アステラス製薬株式会社(本社:東京、社長:畑中 好彦、以下「アステラス製薬」)は、ミラべトリック(英名:MyrbetriqTM、一般名:ミラベグロン、開発コード:YM178)に関して、過活動膀胱(OAB)における尿意切迫感、頻尿及び切迫性尿失禁の効能・効果で、米国食品医薬品局(FDA)から承認を取得しましたので、お知らせします。

  ミラべトリックは、アステラス製薬が創製・開発した選択的β3アドレナリン受容体作動薬です。用法・用量は、1日1回25 mg経口投与(食前または食後)が開始用量として推奨され、50mgまで増量が可能です。
  ミラべトリックは3つのプラセボ対照第III相試験における安全性と有効性のデータに基づいて承認されました。これらの試験において、ミラべトリック25 mg及び50 mgの投与による、統計学的に有意な24時間あたりの平均尿失禁回数と平均排尿回数の減少が認められました。
- ミラべトリック25 mg(12週投与):平均尿失禁回数はベースラインの2.65回から1.36回減少し、プラセボに対する統計学的に有意な減少回数の差(0.40回)を示しました。平均排尿回数はベースラインの11.68回から1.65回減少し、プラセボに対する統計学的に有意な減少回数の差(0.47回)を示しました。
- ミラべトリック50 mg(12週投与):平均尿失禁回数はベースラインの2.71回から1.49回減少し、プラセボに対する統計学的に有意な減少回数の差(0.40回)を示しました。平均排尿回数はベースラインの11.70回から1.75回減少し、プラセボに対する統計学的に有意な減少回数の差(0.55回)を示しました。
- 3つのプラセボ対照第III相試験および長期投与試験において、2,700名以上の患者を対象に、ミラべトリックの安全性は評価されています。主な副作用(発現頻度がプラセボ群に比べて2%より多い)は、血圧上昇、鼻咽頭炎、尿路感染症、頭痛でした。

  ミラべトリックは、現在の標準治療薬である抗コリン剤とは全く異なる機序で作用します。抗コリン剤は、膀胱にあるムスカリン受容体に結合し、不随意性膀胱収縮を抑制することによって作用します。一方、ミラべトリックは、膀胱平滑筋のβ3受容体を刺激し、排尿サイクルの蓄尿期において膀胱平滑筋を弛緩させることによって作用します。これによって、蓄尿量を増やし、OAB症状を改善することができます。

  ミラべトリックには25 mg錠および50 mg錠があり、2012年度第3四半期に発売する予定です。これに伴う、アステラス製薬の当期(2013年3月期)業績予想の修正はありません。

  アステラス製薬は、ミラべトリックについて2011年8月24日に欧州医薬品庁(EMA)、2011年8月26日にFDAに、それぞれ販売許可を申請しました。また、日本においてはベタニス®錠の製品名で2011年9月に発売しています。

  アステラス製薬は、今回の承認取得により、新たな治療選択肢を提供することで、OAB治療に貢献できるものと考えています。

  本件については、米国において、現地時間6月28日に対外発表しています。

 

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