アステラス製薬株式会社(本社:東京、社長:畑中 好彦、以下「アステラス製薬」)は、米国のリーバー脳発達研究所(正式名:The Lieber Institute for Brain Development(通称:LIBD)、所在地:米国メリーランド州、CEO: Daniel R. Weinberger)が製薬企業各社とともに精神・神経疾患の新たな治療薬創製を目指して設立するコンソーシアムに参画しますのでお知らせいたします。この領域において、これほどの規模で解析を行うコンソーシアムの設立は世界初の取り組みです。本コンソーシアムへの参画企業は、アステラス製薬、イーライリリー、ファイザー、ロシュ、ランドベックの5社です。

*リーバー脳発達研究所発表プレスリリース(英文)はこちらのURLをご参照ください。

コンソーシアム設立目的:

リーバー脳発達研究所は、胎児期から老齢に亘るヒト生涯を網羅する試料や脳疾患患者由来脳試料を含む、1,300を超える世界でも有数の大規模かつ高質なヒト脳試料を保有しています。この試料を用いて、ヒト脳におけるRNA、ゲノムDNA、エピジェネティクスを解析する初期探索研究に取り組み、遺伝子と環境によってどのように脳が形成されるかを明らかにします。本コンソーシアムに参画するアステラス製薬を含む製薬各社は、これらの基礎研究成果を精神・神経疾患の患者さんに新しい治療薬として提供できるよう取り組んでいきます。

アステラス製薬の精神・神経領域研究とのシナジーについて:

精神疾患では、複数の脳部位が疾患に関係していることが示唆されています。本コンソーシアムで実施する広範な脳部位に対する解析は、現在、アステラス製薬の米国のARIA研究所(正式名称:Astellas Research Institute of America LLC、本社:イリノイ州)で行っている解析を補完する役割を持つことになると期待しています。

なお、アステラス製薬とリーバー脳発達研究所は、遺伝子改変モデルマウスと統合失調症/双極性障害患者の脳における遺伝子発現の比較解析を通じて、精神・神経疾患領域における画期的な新薬の創製を目指す共同研究に2012年より取り組んでいます。この共同研究はARIA研究所を中心に進められています。

リーバー脳発達研究所とは:

リーバー脳発達研究所は、米国の非営利公益法人であり、The Johns Hopkins University School of Medicineと連携している医学研究施設です。同研究所のミッションは、統合失調症および関連する脳疾患の遺伝学的また分子メカニズムの発見を、臨床段階へ繋げていくことにあります。同研究所のDaniel R. Weinberger博士は、本コンソーシアム設立への期待を以下のように述べています。「本コンソーシアムは、精神・神経疾患に苦しむ患者さんのための新たな治療方法の発見を促進する取り組みであり、脳の発達や機能形成に関与する遺伝子の役割を解明する研究は様々な同疾患に対する創薬研究を促し広げていく可能性を秘めています。多様なセクターにある研究者が一丸となって、困難かつ野心的な目標を効率的に達成するために協働できる新しい研究の枠組みとなります。」

アステラス製薬は、本コンソーシアムの成果を活かしながら、新規創薬標的の同定とトランスレーション研究を推進し、精神・神経疾患領域での革新的な創薬を目指します。

以上

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