アステラス製薬株式会社(本社:東京、代表取締役社長CEO:岡村 直樹、以下「アステラス製薬」)は、地図状萎縮(Geographic Atrophy:GA)を伴う加齢黄斑変性(Age-related Macular Degeneration:AMD)の治療剤であるIZERVAY™(一般名:avacincaptad pegol、以下「ACP」)硝子体内注射液について、2月12日(現地時間)、米国食品医薬品局(FDA)から添付文書の一部変更に関する承認を取得しました。今回の添付文書の一部変更により、ACPは投与期間の制限の無い投与が可能になりました。
本承認取得は、FDAから受領した審査完了報告通知(2024年11月19日に開示済み)に記載されたフィードバックを明確にするために実施したFDAとの協議を経て、2024年12月26日(現地時間)に行った一部変更承認の再申請を踏まえたものです。
今回の添付文書の一部変更は、投与開始後2年まで、ACPの有効性と安全性を評価した第III相GATHER2試験の結果に基づいています。2024年4月にJ-Codeの適用が開始されて以来、IZERVAYTMは米国で毎月成長しており、12月末までに210,000本以上のバイアルが出荷されました。市販後の安全性報告では、臨床試験における安全性プロファイルと同様の結果が示されており、新たな重大な安全性シグナルは観察されていません。
GATHER2試験では、偽処置対照群と比較して、ACPの投与群ではGAを伴うAMD患者のGAの進行速度を2年間に渡って抑制し続けました。ACPによるGA治療効果は、投与後6カ月より観察され、2年間経時的に増加し続け、2年間の治療効果は1年間の治療効果と比較して2倍以上でした。GATHER2試験において、ACPは2年間に渡って良好な忍容性を示し、重篤でない眼内炎症(intraocular inflammation:IOI)および感染性眼内炎がそれぞれ1例発生し、虚血性神経障害または網膜血管炎を含む重篤なIOIは見られませんでした。2年間で、脈絡膜新生血管の発生率はACP投与群で11.6%であり、偽処置対照群(9%)と比較して、わずかな増加が見られました。
IZERVAYTMは、GAを伴うAMD治療剤として、FDAから2023年8月4日に承認を取得しています。
アステラス製薬は、失明リスクの高い網膜疾患に苦しむ世界中の患者さんのアンメットメディカルニーズを満たす新たな治療選択肢を提供していきます。
本件によるアステラス製薬の通期(2025年3月期)連結業績への影響は軽微です。
以上
IZERVAYTM(avacincaptad pegol:ACP)について
米国におけるIZERVAYTMの適応症は、GAを伴うAMDです。この適応症に対して唯一承認されている補体因子C5阻害剤です。
地図状萎縮(Geographic Atrophy: GA)を伴う加齢黄斑変性(Age-related Macular Degeneration: AMD)について
加齢黄斑変性(AMD)は、高齢者における中等度から重度の中心視力低下の主な原因であり、患者さんの大半は両目を侵されています。黄斑は網膜の中心部にあるわずかな領域で、中心視力をつかさどっています。AMD が進行すると、黄斑部の網膜色素上皮細胞とその下部にある血管が失われ、網膜組織が著しく薄くなったり、萎縮したりします。地図状萎縮(GA)を伴うAMDは、患者さんの視力を不可逆的に低下させます。
GATHER2試験について
GATHER2 試験(NCT04435366)は無作為化二重盲検偽処置対照多施設共同の第 III 相試験で、GAを伴うAMD患者448人が組み入れられ、ACPを硝子体内投与した場合の安全性と有効性を評価しました。ACPは投与後12カ月時点において、主要評価項目を達成しました。最初の12カ月間は、毎月1回ACPを投与される群と偽処置対照群に無作為に割り付けられました。投与後12カ月以降、ACP 投与群は毎月1回ACPを投与される群(n=96)と2カ月に1回ACPを投与される群に再割り付けされました(n=93)。偽処置対照群は2年目も偽処置を受け続けました(n=203)。IZERVAYTMは、非盲検延長試験で評価が継続中です。
アステラス製薬株式会社について
アステラス製薬は、科学の進歩を患者さんの「価値」に変えることを目指すグローバルライフサイエンス企業です。私たちは、がんや、眼科・泌尿器疾患、免疫、ウィメンズヘルスなどの多様な領域において、革新的な治療法を提供しています。研究開発プログラムを通じて、アンメットメディカルニーズの高い疾患領域において新たなヘルスケアソリューションを開拓しています。
アステラス製薬の詳細については、www.astellas.comをご覧ください。
注意事項
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