アステラス製薬株式会社(本社:東京都中央区、代表取締役社長:畑中 好彦、以下「アステラス製薬」)とユーシービージャパン株式会社 (本社:東京都新宿区、代表取締役社長:ジョエル・ピーターソン、以下「ユーシービージャパン」、また、ユーシービーグループを総称して以下「UCB」)は、両社で共同開発・商業化を進める、PEG化*1抗TNF-α(腫瘍壊死因子α)抗体「セルトリズマブ ペゴル(CZP)」(一般名、日本での製品名「シムジア®」欧米での製品名「Cimzia®」)のC-OPERA試験の追加解析結果およびJ-RAPID/HIKARI試験におけるCZPの4年間に渡る長期有効性、安全性に関する解析結果を、2015年4月23-25日に名古屋で開催された日本リウマチ学会総会・学術集会にて発表しましたのでお知らせいたします。

C-OPERAはメトトレキサート(MTX)未治療で予後不良因子を有する発症後1年以内の患者さんを対象とした、MTX併用下におけるCZPの有効性および安全性をMTX単独治療と比較検討した第Ⅲ相試験です。同試験結果の一部は2014年欧州リウマチ学会および2014年米国リウマチ学会で発表済みです。同試験において、CZPとMTXの併用群はMTX単独投与と比較して症状・徴候の速やかな改善を認めました。この改善効果は、投与開始1週後から明らかで、52週間の試験期間中持続しました。また、CZPとMTXの併用投与は、関節リウマチによる勤労および家事労働に対する障害において、改善傾向を認めました。

MTXで効果不十分な関節リウマチ患者を対象としたJ-RAPID試験およびMTXを投与できない関節リウマチ患者を対象としたHIKARI試験では、発売までの最長4年以上にわたる長期投与の安全性と有効性を検討しました。カプランマイヤー法*2によるCZP投与開始208週目における累積継続率はJ-RAPID試験で66.3%、HIKARI試験で57.7%でした。また、長期間の投与においても新たな安全性上の懸念は認められませんでした。

シムジア®は、世界初のPEG化抗TNF-α抗体医薬品です。本剤は、関節リウマチなどの炎症性疾患の発症や悪化に関与するTNF-αに強い親和性を示し、TNF-αの作用を選択的に阻害します。本剤は、ヒト化抗体のFc部分を除いたFab部分*3にPEGを結合させることで血中半減期が延長されるため、関節リウマチ治療において2週に1回あるいは月1回の皮下投与で効果を示します。本剤は、国内臨床試験において、MTX併用の有無に関わらず速やかに症状および徴候が改善し、その後も効果が維持されること、関節破壊の進行を抑制することが確認されています。海外臨床試験においてMTX併用で、導入治療およびその後の維持治療において速やかに症状および徴候が改善し、その後も効果が維持されることが確認されています。また、関節破壊の進行を抑制することが明らかにされています。シムジア®は、関節リウマチ患者さんが使いやすい形状に配慮したプレフィルドシリンジで、医師により適用が妥当と判断された場合には、自己投与も可能となっており、有効性、安全性に加え、患者さん自身による使用にも配慮しており、関節リウマチ患者さんの症状改善、QOLおよびアドヒアランス4向上に重要な役割を果たすものと期待しています。

アステラス製薬とUCBは、2012年1月にシムジア®の日本における共同開発・商業化契約を締結しました。シムジア®については、同年12月にユーシービージャパンが日本において製造販売承認を取得し、2013年3月に発売しています。なお、2014年6月にC-OPERA試験の結果に基づいて、日本で効能・効果追加の申請をしています。

*1: 抗体をポリエチレングリコール(PEG)で修飾すること。

*2: 生存時間関数を推定する方法

*3: 抗体はY字に似た構造を持ち、上部のFab(抗原認識部位)と下部Fc(補体結合部位)に分かれている

*4: 患者が積極的に治療方針の決定に参加し、その決定に従って治療を受けること

以上

関節リウマチについて

関節リウマチ(RA)は、進行性の自己免疫疾患で、関節に慢性の炎症を引き起こします。一般的には手足、手首、膝などの小さな関節の障害ですが、全身性の疾患であり、内臓や血管系などに影響を与えることもあります。関節リウマチの患者さんは全世界で500万人、日本では約65万人と推定されています。有病率には性差があり、女性は男性の約3倍と知られています。また、関節リウマチは年齢にかかわらず発症しますが、好発年齢は40-50歳です。

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