ng/mL)以上の増加と定義し、PSA値の増加は少なくとも3週間以上の間隔で、連続した2回の測定値によって確認しています。本結果は、同じ対象患者集団で実施した国際第III相ARCHES試験の結果と一致しました1

 本試験では、エンザルタミド群の安全性は、薬剤の既知の安全性プロファイルとほぼ一致していました。

 本試験の詳細な結果については、2023年欧州臨床腫瘍学会European Society for Medical Oncology Cancer Congress:ESMO)で、ポスター発表をする予定です。

 アステラス製薬は、新たな治療選択肢を提供することでアンメットメディカルニーズの高い前立腺がん治療に一層の貢献をしていきます。

 本件によるアステラス製薬の通期(2024年3月期)連結業績への影響は織り込み済みです。

以上

転移性ホルモン感受性前立腺がん(Metastatic Hormone-Sensitive Prostate Cancer:mHSPC)について
中国では、前立腺がんは男性の泌尿器に関連するがんの中で最も一般的です2。また、男性において世界で2番目に多いがんです3。前立腺がんは、前立腺以外の部位(リンパ節、骨、肺、肝臓など)に広がると転移性と見なされます4。テストステロンレベルを下げるための内科的または外科的治療に効果がみられる場合、ホルモン(または去勢)感受性であると見なされます5。ADTによるmHSPCの治療を開始した男性の生存期間の中央値は約3~4年です6

China ARCHES試験について
China ARCHES試験(NCT04076059)は、多施設、二重盲検無作為化、プラセボ対照第III相試験で、中国本土の30カ所で転移性HSPCの中国人被験者180人が登録されました。被験者は、毎日エンザルタミド160 mgまたはプラセボを投与され、さらに黄体形成ホルモン放出ホルモン(LHRH)アゴニストまたはアンタゴニストを継続するか、または両側精巣摘除術の既往がある患者に無作為に割り付けられました。この試験の主要評価項目は、前立腺特異抗原(PSA)が増悪するまでの時間であり、PSAの増悪は最下点(ベースライン後に観察された最低PSA値またはベースライン値)から25%以上かつ絶対値として2 μg/L(2 ng/mL)以上の増加として定義し、少なくとも3週間以上の間隔で、連続した2回の測定値によって確認しています。副次評価項目には、画像診断による無増悪生存期間(rPFS)、最初の症候性骨関連事象(SSE)までの時間、去勢抵抗性までの時間、PSA反応(≧50%)、PSA反応(≧90%)、PSA検出不能率(ベースラインで検出可能なPSA(≧0.2 ng/mL)を有し、かつ試験治療中に検出不能(<0.2 ng/mL)となる患者の割合)、新しい抗腫瘍療法の開始までの時間、客観的奏効率(ORR)などがあります。

XTANDI®(エンザルタミド ソフトカプセル)*について
中国において、エンザルタミドは、転移リスクの高い非転移性去勢抵抗性前立腺がん(nmCRPC)および化学療法歴のないADTが無効の無症状または軽度の症状を有する転移性去勢抵抗性前立腺癌(Chemo-naïve mCRPC)を適応症とするアンドロゲン受容体シグナル阻害薬です7
*アステラス製薬は、日本において「イクスタンジ®錠40mg」「イクスタンジ®錠80mg」を販売していますが、ソフトカプセルは販売していません。

Pfizerとアステラス製薬の提携について
2009年10月、現在はPfizer(NYSE:PFE)の子会社であるMedivation, Inc.とアステラス製薬は、米国でXTANDI®(エンザルタミド)を共同で開発および商業化するための商業契約を締結しました。アステラス製薬は、米国外での商業化と、グローバルでの製造およびすべての追加の規制当局への申請を担っています。

アステラス製薬株式会社について
アステラス製薬は、世界70カ国以上で事業活動を展開している製薬企業です。最先端のバイオロジーやモダリティ/テクノロジーの組み合わせを駆使し、アンメットメディカルニーズの高い疾患に対する革新的な医薬品の創出に取り組んでいます(Focus Areaアプローチ)。さらに、医療用医薬品(Rx)事業で培った強みをベースに、最先端の医療技術と異分野のパートナーの技術を融合した製品やサービス(Rx+®)の創出にも挑戦しています。アステラス製薬は、変化する医療の最先端に立ち、科学の進歩を患者さんの「価値」に変えていきます。アステラス製薬の詳細については、(https://www.astellas.com/jp/)をご覧ください。

注意事項
このプレスリリースに記載されている現在の計画、予想、戦略、想定に関する記述およびその他の過去の事実ではない記述は、アステラス製薬の業績等に関する将来の見通しです。これらの記述は経営陣の現在入手可能な情報に基づく見積りや想定によるものであり、既知および未知のリスクと不確実な要素を含んでいます。さまざまな要因によって、これら将来の見通しは実際の結果と大きく異なる可能性があります。その要因としては、(i)医薬品市場における事業環境の変化および関係法規制の改正、(ii)為替レートの変動、(iii)新製品発売の遅延、(iv)新製品および既存品の販売活動において期待した成果を得られない可能性、(v)競争力のある新薬を継続的に生み出すことができない可能性、(vi)第三者による知的財産の侵害等がありますが、これらに限定されるものではありません。また、このプレスリリースに含まれている医薬品(開発中のものを含む)に関する情報は、宣伝広告、医学的アドバイスを目的としているものではありません。
 

参考文献
1 Chinese guidelines for diagnosis and treatment of prostate cancer 2018. Chin J Cancer Res. 2019 Feb; 31(1): 67–83.
2 Rawla P. Epidemiology of Prostate Cancer. World J Oncol. 2019; 10(2): 63-89.
3 American Society of Clinical Oncology. ASCO Answers: Prostate Cancer (2021). http://www.cancer.net/sites/cancer.net/files/asco_answers_guide_prostate.pdf. Accessed September 19, 2023..
4 Cancer.net. Prostate Cancer: Types of Treatment (09-2020). https://www.cancer.net/cancer-types/prostate-cancer/types-treatment. Accessed September 19, 2023.
5 Mottet N, et al. Updated Guidelines for Metastatic Hormone-sensitive Prostate Cancer: Abiraterone Acetate Combined with Castration Is Another Standard. Eur Urol. 2018;3:316-321.
6 Enzalutamide package insert. China. Astellas Pharma Inc.
7 Armstrong A, et. al. ARCHES: A Randomized, Phase III Study of Androgen Deprivation Therapy With Enzalutamide or Placebo in Men With Metastatic Hormone-Sensitive Prostate Cancer. J Clin Oncol. 2019 Nov 10;37(32):2974-2986.

 

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