アステラス製薬株式会社(本社:東京、社長:野木森 雅郁、以下「アステラス製薬」)は、当社の欧州子会社であるアステラスファーマ ヨーロッパ Ltd.(本社:英国ステインズ)が、米国のバイオ医薬品会社オプティマー社(英名:Optimer Pharmaceuticals, Inc.、本社:カリフォルニア州サンディエゴ、社長兼最高経営責任者:Pedro Lichtinger)と、同社のクロストリジウム・ディフィシル感染症治療薬である「Fidaxomicin(フィダキソマイシン)」について、欧州、中東、アフリカ、独立国家共同体(CIS)を対象地域とするライセンス契約を締結しましたので、お知らせします。
フィダキソマイシンはオプティマー社によって創製された、新規の作用機序と選択的な抗菌スペクトルを有する経口の大環状抗菌剤です。クロストリジウム・ディフィシル感染症治療を適応症とする二つの第III相臨床試験において、バンコマイシンと同等の臨床治療効果が確認されています。更に、バンコマイシンに対して統計学的に有意に優れた総合治療効果と再発抑制効果も認められました。オプティマー社は欧米で当局への承認申請を完了しています。
今回の契約によりアステラス製薬は、対象地域におけるフィダキソマイシンの独占的販売権を取得します。アステラス製薬はオプティマー社に対して、契約締結時に50百万ユーロの一時金を支払うとともに、開発と売上の達成に応じて最大で115百万ユーロの開発・販売マイルストンを支払います。更に発売後、売上に応じて漸増する二桁台のロイヤリティーを支払います。また、対象地域における今後の開発・製造・商業化に関わる費用は、全てアステラス製薬が負担します。
なお、アステラス製薬の当期(2011年3月期)の業績への影響は軽微です。
アステラス製薬は、キャンディン系注射用抗真菌剤ファンガード/マイカミン、抗生物質ヴィバティブなどの製品のグローバルでの販売を通じ、感染症の克服に貢献してまいりました。当社では、このたびのオプティマー社とのライセンス契約締結により、クロストリジウム・ディフィシル感染症の患者さんに新たな治療選択肢を提供するとともに、感染症領域における事業基盤を更に強化することができるものと考えています。
クロストリジウム・ディフィシル感染症について
クロストリジウム・ディフィシルは、大腸内部に感染し毒素を産生する細菌です。感染・増殖により大腸炎や重篤な下痢を発症し、最悪の場合は死に至ります。腸内細菌が正常に発育している環境ではクロストリジウム・ディフィシルが感染しても増殖は抑制されています。しかし、他疾患の治療のために抗菌スペクトルの広い抗菌剤を服用すると腸内細菌叢が損なわれ、クロストリジウム・ディフィシルが異常増殖するという典型的なケースがあります。クロストリジウム・ディフィシル感染症は有効な治療法が限られ、再発率も高いことから、大きなアンメット・メディカルニーズがあると考えられています。
オプティマー社について
名称: Optimer Pharmaceuticals, Inc.
設立: 1998年
社長兼最高経営責任者: Pedro Lichtinger
事業内容: 医薬品の研究開発
資本金: 約3.9万ドル(2010年9月30日現在)
当社との関係: 資本関係 該当事項はありません。
人的関係 該当事項はありません。
取引関係 該当事項はありません。
関連当事者への該当状況 該当事項はありません。
本件については、現地時間2月7日に欧州・米国において対外発表されています。
以上