チボザニブ 第 III 相臨床試験(TIVO-1)で示された安全性プロファイルに基づき試験デザインを設定

   アステラス製薬株式会社(本社:東京、社長:畑中 好彦、以下「アステラス製薬」)は、米国の医薬品会社アヴェオ社(英名:AVEO Oncology、本社:米国マサチューセッツ州)と共同で開発を進めている、経口トリプル血管内皮細胞増殖因子(VEGF)受容体阻害剤チボザニブ(一般名、英語名称:tivozanib、開発コード:ASP4130)について、進行性腎細胞がんの患者さんにファーストライン治療薬として使用した際の追加データを取得するため、新たな臨床試験TAURUS (TivozAnib Use veRsUs Sutent in advanced renal cell carcinoma (RCC): Patient Preference(進行性腎細胞がん患者さんに対するチボザニブ使用:患者選好))を開始することをお知らせします。TAURUS試験は米国と西欧州で、患者さんの組み入れが実施される予定です。

    がん患者さんにとって治療法が増えるに従い、副作用やその他の関連事項がどのように患者の治療薬選好に影響を与えるのかを理解することは非常に重要になってきています。チボザニブ 第 III 相臨床試験(TIVO-1)での良好な結果に続いて、TAURUS試験はチボザニブの忍容性プロファイルをより明確にし、現在の標準治療薬と比較した際にチボザニブが進行性腎臓がん患者さんに対するファーストライン治療薬としての役割を担うことを理解する手助けとなると考えています。

   特に、転移性腎臓がんの治療を受けている多くの患者さんは、仕事に就いている活動的な中年層です。そのため副作用の影響は非常に重要な問題となっており、患者さんや医療提供者は、現在選択可能な治療法よりも、より効果的で忍容性が高い抗がん剤を求めています。TAURUS試験により、薬剤の副作用プロファイルがどのように患者さんの治療法の選択に影響を及ぼすか、更に深く理解することが可能になります。

   TAURUS試験は、患者さんが腎臓がんの治療法を選択する際の選好度を十分に理解するために大いに役立ち、がん領域におけるリーダーを目指すアステラス製薬にとって、がん患者さんの治療法を改善するという我々の取り組みの助けとなると考えています。

   TAURUSは、これまで全身性の薬剤投与を受けていない進行性腎細胞がん患者さん約160名を対象に、チボザニブとスニチニブを比較する無作為 (1:1)抽出、二重盲検、クロスオーバー、多施設第II相試験です。TAURUS試験の主要目的は、チボザニブとスニチニブをそれぞれ順番に投与された患者さんの選好度を比較することであり、二次目的は、治療により発現したグレード3/4に相当する有害事象や重篤有害事象、投与変更の回数、患者さんのクオリティ・オブ・ライフについてチボザニブとスニチニブの比較評価をすることです。

  治験薬のチボザニブは、ピボタル第Ⅲ相臨床試験(TIVO-1)を終えており、進行性腎細胞がんのファーストライン治療薬であるソラフェニブに対し、無憎悪生存期間延長と良好な忍容性を示しています。

本件については、米国において、現地時間2012年6月4日に対外発表しています。

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