-第26回欧州泌尿器科学会年次総会で欧・豪・米での第III相臨床試験の結果を発表
-尿失禁や頻尿など過活動膀胱(OAB)に伴う主症状を顕著に改善

  アステラス製薬株式会社(本社:東京都、社長:野木森雅郁、以下「アステラス製薬」)は、現在開発中の選択的β3アドレナリン受容体作動薬ミラベグロン(英語一般名:mirabegron、開発コードYM178)の欧・豪・米で実施した2つの第III相臨床試験の結果を、オーストリアのウィーンにて開催された第26回欧州泌尿器科学会(European Association of Urology、以下「EAU」)年次総会において欧州時間2011年3月21日に口演発表しましたのでお知らせします。

  ミラベグロンは尿失禁や頻尿などの過活動膀胱(OAB*)の主症状を顕著に改善することが確認されました。

 この試験では、ミラベグロンを1日1回12週間投与した際の24時間あたりの平均尿失禁回数及び平均排尿回数におけるベースラインからの変化量を主要評価項目として設定し、いずれの平均変化量においてもプラセボと比較して有意な改善が認められました(p<0.05)。また、4週間投与時点での24時間あたり尿失禁回数及び排尿回数の平均変化量、最終観察時点での平均排尿量といった副次評価項目においても有意な改善が認められました(プラセボとの比較でp<0.05)。
  なお、両試験において、ミラベグロンは有害事象の発現率はが少なく、良好な忍容性を示しました。

  欧州、オーストラリアでの第III相臨床試験の治験責任医師を務めたSt. Mary’s Hospital Londonの Mr. Vik Khullarは、次のように述べています。 「今回の試験結果は大変興味深いものです。ミラベグロンが承認されれば、抗コリン剤を中心としたOAB治療現場に、全く新規な作用機序(β3アドレナリン受容体作動)を有する経口OAB治療薬が登場することなります。抗ムスカリン薬と違い、ミラベグロンは膀胱の弛緩を促進することで蓄尿機能を改善する作用があると考えられます。今回の2つの試験の結果から、ミラベグロンは、尿失禁や頻尿などのOABの症状に苦しむ患者さんに対して効果的な新規治療オプションと成りえます。」

  また、米国での第III相臨床試験の治験責任医師を務めたNYU Langone Medical CenterのDr. Victor Nitti は「β3受容体を介してOAB症状を改善するミラベグロンが新たな治療選択肢に加わることは、現存のOAB治療薬で有効性や忍容性の面で問題を抱えている患者さんにとって大変良いニュースになるでしょう。」と述べました。

  今回欧・豪・米の第III相臨床試験のいずれの結果も、ミラベグロンが尿失禁や頻尿を始めとしたOABの幅広い症状を顕著に改善すことを証明しました。
  ミラベグロンはアステラス製薬により創製された1日1回経口投与の選択的β3アドレナリン受容体作動薬です。同剤は、膀胱平滑筋に存在するβ3アドレナリン受容体を刺激することで、膀胱の弛緩を促進し、膀胱容量や蓄尿機能を改善しOAB症状を改善させます。

  また、同社が販売している過活動膀胱治療剤Vesicare®(一般名:コハク酸ソリフェナシン、日本での製品名:ベシケア®錠)は、現在60以上の国と地域で広く使用されています。今後、作用機序の異なるミラベグロンが加わることで、泌尿器領域のポートフォリオが更に強化されます。

  ミラベグロンは日本において2010年6月に承認申請しており、欧米においては2011年度第2四半期(2011年7月~9月)の申請を予定しています。

*OAB=Overactive Bladderの略。 尿意切迫感を必須症状とし、頻尿、夜間頻尿、切迫性尿失禁などの症状を伴う機能障害です。これらの症状は患者さんの日常生活に大きな支障をきたし、煩わしさや精神的苦痛を与えるなど、QOLを低下させる要因となっています。 
 

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