ケトアシドーシス
目次
▼ ケトアシドーシスとは
▼ ケトアシドーシスの原因と体験談
▼ ケトアシドーシスの対処法
ケトアシドーシスとは
ケトアシドーシスは代表的な糖尿病の急性合併症です。
主な症状は吐き気・嘔吐、食欲減退、腹痛などです。
体内では、血糖値を下げる働きをするインスリンが極端に減少すると、血液中のブドウ糖を細胞内に取り込めないためエネルギー不足となります。
このため、脂肪がエネルギー源として分解されケトン体※とよばれる物質が肝臓で産生され、血液中に放出されるため、血液が酸性に傾きます。この状態がケトアシドーシスです。
ケトアシドーシスは脱水症状や意識障害を伴い、悪化すると生命の危険がある病態です。
※ ケトン体:脂肪の合成や分解における中間代謝産物
スーグラ®錠を服用中の患者さんでは、その作用により、血糖が上昇せずに体内のケトン体が増加し、ケトアシドーシスに至ることがあります。
ケトアシドーシスの初期症状
- 吐き気・嘔吐
- 食欲減退
- 腹痛
- 異常な口の渴き
- 体の疲労感
- 呼吸困難
- 意識がもうろうとする
このような症状を感じたら、ケトアシドーシスを疑いすぐに医師に相談してください。
ケトアシドーシスの原因と体験談
下記のような原因でケトアシドーシスになることがあります。ご自身にも当てはまるものがないか、実際の患者さんの体験談もご確認ください。
インスリン製剤を投与できなかった
旅行で移動しているときに、インスリン注射をうっかり忘れてしまいました。スーグラ®錠だけを飲んだら、異常な口の渴きを感じるようになってしまいまして。病院を受診したらケトアシドーシスと診断されました。
インスリンポンプに不具合が生じた(インスリンポンプを使用している方)
インスリンポンプの不具合に気がつかなかったんです。腹痛が出現したので病院を受診したらケトアシドーシスと診断されました。スーグラ®錠を飲んでいたので、血糖値は正常だったんです。
インスリン製剤を減量した・中止した
低血糖にならないか不安で、勝手にインスリンの量を減らしてしまったんです。体の疲労感を感じたので病院を受診したらケトアシドーシスと診断されました。
スーグラ®錠を服薬していれば、インスリン製剤は中止していいのだと勘違いしてしまいました。異常な口の渴きを感じたので病院を受診したらケトアシドーシスと診断されました。
厳しい糖質制限を行っている
お医者さんに内緒で糖質制限ダイエットをしたら、朝に腹痛で目覚めまして。病院を受診したらケトアシドーシスと診断されました。
体調不良などで食事をとれない状態が続いている
感染症を起こしている
インフルエンザにかかったときに、体調不良で食事ができなかったので、インスリンを中断してしまいました。
シックデイ(尿路感染症、感染性腸炎、風邪、インフルエンザ、抗がん剤による治療、月経による体調不良等)で食事をとることができないときは、ケトアシドーシスになりやすいのだそうですよ。吐き気が続いたので病院を受診したらケトアシドーシスと診断されました。
脱水を起こしている
激しい運動をした
普段からランニングをしているのですが、マラソン大会に出場したときに、異常な口の渴きを感じたんです。病院を受診したらケトアシドーシスと診断されました。
アルコールを多飲している
つい飲みすぎて二日酔いしちゃって。
食事をとれず、インスリンの投与を自己判断で中止したら腹痛に襲われたんです。病院を受診したらケトアシドーシスと診断されました。
ケトアシドーシスの対処法
体調を崩したとき(発熱や感染症、下痢、嘔吐、ストレスなど)、外傷のあるとき、食欲不振のため食事をとれないときは下記の対応をしてください。
対応の原則
- 医師に連絡し指示を受ける
- インスリン製剤を中止しない
- スーグラ®錠を中止する
- 十分に水分補給し、脱水を防ぐ
- 口あたりがよく消化のよい糖質を含む食物をできるだけとる(絶食しない)
- 安静にし、温かくする
インスリンポンプを使用しているときには下記の対応をお願いします。
- インスリンポンプに不具合が生じた際に対応できるように、インスリン製剤を携帯する
- 吐き気・腹痛などの症状がある場合は、血糖値が高くなくてもポンプトラブルの有無を確認する
このような症状はありませんか?
1型糖尿病患者さん
- ケトアシドーシス(吐き気・嘔吐、食欲減退、腹痛など)
- 低血糖(動悸、冷や汗、手足の震え、顔面蒼白など)
- その他の副作用(のどの渴きなどの脱水症状、尿路感染症、性器感染症など)
- Q&A
2型糖尿病患者さん