ストラテジー
2022.12.08

ペイシェント・セントリシティの新たな取り組み〜アンメットメディカルニーズに挑む社内イノベーション・チャレンジを開催

ペイシェント・セントリシティの新たな取り組み〜アンメットメディカルニーズに挑む社内イノベーション・チャレンジを開催

イノベーションの創出は、研究開発部門だけが担うものではありません。アステラスの全社員が、患者さんを想い、新しい視点で多彩なアイデアを出し合うことによって、イノベーションを生み出すことができます。それぞれの社員が持つアイデアを実現するには、周囲の協力や組織的な支援が必要不可欠です。そこで、ペイシェント・セントリシティ部門は、全社員が参加できるイノベーション・チャレンジ「Solve-a-Thon(ソルバソン)」を開催しました。最終選考では、3度の予選会を勝ち上がった7チームが、患者さんを支援するために考え抜いたアイデアを発表しました。

このプロジェクトをリードするペイシェント・セントリシティ部門のチャド・スチュワート(Chad Steward)とアイシャ・リー(Aisha Lee)が、「Solve-a-Thon」への想い、そして優勝した4チームのアイデアを紹介します。

 

社員の意欲と創造性を引き出す新たなチャレンジ

「アステラスで働く社員には『患者さんの人生をより良くしたい』という想いがあり、そのモチベーションの原点には、家族が抱える病気や自身の治療経験など、さまざまなストーリーがあります。そのストーリーが、患者さんの人生をより良くするためのアイデアにつながっています。社員の多様な経験や知識、スキルによって生み出されるアイデアを活かし、新たなイノベーションにつなげる取り組みとして『Solve-a-Thon』を考案しました」とチャドは開催の背景を語ります。

「イノベーションを生む方法として、社外の組織や人材を巻き込んで実施するオープンイノベーションという形態がありますが、『Solve-a-Thon』はあえて社内からアイデアを募りました」とアイシャは語ります。
「全社員に『患者さんを中心に考える』というマインドを養ってもらいたいと思いました。そして、日々患者さんのために業務に取り組む社員だからこそ見える課題があり、このプロジェクトで社員のアイデアを後押しできると考えたのです」
 

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チャドは「社員が熱い想いを持っていることは確信していましたが、新しい取り組みなので、一体どのくらいの社員が応募してくれるのか、正直、不安でした」と当時を振り返ります。しかし社内の反響は大きく、さまざまな地域や部門を跨いだ56チームが参加し、アプリやデバイスの提案、疾患の啓発活動など、多くのアイデアが集まりました。
「患者さんと実際に接する業務に従事していないと、患者さんを中心に考えることは難しいのではないか、という声がありますが、それが間違いであると改めて気付かされました」と、アイシャは語ります。

 

アイデアを「価値」に変えるためのサポート

「アンメットメディカルニーズに対する『価値』を創造し、患者さんに提供する」という「Solve-a-Thon」の目的を達成するためには、各チームのアイデアを実現可能なビジネスプランにつなげる必要がありました。チャドは審査の過程について、「各チームのアイデアが実現可能で、戦略的にインパクトのあるソリューションであるかどうかがポイントでした。参加した社員の経験や能力は実に多様で、多くのチームのアイデアがソリューションとなり得る種であり、外部組織や潜在的な患者さんと関わることで、木や森に育つ可能性を秘めていました。着想からデスクリサーチ、市場調査、プロトタイプ、そしてテストに至るまで、活動を加速させるための支援が不可欠であると考えました」と語ります。

そこで、参加チームのアイデアをより良いものにするため、外部コーチや社内メンターのネットワークを取り入れました。外部コーチは、「Solve-a-Thon」に参加したチームが対象国の誰とコンタクトを取るべきか、どのような外部パートナーと連携すべきかについてアドバイスしました。社内メンターとしては、General Counsel(法務担当)や、私たちが重点的に研究開発投資を行っている領域(Primary Focus)のリードなどが参画し、各チームが協働すべき社内の組織や、潜在的な外部パートナーとの契約、知的財産の保護について助言するなど、さまざまな角度から支援しました。これによって各チームのアイデアが磨かれ、実現可能かつ、患者さんにとってインパクトのあるものへと変化しました。

 

