アステラス製薬株式会社(本社:東京、以下「アステラス製薬」)は、このたびフィダキソマ イシン(一般名)について、感染性腸炎(偽膜性大腸炎* 1 を含む)(適応菌種:本剤に感性の クロストリジウム・ディフィシル* 2)の適応症で、日本において製造販売承認申請を行いまし たので、お知らせします。

フィダキソマイシンは、米国の Merck & Co., Inc.(以下、「Merck 社」)より導入した新規 の作用機序と選択的な抗菌スペクトルを有する経口の大環状抗菌剤* 3 です。米国ではクロ ストリジウム・ディフィシル(以下、「CD」)関連下痢症、欧州では CD 感染症治療薬として既 に販売されています。日本では、Merck 社との独占的開発・販売契約に基づきアステラス 製薬が開発を進めてきました。また、当社の子会社であるアステラス ファーマ ヨーロッパ Ltd.が欧州、中東、アフリカ、独立国家共同体(CIS)* 4 の地域における独占的販売権を取 得しています。

CD は、大腸内部に感染し毒素を産生する細菌で院内感染や抗菌薬関連腸炎の起因菌 として世界的に問題となっています。感染・増殖により大腸炎や重篤な下痢を発症し、最悪 の場合は死に至ります。国内で既に承認されている CD による感染性腸炎治療薬において 再発など治療に難渋する例が報告されていることから、新たな治療選択肢が求められてい ます。フィダキソマイシンは、CD に対して強い抗菌活性を持つほか、狭域抗菌スペクトラム のため、他の腸内細菌のバランスを攪乱する作用が弱く、芽胞形成* 5 を阻害するなどの作 用を持ちます。

アステラス製薬は、CD による感染性腸炎治療の新たな選択肢としてフィダキソマイシン を提供することで、本邦における治療の発展に貢献できることを期待しています。

なお、今回の製造販売承認申請に伴う当期(2018 年 3 月期)業績への影響はありませ ん。

以上

*1
偽膜性大腸炎:健康な人の大腸内には、様々な細菌がバランスを保って生息し、健康維持に役立っています が、抗生物質の服用により、正常な腸内細菌のバランスが崩れある種の菌が異常に増え、大腸に炎症を起 こすことがあります。偽膜性大腸炎とは、大腸の壁に小さい円形の膜(偽膜)が見られる病態で、そのほとん どが CD によるものといわれています。
 
*2
クロストリジウム・ディフィシル:クロストリジウム・ディフィシルは、大腸内部に感染し毒素を産生する細菌で す。感染・増殖により大腸炎や重篤な下痢を発症し、最悪の場合は死に至ります。腸内細菌が正常に発育 している環境ではクロストリジウム・ディフィシルが感染しても増殖は抑制されています。しかし、他疾患の治 療のために抗菌スペクトルの広い抗菌剤を服用すると腸内細菌のバランスが崩れ、クロストリジウム・ディ フィシルが異常増殖することがあります。クロストリジウム・ディフィシル感染症は有効な治療法が限られ、再 発率も高いことから、大きなアンメットメディカルニーズがあると考えられています。
 
*3
大環状抗菌剤:抗菌剤(抗生物質)を化学構造により分類したカテゴリーの一つ。
 
*4
独立国家共同体(Commonwealth of Independent States: CIS):ソビエト社会主義共和国連邦を構成し ていた 11 共和国からなる主権国家の自由連合体
 
*5
芽胞形成:一部の菌では生活環境が悪くなると、芽胞形成を行い生きながらえようとします。熱、乾燥及び消 毒薬に対する強い抵抗性を持つことで環境中に長く生息します。病院においても医療従事者の手指や医療 器具などを介して伝播し、病院感染を引き起こす場合もあります。

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