味の素株式会社(本社:東京都、社長:山口 範雄)とアステラス製薬株式会社(本社:東京都、社長:野木森 雅郁)は、このたび、共同で開発を進めていた速効型食後血糖降下剤「ファスティック®錠/スターシス®錠」(一般名:ナテグリニド(*1))のチアゾリジン系薬剤(*2)との併用療法について12月22日に効能追加の承認を取得いたしましたのでお知らせいたします。

ナテグリニドはアミノ酸誘導体からなる速効・短時間型のインスリン分泌促進作用を特長とする経口血糖降下剤です。1999年8月の発売以来、『2型(インスリン非依存型)糖尿病における食後血糖推移の改善』を効能効果として、単剤あるいはα-グルコシダーゼ阻害剤、ビグアナイド系薬剤との併用で糖尿病治療に供されてまいりました。このたび、チアゾリジン系薬剤との併用療法に関する日本人での臨床試験を実施し、効能追加の承認を取得いたしました。

ナテグリニドは現在、日本国内において、味の素㈱により第一三共株式会社(本社:東京都)を通じて「ファスティック®錠30、同90」の製品名にて、アステラス製薬㈱により「スターシス®錠30mg、同90mg」の製品名にて販売しています。

今般承認された、食後血糖値を抑えるナテグリニドと、インスリン抵抗性を改善する効果のあるチアゾリジン系薬剤との併用療法は、米国においても有効性・安全性が認められ既に多くの2型糖尿病患者様に使用されておりますが、今回の承認取得により日本の2型糖尿病患者様にも同様の新しい有用な治療法を提供できるものと考えております(*3)。

以上

(*1) ナテグリニドは、海外(韓国を除く)においてはノバルティスファーマAG(本社:スイス、バーゼル)に、韓国においては日東製薬株式会社(本社:韓国、ソウル)に味の素㈱からライセンスされ、世界78の国と地域で糖尿病治療剤として承認・販売されています。

(*2) チアゾリジン系薬剤は、インスリン作用の増強により、主に末梢組織(骨格筋・脂肪)への糖取り込みを促進するとともに、肝での糖新生も抑制することにより血糖を低下させる経口血糖降下剤です。本邦では、ピオグリタゾン塩酸塩が販売されています。

(*3) ナテグリニドとチアゾリジン系薬剤のように、作用機序・作用特性の異なる血糖降下剤の併用療法は有効と考えられています。米国において両剤の併用療法は既に承認され広く行われていますが、これまで日本人での臨床試験成績はありませんでした。

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