アステラス製薬株式会社(本社:東京、社長:野木森 雅郁、以下「アステラス製薬」)は、東京大学大学院医学系研究科寄附講座「ゲノム医学講座」(所在地:東京、特任教授:間野 博行)を、本年9月1日に開設しましたのでお知らせします。

 悪性腫瘍は先進国における成人死因の第一位を占め、毎年世界中で約800万人が同疾患のために亡くなっています。悪性腫瘍による死者数は先進国において未だなお増加しており、現行の抗がん剤による治療効果はほぼ限界に達している状況にあります。

 本寄付講座では、最新のゲノミクス技術を用いて臨床検体を大規模に解析することにより、腫瘍化機構を解明し、新たな治療法の開発を目指します。
具体的には、臨床検体細胞内において発現している遺伝子の機能スクリーニングを行う目的で、多数の腫瘍臨床検体からcDNA*1発現ライブラリーを構築し、「形質転換能*2」あるいは「抗腫瘍剤耐性能」など、様々ながん形質の原因となる遺伝子異常を同定していきます。また、がん臨床検体ゲノムの大規模塩基配列解析も行い、塩基配列異常の面からも腫瘍化メカニズムの解明を行います。

 アステラス製薬は、本寄付講座の開設を通してがん研究のさらなる発展に貢献していきたいと考えています。
 


寄付講座の概要

1.      大学名            :東京大学大学院医学系研究科
2.      講座名            :「ゲノム医学講座」
3.      寄付金額         :総額 1億5千万円
                                 (うち、アステラス製薬は年間1500万円を5年間寄付)
4.      設立期間         :2009年9月~2014年8月
5.      教員名            :特任教授 間野 博行(自治医科大学ゲノム機能研究部教授
                                 と兼任)
                               特任准教授 崔 永林
6.      研究              :腫瘍化メカニズムの解明

 

*1cDNA:相補的DNA。mRNAと相補的な塩基配列をもつ一本鎖DNA。mRNAなどを鋳型として逆転写酵素を用いて合成する。

*2形質転換能:培養細胞がその性質をかえて、腫瘍細胞に類似の性質を備えること。

 

以 上

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