2023.02.20

独自の社内人材検索システムで多彩な才能を繋げ、新たな可能性が育つ環境をつくる

独自の社内人材検索システムで多彩な才能を繋げ、新たな可能性が育つ環境をつくる

「先端・信頼の医薬で、世界の人々の健康に貢献する」ことが、アステラスの存在意義です。これを実践し、さまざまな形でイノベーションを加速するには、多様な才能を結集し、その能力を十分に発揮できる組織である必要があります。

グローバルにビジネスを展開するアステラスには、国籍・人種・文化・宗教などを問わず多様な人材が所属しており、高い専門性を発揮することで、患者さんに「価値」を創出してきました。
しかし、未だ社内には高い専門性が埋もれている可能性があります。たとえば薬理研究者が高いプログラミング技術を習得していたとしても、目の前の業務に直結していない場合、その能力が社内で活かされることはありません。この埋もれている能力を効率良く発掘する仕組みがあれば、さまざまなアイデアの実現性が増すのではないか——そう考えた社員たちの主導により企画・開発されたのが、アステラス独自の社内人材検索システム「Aha! Experts」です。

初期開発をリードしてきた研究戦略&コミュニケーションズの宮崎壮宏、そして導入後に社内での活用促進に尽力する情報システム部の片桐信也および人事部の網中貴大が、「Aha! Experts」開発の想いと秘めたる可能性について語ります。

 

同僚たちの能力を把握できないジレンマ

Takehiro Miyazaki

「同僚の才能やスキルを効率良く探し出す仕組みがほしい」
この想いは、海外に赴任した際に最初に芽生えた、と宮崎は語ります。
「異動した直後は、知り合いも少なく異国の同僚たちとの英語でのコミュニケーションも容易ではなかったため、誰がどのような能力や経験を持っているのかわからず、些細な業務上の依頼でも適切な同僚にたどり着くことに苦労しました。言語や文化・風習を踏まえた接し方などの壁を越えて、誰が何に詳しいか、どんな能力を期待できるかをいつでも手軽にわかる仕組みがあれば、より効率良く協働できるのではないかと漠然と考えるようになりました」

この想いを形にする機会が、本社企画部門に帰任した直後の2019年に訪れます。同年に開催されたDXを活用する新たなアイデアの社内公募に、宮崎の同期でもある人事・製剤・営業に属する3名の社員が社内人材検索システムのベースとなるアイデアを提案し、選出されたのです。自分と同じ考えを持つ仲間に刺激を受けた宮崎は、自らが企画を受け継いで開発することで合意します。

 

「私たちは、まさに同じことを考えていました。『アステラスには優れた人材がいる。どこに、どんな才能やスキルを持った仲間がいるのかを簡単に知ることができれば、コミュニケーションの効率が上がり、業務においても相乗効果が生まれるはず』という想いを語り合い、ワクワクしたことを覚えています」

社内で必要な人材を求める方法は基本的にアナログで、部署の役割から当たりをつけたり、上司や同僚などを頼りながら人づてに探したりしていました。しかし個人の人脈頼りでは効率が悪く、適切な人物にたどり着けないケースもあり、その結果外部の人材に頼ってしまうこともありました。世界に散らばる社員のスキルを知りたくても、物理的な距離や時差、さらに研究・開発・製造・営業など多岐にわたる部署の垣根が障壁となり、誰にどのようなスキルが備わっているかを把握することは困難でした。

このような社内の人材が保有する才能やスキルを十分に活かしきれない状況を改善すべく、宮崎たちは2020年1月から社内人材検索システムの開発に着手。同年夏にパイロット版の運用をスタートして試行錯誤を繰り返し、2022年7月に全社での本格導入に至ります。

 

新たな可能性が着実に育つ環境を目指す

「Aha! Experts」は、世界中の社員が自由にアクセスし、活用できるシステムです。利用者がさまざまなニーズに基づき検索すると、求める人材の情報を一覧で表示し、ここから直接アプローチすることが可能です。そのため、まずは多くの社員に積極的に登録してもらうことが重要なミッションとなります。
 

A path to nurturing new possibilities

 

「『Aha! Experts』を全社員が利用するようになれば、国境や部署の垣根を越えて、知りたかった情報や求めている能力を持つ社員にコンタクトを取ることができるようになります。これまでにないコラボレーションによって、埋もれていた才能が活かされ、イノベーションが生まれるきっかけになります。また、社員同士が自らの知識や興味を通じて出会えることで、人脈も広がり、一人ひとりの意欲向上にもつながると考えています」と宮崎は語ります。

実際、利用した社員たちからポジティブな声が上がっています。
 

デジタルツール活用の推進に向け、同じ志の仲間を得る

日頃の定型業務を、デジタルツールを活用することで効率化を図りたいと考えていました。
同様の想いを持っている仲間がいないか解決の糸口を見つけるため「Aha! Experts」で検索したところ、同じ想いを持ち、課題に取り組んでいる他部門の社員と繋がることができました。「Aha! Experts」で得た繋がりは、私自身が直面していた1つの課題の解決に留まらず、デジタルを活用した身近な業務の自動化を志すメンバーで構成されるコミュニティーへと発展。現在もデジタルツール活用の推進に向け、部門を越えた連携や意見交換が行われています。

ファーマコヴィジランス部所属社員


効率良く社内の人脈を広げられると実感

中途入社でまだ社歴は浅いですが、日々の業務で直面する課題に取り組む仲間と「Aha! Experts」を通じて出会うことができました。
はじめて会うメンバーも、「Aha! Experts」で事前にプロフィールを知ることができるので、会ってすぐに議論の幅を広げられます。「Aha! Experts」で前職が同じという方とも出会い、日頃感じている課題について意見交換をする仲になりました。とにかく気軽に、簡単に、効率良く「人」を探し、「能力」を知ることができるので、いろいろな可能性を感じています。

経営企画部所属社員

 

能力発見に加え、自己プロデュース力向上にも期待

Shinya Katagiri

本プロジェクトをシステム面で支える片桐は、
「働き方の変化でリモートワークが増え、リアルなコミュニケーションが減っている今だからこそ、新たに協働する仲間のプロフィールを効率良く知ることができる『Aha! Experts』のニーズは高まると考えています。これからも引き続き、システムのさらなるブラッシュアップや機能の充実に努めていきます」と未来の展望について語ります。

 

Takahiro Aminaka

また、人事の観点から本プロジェクトをサポートする網中は、
「私は『Aha! Experts』を単なる人材検索システムではなく、自分の持つ知識や専門性、興味関心を見つめ直すことのできる、自己プロデュースのためのツールでもあると思っています。
自己アピールが苦手という意識が根底にあり、スキルの公開をためらう社員もいるのですが、そういう方こそ、むしろ前向きに活用してほしいです。『Aha! Experts』の活用が広がることで、自己プロデュースの文化が根付けば、アステラスは、誰もがより成長できる職場環境となるでしょう」と話します。

 

これまで以上に「人」の力を活かせる組織へ

アステラスは、「経営計画2021」で組織健全性目標を掲げ、これまで以上に「人」の力を活かせる組織への成長を目指しており、「Aha! Experts」は、その一翼を担う重要なプロジェクトです。
社員の前向きな活動を後押しするのがアステラスの文化です。私たちは、これからも社会により良いインパクトを与える「価値」を創造し続けるために、社員一人ひとりが能力を最大限に発揮できる環境整備を推進します。

 

 

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