受賞チームの紹介:患者さんに大きなインパクトを与える可能性を秘めたアイデア

5カ月間のメンターシップ、ハードワーク、アイデアの改善を経て、最終的に、6カ国・19部門、合計41名のアステラス社員からなる7チームのファイナリストたちが、戦略実装担当(CBO)*の直轄部門長で構成された審査委員会に対して直接プレゼンテーションを行いました。審査には全世界から1,000人を超える社員も参加しました。

ビジネスへの影響、実現可能性、アプロ―チの革新性、拡大する可能性、そして何よりも患者さんに与えるインパクト(どのような変化をもたらすのか)を重視して検討を重ねた結果、「Beyond Good Medicine」「Circle Care」「Device for Dysarthria Patients」「Heart of Nurses」の4チームが選ばれました。部門の異なるメンバーが、それぞれの知見を活かして、患者さんのために生み出したアイデアを紹介します。

*現在は経営戦略担当(CStO)に統合
 

Beyond Good Medicine

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少数派のコミュニティに属する患者さんは、必要な医療にアクセスできないという課題を抱えています。私たちは、そのような患者さんの、臨床試験や医療資源へのアクセスを改善することを目指しています。現在、臨床試験へのアクセスを改善するべく、より多くの患者さんや治験担当医師にアプローチできる試験プロトコルの特定に取り組んでいます。また、医科大学と提携しており、医学生に対して臨床試験を経験し、指導を受ける機会を提供しています。臨床試験における医師の貢献について、理解を深める活動を行っています。
 

Circle Care

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がんは身体だけではなく、患者さんの精神状態にも大きな影響をもたらし、うつや、不安・恐れといった感情を引き起こしてしまいます。私たちは、それらの課題にアプローチするメンタルヘルスアプリを開発し、がんの患者さんやそのご家族、ケアをする方々の生活をより良くすることを目指しています。現在、認知行動療法や製薬業界におけるデジタルヘルスに豊富な経験や知識を持つベンダーとともに、中東で初めて、アラビア語で認知行動療法を提供するというゴールに向かって協働しています。
 

Device for Dysarthria Patients

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構音障害*の患者さんは、発音に苦労するため、口頭でのコミュニケーションが困難です。家族や友人との関わりや職場において、口頭のコミュニケーションが交わされている中、患者さんが感じるストレスは深刻です。この問題を解決するため、私たちはスマートフォンを使った音声アシスタントデバイスを開発し、構音障害の患者さんのQOL(生活の質)を向上させることを目指しています。現在、より詳しく患者さんの気持ちを理解するため、病院や開業医、そして患者さんへのインタビューを実施しています。

*構音障害: 構音器官(唇、歯、舌など)の器質的・機能的な障害や構音に関与する神経の障害によって、語音を正しく発音できない状態。
 

Heart of Nurses

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患者さんが治療に当たる際、多くの時間をともに過ごすのが看護師の方々です。私たちは、看護師の方々にとってのパートナーとなり、知見を得て、患者さんの治療経験を深く理解できるようになりたいと考えています。現在、看護師の方々が担う重要な役割について社内の認知を広げており、組織のマインドセットを変え、看護師の方々の知見を戦略に取り入れる事を目指して活動しています。


アイデアの実現に向けて:「Solve-a-Thon」は実行の段階へ

現在、受賞した4チームのプロジェクトは、それぞれ進行しています。アイシャは、
「『Solve-a-Thon』のユニークな点の1つに、受賞プロジェクトを開発段階から支援する、1年間のサポートプログラムがあります。私たちは、チームのアイデアを実現するため、さらに強力なメンターシップや、定期的な経営に関するコーチング・セッションを提供するなど、綿密に連携し、継続的にサポートしています」と語ります。
また、受賞に至らなかった参加チームの努力は、決して無駄にはなっておらず、提案されたアイデアはRx+®事業のプロジェクトにとって重要なインプットとなっています。また、アイデアをさらに洗練し、発展させて、次回の「Solve-a-Thon」に再挑戦することもできます。

2回目となる「Solve-a-Thon」は、2023年1月初旬に開催を予定しています。多様な経験やスキルを持つ社員が、患者さんの人生をより良いものにするためにふたたびアイデアを持ち寄り、One Astellasとして患者さんの「価値」に変えることを目指します。


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