アステラス・アムジェン・バイオファーマ株式会社(本社:東京、代表取締役社長:スティーブ スギノ、以下「アステラス・アムジェン・バイオファーマ」)とアステラス製薬株式会社(本社:東京、代表取締役社長:畑中 好彦、以下「アステラス製薬」)は、アステラス・アムジェン・バイオファーマが CD19 と CD3 に二重特異性を有する T 細胞誘導(BiTE®)抗体製剤ブリナツモマブ(遺伝子組換え)(一般名、開発コード:AMG 103、以下「ブリナツモマブ」)について、日本で、再発又は難治性の B 細胞性急性リンパ性白血病(ALL)の治療薬として製造販売承認申請を行いましたのでお知らせいたします。ブリナツモマブは、日本ではアステラス・アムジェン・バイオファーマとアステラス製薬が共同開発を行っています。

日本における ALL の患者数は約 5,000 人と報告されており 1、このうち、再発又は難治性のALL 患者は年間あたり約 670 人と推定されています 2 3 4。成人及び小児の再発又は難治性のALL 患者に対する治療選択肢は限られており、同様の作用機序を持ついくつかの薬剤に依存する上、その有効性は限定的です。従って、再発又は難治性の ALL 患者の転帰を向上させるためには、ブリナツモマブのような単剤で有効性を示し、他の細胞傷害性治療薬とは異なる作用機序を持つ薬剤の開発が求められています。

日本での製造販売承認申請は、海外第III相ランダム化試験(TOWER試験)を含む複数の海外試験及び国内第 Ib/II相試験結果に基づき行いました。ブリナツモマブはTOWER試験で、成人の再発又は難治性の ALL 患者において、標準化学療法に対する全生存期間の延長が検証されており、重篤な疾病である ALL におけるアンメット・メディカル・ニーズに対応し得るものと考えています。

なお、ブリナツモマブは、2017 年 9 月 29 日付で厚生労働省より希少疾病用医薬品の指定を受けています。

ブリナツモマブについて
ブリナツモマブはCD19とCD3に二重特異性を有するT細胞誘導(BiTE®)抗体であり、特にB細胞系の細胞表面に発現するCD19及びT細胞表面に発現するCD3と結合します。本剤は、米国ではFDAより画期的治療薬及び優先審査の指定を受け、成人及び小児の再発又は難治性のB前駆細胞性ALLの治療薬として承認されています。欧州連合(EU)では、2015年11月に成人の再発又は難治性のフィラデルフィア染色体陰性(Ph-)B前駆細胞性ALLの治療薬として条件付き承認を取得しています。また、アムジェン社が世界各国でブリナツモマブの承認申請を進めています。

TOWER試験について
TOWER試験は、405例の再発又は難治性のPh- B前駆細胞性成人ALL患者を対象にブリナツモマブと標準化学療法の有効性を検討した第III相ランダム化試験です。本試験では、数回の再発を経験している患者など治療が困難な患者集団が登録されました。ブリナツモマブ投与群では、同種造血幹細胞移植(alloHSCT)実施後の再発患者が35%含まれ、初回寛解持続期間が12カ月以上の初回再発患者は除外されました。患者は2:1の割合で、ブリナツモマブ(271例)、又は4種類の標準化学療法レジメンから治験責任医師が選択したいずれかひとつのレジメン(134例)にランダムに割り付けられました。主要評価項目は全生存期間でした。本試験は、事前に規定した中間解析においてブリナツモマブ投与群の全生存期間が標準化学療法群を上回ったことから、データモニタリング委員会の提言に基づき早期中止されました。この結果はNew England Journal of Medicine5で公表されています。

BiTE®技術について
BiTE®抗体は、生体に備わっている免疫システムががん細胞を察知して標的とするのを助けることによって抗がん作用を発揮します。この抗体は、T 細胞とがん細胞が架橋するように設計された修飾抗体であり、患者自身の免疫システムを用いてがんを攻撃します。BiTE®抗体は T 細胞を標的細胞の近くに誘導し、T 細胞を介した殺作用によりがん細胞を死(アポトーシス)に導くことを目指しています。さまざまながんの治療薬としての BiTE®抗体の可能性について現在研究が進められています。詳細は、www.biteantibodies.com をご覧ください。

オンコロジー領域に対するアムジェン社のコミットメントについて
アムジェン社のオンコロジー領域は、薬剤の効果が得られない患者さん、急速に全身に進行する患者さん、及び治療選択肢が限られている患者さんなど、最も困難ながんと闘う患者さんのために尽力いたします。アムジェン社の支持療法は、強力な化学療法に伴う特定の副作用と闘う患者さんを助け、当社の分子標的薬と免疫療法は、血液がんから固形がんに至るまで、十数種類の異なる悪性腫瘍を対象としています。アムジェン社は、数十年にわたってがん患者さんに治療を提供してきた実績があり、今後も革新的がん治療薬及びバイオシミラーがん治療薬のポートフォリオを発展させてまいります。

