アステラス製薬株式会社(本社:東京、社長:畑中 好彦、以下「アステラス製薬」)は、スイス バシリア社と共同で開発を進めているアゾール系抗真菌剤 イサブコナゾール(一般名)について、侵襲性アスペルギルス症を対象とした第III相SECURE試験において、良好な結果が得られましたので、お知らせします。

  SECURE試験は無作為化二重盲検試験です。アスペルギルス又は他の糸状真菌による侵襲性の真菌感染症に対する一次治療として、ボリコナゾールに対する統計的な非劣性を検証することが試験の目的ですが、包括解析対象の516例において、イサブコナゾールは投与42日目までの総死亡率の主要評価項目を達成しました(イサブコナゾール群:18.6%に対し、ボリコナゾール群:20.2%)。両群の95%信頼区間の差は、事前に規定された非劣性の基準である10%の範囲内でした。

  また、主な副次評価項目である投与終了後の総合的な有効率(臨床上、菌学上、放射線学上)は、イサブコナゾール群(35.0%)とボリコナゾール群(36.4%)で同等でした。この結果は、独立データ評価委員会による盲検下での解析に基づいています。
  有害事象の発現率は、イサブコナゾール群で96.1%、ボリコナゾール群で98.5%でした。最も多く見られた有害事象は、吐き気、嘔吐、発熱、下痢、低カリウム血症で、これらの発現率は両群で同等でした。また、薬剤に関連した有害事象の発現率は、イサブコナゾール群で42.4%、ボリコナゾール群で59.8%でした。

  尚、イサブコナゾールについては、腎障害を有する侵襲性アスペルギルス症患者及びムコール菌やその他の新たな真菌による侵襲性の真菌感染症患者を対象とするオープン試験であるVITAL試験において、患者組み入れが既に完了しています(例数:150)。治験統括医師からの報告によると、ムコール菌症患者が約45例、腎障害を有する患者がほぼ同数、組み入れられています。独立データ評価委員会による診断と結果に関する評価は継続中です。
  侵襲性カンジダ血症を対象に、①イサブコナゾール(注射剤及び経口剤)の投与と②カスポファンギン(注射剤)の投与後、ボリコナゾール(経口剤)の投与を比較する第III相ACTIVE試験に関しては、患者の組み入れを継続しています。

 

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