2025.05.15

膀胱がんの早期診断の鍵を解明する

膀胱がんの早期診断の鍵を解明する

膀胱がんは、発見が遅れると致命的な結果を招くことがありますが、症状に対する認識は依然として低いままです1。 ステージ3で診断された場合の5年生存率はわずか40%である2にもかかわらず、多くの人が症状を感じても助けを求めるのが遅くなりがちです。この早期診断の遅れ、すなわち「症状を感じてから診断を受けるまでのギャップ」の程度は、まだ明らかになっていません。 

この状況を改善するために、アステラスは、世界膀胱がん患者連合(WBCPC)や行動科学者と協力し、早期発見が遅れてしまう理由を解明しようとしています。私たちは、文化的、感情的、社会的な障壁を理解することで、この見過ごされがちな病気に罹患した人々の早期診断を促進し、症状改善を目指しています。

 

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課題の規模を理解する

現在、私たちは患者さんの診断と治療に関する体験に焦点を当てた研究を行っています。しかし、症状を感じてから診断を受けるまでの行動の速さに影響を与える要因は、まだ十分に理解されていません。

患者さんが症状を感じてから診断を受けるまでの経験を詳しく知ることで、早期診断とその後のより良い結果を支援するための手がかりを見つけることができるかもしれません。行動科学者チームと協力し、さらなる研究を進めるために、以下の4つの研究分野を設定しました。

  • 症状の帰属(原因の特定)と正常化:尿路症状が正常と見なされたり、他の原因(ストレス、既往症、尿路感染症、月経、加齢など)と誤解されたりすること
  • 心理的要因:恐怖、恥ずかしさ、否認など、医療ケアを求める行動を妨げる可能性のある感情的および心理的な要因
  • 社会的態度、性別、文化的規範:医療システムに対する期待や信頼、医療ケアを求める際の快適さ
  • ヘルスリテラシー:症状を理解し、健康上の問題や利用可能な医療ケアのオプションについての理解

 


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次のステップ

アステラスは、WBCPCおよび社外の行動科学者チームと提携し、早期診断の鍵を解明することに努めています。私たちは、行動科学を活用した研究を推進し、行動を促す要因や遅延の要因を明らかにし、人々が必要な医療ケアをより迅速に受けられるようにするための新しい方法を模索しています。

米国、フランス、イタリア、ドイツで行っている当社初の研究は、膀胱がんの症状を感じてから早期診断や治療に至るまでの大きなギャップを埋めることを目的としています。私たちは、健康上のリスクを抱える人々とより深く関わり、早期に行動を起こすことを促進しています。



REFERENCES:

1. Zhang Y, Rumgay H, Li M, Yu H, Pan H, Ni J. The global landscape of bladder cancer incidence and mortality in 2020 and projections to 2040. J Glob Health. 2023 Sep 15;13:04109. Available at: https://pmc.ncbi.nlm.nih.gov/articles/PMC10502766/. Accessed May 2025. 
2. Cancer Research UK. Survival for bladder cancer. Available at: https://www.cancerresearchuk.org/about-cancer/bladder-cancer/survival. Accessed May 2025.
 



 

 

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