アステラス製薬株式会社(本社:東京、社長:野木森 雅郁、以下「アステラス製薬」)はこのたび、当社の創薬研究機能について2009年10月1日付けで以下の通り再編することを決定しましたので、お知らせいたします。

1.バイオイメージング研究所の新設について

 PET(陽電子断層撮影法)、MRI(核磁気共鳴イメージング)、X線CTなどの臨床診断に広く利用されているバイオイメージング技術の活用によって、研究開発プロジェクトをより効率的に推進するとともに、トランスレーショナルサイエンス研究との連携推進ならびに国内外アカデミアとの一層の連携強化を図ることを目的として、開発薬理研究所から画像解析研究室を分離・独立し、10月1日付けでバイオイメージング研究所をつくば研究センター(御幸が丘)に新設します。

 今後、同研究所は様々なバイオイメージング技術を駆使することで、新薬候補化合物の薬物動態学的および薬理学的特性を明らかにし、薬剤の最適投与量の推定や薬効評価などを行なっていきます。また、バイオイメージング技術は、動物での薬理効果をもとにヒトでの効果の予測性を高める各種バイオマーカー探索などの、いわゆるトランスレーショナルサイエンスの有力なツールとして注目を集めていますが、同研究所ではアカデミア等との連携・共同研究を通じて、バイオイメージング技術を用いた薬効評価研究、新薬候補化合物のラベル体合成研究、短寿命のPET造影剤を迅速に自動合成するロボット開発、画像診断プログラム開発、疾患モデル動物開発、バイオイメージング技術を用いた臨床試験の支援などに取り組んでいきます。

2.醗酵研究機能の再編について

 これまでの合成低分子、醗酵天然物、抗体医薬などの技術ベースの創薬アプローチから、これらの技術を有機的に結びつけた多面的なアプローチにより、対象疾患・対象標的に適した創薬研究をより機動的に展開できる体制を構築するため、つくば市東光台地区にあるつくば研究センター(東光台)の醗酵研究機能について、10月1日付けで以下の通り再編します。

(1)   醗酵研究所における創薬研究機能を、その特徴を活かしつつ、より多面的に発展させるため薬理研究所および分子医学研究所へ移管します。また、醗酵天然物ライブラリーの構築や新薬候補化合物のもととなる醗酵天然物の創出等に関わる基盤機能は、技術を深化させ広く創薬研究に活用するため、グループ会社のアステラスリサーチテクノロジー(株)へ移管します。これにともない、醗酵研究所を解消します。
(2)   つくば研究センター(東光台)における醗酵研究を含むすべての創薬研究機能をつくば研究センター(御幸が丘)に集約します。これにともない、2011年中を目処につくば研究センター(御幸が丘)に醗酵研究棟(仮称)を新たに建設する予定です。
 

 アステラス製薬は、合成低分子および醗酵天然物を中心とした創薬研究に加えて、抗体医薬の基盤強化を進めるなど、革新的な新薬創製に向けて創薬研究機能の強化を図っています。こうした取り組みの一環として、2007年10月に、分子医学研究所内に抗体医薬の探索研究を実施するバイオ創薬研究室を設置したほか、同年12月には米国のバイオベンチャーAgensys Inc.を買収しました。また、2008年9月には、つくば研究センター(御幸が丘)に新しい研究棟が完成し、創薬研究機能のつくば地区への集約も進めています。
アステラス製薬では、今後とも新薬創出力の更なる向上を目指し、創薬研究プロセスの効率化とともに、創薬研究の一層のスピードアップと高質化を図ってまいります。

 

以 上

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