アステラス・アムジェン・バイオファーマについて
アステラス・アムジェン・バイオファーマ株式会社(http://www.aabp.co.jp/jp/)は、世界最大の独立バイオテクノロジー企業のひとつであるアムジェン社と、研究開発型グローバル企業であるアステラス製薬による合弁会社であり、ブレークスルー・サイエンスに基づく医薬品を提供し、日本の患者さんのアンメット・メディカル・ニーズに応えるために 2013 年 10 月に業務を開始しました。アステラス・アムジェン・バイオファーマの従業員数は現在 400 名を超え、2013 年の創業より本日までに製造販売業者として十分な機能を備える総合的な製薬企業へと成長しました。来る 2020 年にはアムジェン社の完全子会社となる予定です。

アムジェン社について
アムジェン社は、重篤な疾患に苦しむ患者のために、生物学的に革新的な治療を探索・開発・製造・提供する可能性を切り開いていきます。このアプローチは、疾患の複雑性の解明と人体の生物学上の基本を理解するために、先進的なヒト遺伝学などの手法を活用することから始まります。

アムジェン社はアンメット・メディカル・ニーズが大きい領域に焦点を絞り、生物製剤の製造に関する専門知識を活用して医療効果の向上と人々の生活に画期的な改善をもたらすソリューションを追求しています。1980 年に創業したバイオテクノロジーのパイオニアであるアムジェン社は、世界最大の独立バイオテクノロジー企業に成長し、世界中の多くの患者に貢献しており、革新的な可能性が期待されるパイプラインを開発しています。

詳しくは www.amgen.com 及び、www.twitter.com/amgen をご覧ください。

アステラス製薬について
アステラス製薬株式会社(https://www.astellas.com/ja)は、東京に本社を置き、「先端・信頼の医薬で、世界の人々の健康に貢献する」ことを経営理念に掲げる製薬企業です。既存の重点疾患領域である泌尿器、がん、免疫科学、腎疾患、神経科学に加えて、新たな疾患領域への参入や新技術・新治療手段を活用した創薬研究にも取り組んでいます。さらには各種医療・ヘルスケア事業との融合による新たな価値創出にも挑戦しています。アステラス製薬は、変化する医療の最先端に立ち、科学の進歩を患者さんの価値に変えていきます。

将来予想に関する記述(アムジェン社)
本ニュースリリースは、アムジェン社の現在の予想及び信念に基づいた将来予測に関する記述を含んでいます。過去の記述を除くすべての記述を将来予測に関する記述とみなし、それには収益の見通し、営業利益率、資本的支出、現金、その他の収益、予想される訴訟,仲裁、政治的、規制的又は臨床的結果、又は医療の実態、顧客及び処方する医療従事者の動向又は実情、治療費償還に関する活動とその結果及びその他の予想と結果を含みます。将来予測に関する記述は、重大なリスク及び不確定要素を含み、以下で議論される記述及び、より詳しくはアムジェン社が提出した証券取引委員会(SEC)報告書に記載の内容を含みます。SEC 報告書には、アムジェン社の直近の通期報告書(Form 10-K)、以降の報告書(Form 10Q)、現行の報告書(Form 8-K)を含みます。他に記載がない限り、アムジェン社は本リリース発表日時点の情報を提供しており、新たな情報、将来の出来事その他の結果として、本文書に含まれる将来予測に関する記述を更新するいかなる義務も負いません。

将来予測に関する記述は一切保証されるものではなく、実際に生じる結果は、アムジェン社が計画しているものと大きく異なる可能性があります。新規の製品候補の創製及び特定、又は既存の薬剤の適応追加のための開発は保証されるものではなく、立案から製品への進展については不確実です。したがって、特定の製品候補又は既存の薬剤の適応追加のための開発が成功し、製品となる保証はありません。さらに、前臨床試験の結果は、製品候補のヒトにおける安全かつ有効な作用を保証するものではありません。人体の複雑さはコンピューター、細胞培養システム又は動物モデル等で完全又は適切に予測、説明できるものではありません。アムジェン社及びパートナーが臨床試験を完了し、規制上の製造販売承認を得るまでの期間の長さは過去に変化しており、同様に将来も変化するものと思われます。たとえ臨床試験が成功しても、当社が選定した試験の評価項目が承認する上で十分なものか、規制当局が疑問視することもあります。アムジェン社は製品候補を、社内、ライセンス契約、他社との共同開発及びジョイントベンチャーにより開発します。これらの関係により生じる製品候補は関係者間の争議の対象となることがあり、当該関係を締結する時点での予想ほど有効又は安全ではない場合があります。また、アムジェン社又は第三者が、製品販売後に、安全性、副作用又は製造上の問題を特定する場合があります。

