アステラス製薬株式会社(本社:東京、社長:畑中 好彦、以下「アステラス製薬」)は、当社の欧州子会社であるアステラス ファーマ ヨーロッパ Ltd.(以下、「アステラス ファーマ ヨーロッパ」)が、「ディフィクリア錠」(製品名、英名:DIFICLIRTM、一般名:fidaxomicin(フィダキソマイシン))に関し、12月5日(現地時間)に成人を対象としたクロストリジウム・ディフィシル感染症治療の適応症について、欧州委員会より販売承認を取得しましたのでお知らせします。

   「ディフィクリア錠」は、アステラスファーマ ヨーロッパが、欧州、中東、アフリカ、独立国家共同体(CIS)の地域における独占販売権を、2011年2月に米国オプティマー社(英名:Optimer Pharmaceuticals, Inc.)より取得しました。なお、欧州における承認申請については、オプティマー社が2010年7月に行いました。また米国においては、2011年5月に米国食品医薬品局(FDA)が、18歳以上の成人を対象としたクロストリジウム・ディフィシル関連下痢症の適応症で承認しました。

 「ディフィクリア錠」はオプティマー社によって創製された、新規の作用機序と選択的な抗菌スペクトルを有する経口の大環状抗菌剤です。クロストリジウム・ディフィシル感染症患者を対象とした二つの第III相臨床試験(フィダキソマイシン400mg/日とバンコマイシン500mg/日の比較試験、投与期間10日間)において、バンコマイシンと同等の臨床治療効果が確認されました。更に、バンコマイシンと比較して有意に優る「投与終了後4週以内の再発抑制効果」も認められています。また、正常腸内細菌叢に対するフィダキソマイシンの悪影響は僅かで、全身性の有害事象も殆ど見られませんでした。

 アステラス製薬は、キャンディン系注射用抗真菌剤「ファンガード/マイカミン」、抗生物質「ヴィバティブ」などの販売を通じ、感染症の克服に貢献してまいりました。当社では本剤の承認取得により、クロストリジウム・ディフィシル感染症の患者さんに新たな治療選択肢を提供するとともに、感染症領域における事業基盤を更に強化できるものと考えています。

クロストリジウム・ディフィシル感染症について
クロストリジウム・ディフィシルは、大腸内部に感染し毒素を産生する細菌です。感染・増殖により大腸炎や重篤な下痢を発症し、最悪の場合は死に至ります。腸内細菌が正常に発育している環境ではクロストリジウム・ディフィシルが感染しても増殖は抑制されています。しかし、他疾患の治療のために抗菌スペクトルの広い抗生物質を服用すると腸内細菌叢が損なわれ、クロストリジウム・ディフィシルが異常増殖するというケースが典型的です。クロストリジウム・ディフィシル感染症は有効な治療法が限られ、再発率も高いことから、大きなアンメット・メディカルニーズがあると考えられています。

 

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