アステラス製薬株式会社(本社:東京、社長:野木森 雅郁、以下「アステラス製薬」)は、欧州医薬品審査庁(EMA)において医薬品の科学的評価を担当する医薬品委員会(CHMP)が、抗生物質「ヴィバティブ」(英名:VIBATIV®、一般名:テラバンシン)の「他の治療が不適切であるまたは不適切と思われるMRSA(メチシリン耐性黄色ブドウ球菌)を起因とする、またはその関連が疑われる、人工呼吸器関連肺炎を含む、院内肺炎」の適応症について、5月19日(欧州時間)に販売承認勧告を採択しましたので、お知らせします。

 
   欧州における「ヴィバティブ」については、当社の欧州子会社である、アステラス ファーマ ヨーロッパ Ltd.が2009年10月に販売承認申請を行いました。このたび、CHMPが販売承認を推奨する旨の勧告を採択したことにより、数か月以内に欧州委員会より本剤の正式な製造販売承認を受領し、今期(2012年3月期)中に発売できる見通しです。
 
   「ヴィバティブ」はテラバンス社から導入した、MRSAなどの耐性菌を含むグラム陽性菌に対して細胞壁合成阻害作用と細胞膜機能阻害作用をあわせ持つ新規脂質化グリコペプチド系の抗生物質です。欧州で実施された第III相臨床試験において、人工呼吸器関連肺炎を含む院内肺炎の750人以上の患者に「ヴィバティブ」が投与されました。なお、米国では2009年9月に、カナダでは2009年10月に、共に「成人のグラム陽性菌に起因する複雑性皮膚・軟部組織感染症(cSSSI*)」の適応症で承認されています。
 
   アステラス製薬は、感染症を重点疾患領域の一つと位置付けており、現在キャンディン系抗真菌剤「マイカミン」を全世界で販売しているほか、バシリア ファーマシューティカ社より導入したアゾール系抗真菌剤「イサブコナゾール」(米国/欧州:第III相臨床試験)やオプティマー社より導入した大環状抗菌剤「フィダキソマイシン」(欧州:申請中)などをパイプラインに有しています。今回、グラム陽性菌に対して強力な抗菌力を持つ「ヴィバティブ」を欧州で上市することにより、MRSAなどの耐性菌による重篤な感染症治療に新たな選択肢を提供すると共に、感染症領域において一層の貢献ができるものと期待しています。
 
   本件については、テラバンス社とアステラス ファーマ ヨーロッパLtd.が現地時間5月20日に対外発表しています。
 
*cSSSI:complicated skin and skin structure infectionsの略。
 


以上

メディアからのお問い合わせ
広報
TEL: 03-3244-3201 
受付時間:月曜~木曜日 8:45~17:45、金曜日 8:45~16:00(土日・祝日・会社休日を除く)