アムジェン社の結果は、新製品・既存製品を当社が国内外で販売する能力、現在及び将来の製品を含む臨床開発及び規制作成、最近上市した製品の販売成長、バイオ後続品を含む他製品との競合、当社の製品製造上の問題又は遅れ、ならびに世界の経済情勢により影響を受ける場合もあります。さらに、アムジェン社製品の販売は、価格設定上の圧力、政治的調査や公開審査、個人保険プラン及びマネジドケアのプロバイダーを含む第三者の支払者に課せられた償還方針の影響を受け、規制、臨床開発及びガイドラインの作成、及び国内外のマネジドケア及び医療コスト抑制策へのトレンドにも影響を受ける可能性があります。さらにアムジェン社の研究、試験、価格設定、販売及び他の業務は、国内外の政府規制当局による幅広い規制の対象となります。アムジェン社の事業内容が、政府の調査、訴訟及び製造物責任に関わるクレームにより影響を受ける場合もあります。さらにアムジェン社の事業内容が、新たな税法の導入又は追加的な納税義務の発生により影響を受ける場合もあります。アムジェン社が、アムジェン社と米国政府間で交わした企業の法令順守に関する協定におけるコンプライアンス準拠に抵触した場合は重大な制裁措置の対象となり得ます。さらにアムジェン社は、通常、製品と技術の特許を取得していますが、特許取得及び特許申請により生じる当社の製品の保護は、競合他社により侵害、無効化又は回避される場合があり、現在及び将来の知的財産訴訟でアムジェン社が敗訴する場合もあります。アムジェン社は商業的な製造活動の大部分を少数の基幹施設で実施しており、製造活動の一部を第三者に頼ってもいます。供給が制限された場合、特定の既存製品の販売及び製品候補の開発が制約される場合があります。またアムジェン社は、多くの市販製品及び新製品の発明・発見について他社と競合します。アムジェン社の製品の一部の原材料、医療機器及び部品は、特定の第三者サプライヤーから供給されています。同クラス製品全てに関連する、自社製品の類似製品についての重大な問題の発見は、当製品の売上、業績及び事業収益に実質的な悪影響を及ぼす場合があります。他の企業又は製品の買収、及び買収した企業の事業統合に向けたアムジェン社の努力は、成功しない可能性があります。アムジェン社は、当社に有利な条件で資本市場及び金融市場にアクセスできないか、又はこれらの市場を全く利用できない場合があります。アムジェン社は、IT システム、インフラ、データセキュリティへの依存を次第に強めています。アムジェン社の株価は変動し、様々な出来事に影響を受ける場合があります。アムジェン社の事業成績により、アムジェン社の取締役会が配当を発表する能力、アムジェン社が配当金を支払う能力、又はアムジェン社が通常株を再購入する能力が影響を受けるか、あるいはこれらが制限されるおそれがあります。

注意事項(アステラス製薬)
このプレスリリースに記載されている現在の計画、予想、戦略、想定に関する記述及びその他の過去の事実ではない記述は、アステラス製薬の業績等に関する将来の見通しです。これらの記述は経営陣の現在入手可能な情報に基づく見積りや想定によるものであり、既知及び未知のリスクと不確実な要素を含んでいます。さまざまな要因によって、これら将来の見通しは実際の結果と大きく異なる可能性があります。その要因としては、(i)医薬品市場における事業環境の変化及び関係法規制の改正、(ii)為替レートの変動、(iii)新製品発売の遅延、(iv)新製品及び既存品の販売活動において期待した成果を得られない可能性、(v)競争力のある新薬を継続的に生み出すことができない可能性、(vi)第三者による知的財産の侵害等がありますが、これらに限定されるものではありません。また、このプレスリリースに含まれている医薬品(開発中のものを含む)に関する情報は、宣伝広告、医学的アドバイスを目的としているものではありません。

この件に関するお問い合わせ先
アステラス・アムジェン・バイオファーマ株式会社 広報担当(電話:03-5293-9694)
アステラス製薬株式会社 広報部(電話:03-3244-3201)

Reference

  1. 厚生労働省、平成26年患者調査
  2. 国立がん研究センターがん情報サービス、急性リンパ性白血病/リンパ芽球性リンパ腫、基礎知識 http://ganjoho.jp/public/cancer/ALL/index.html Accessed September 2017.
  3. Takeuchi J, Kyo T, Naito K, et al. Induction therapy by frequent administration of doxorubicin with four other drugs, followed by intensive consolidation and maintenance therapy for adult acute lymphoblastic leukemia: the JALSG-ALL93 study. Leukemia.2002;16:1259–1266.
  4. Koh K, Ogawa C, Okamoto Y, et al. Phase 1 study of clofarabine in pediatric patients with relapsed/refractory acute lymphoblastic leukemia in Japan. Int J Hematol. 2016;104: 245-255.
  5. Kantarjian H, Stein A, Gökbuget N, Fielding AK, Schuh AC, Ribera JM, Wei A, Dombret H, Foà R, Bassan R, Arslan Ö. Blinatumomab versus chemotherapy for advanced acute lymphoblastic leukemia. New England Journal of Medicine. 2017 Mar 2;376(9):836-47.