アステラス製薬株式会社(本社:東京、社長:畑中 好彦、以下「アステラス製薬」)は、当社の欧州子会社であるアステラス ファーマ ヨーロッパ Ltd.(以下、「アステラス ファーマ ヨーロッパ」)が、「ディフィクリア錠」(製品名、英名:DIFICLIRTM、一般名:fidaxomicin(フィダキソマイシン))に関し、欧州で販売を開始しましたので、お知らせします。

  「ディフィクリア錠」は、アステラスファーマ ヨーロッパが、欧州、中東、アフリカ、独立国家共同体(CIS)の地域における独占販売権を、2011年2月に米国オプティマー社(英名:Optimer Pharmaceuticals, Inc.)より取得しました。2011年12月に、成人を対象としたクロストリジウム・ディフィシル感染症治療の適応症について、欧州委員会より承認を取得しています。クロストリジウム・ディフィシル感染症はクロストリジウム・ディフィシル関連下痢症(CDAD)としても知られています。

  「ディフィクリア錠」はオプティマー社によって創製された、選択的な抗菌スペクトルを有する経口の大環状抗菌剤です。欧米で実施した臨床試験において、治療効果ではバンコマイシンに対する非劣性(主要評価項目)が確認されました。更に、バンコマイシンと比較して有意な再発抑制効果も認められています(副次評価項目、ディフィクリア群の再発率13.0%に対してバンコマイシン群は24.6%、p=0.0001)。既存の治療法では、25%の患者さんで初回治療から30日以内に再発するとされており、欧州臨床微生物学・感染症学会(ESCMID)は、再発を、クロストリジウム・ディフィシル感染症治療における最も深刻な問題と定めています。

  今回の欧州発売に伴い、アステラス製薬はマイルストンとして50百万ユーロをオプティマー社に支払いますが、その影響は、当期(2013年3月期)業績予想に織り込んでいます。

  アステラス製薬は、本剤の新発売により、クロストリジウム・ディフィシル感染症の患者さんに新たな治療選択肢を提供するとともに、感染症領域における事業基盤を更に強化できるものと考えています。

クロストリジウム・ディフィシル感染症について
  クロストリジウム・ディフィシルは、大腸内部に感染し毒素を産生する細菌です。感染・増殖により大腸炎や重篤な下痢を発症し、最悪の場合は死に至ります。腸内細菌が正常に発育している環境ではクロストリジウム・ディフィシルが感染しても増殖は抑制されています。しかし、他疾患の治療のために抗菌スペクトルの広い抗生物質を服用すると腸内細菌叢が損なわれ、クロストリジウム・ディフィシルが異常増殖するというケースが典型的です。クロストリジウム・ディフィシル感染症は有効な治療法が限られ、再発率も高いことから、大きなアンメット・メディカルニーズがあると考えられています。

 

以 上

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