- 心不全患者さんを治療の中心に据え、自宅でのモニタリングを提供する 疾病管理に役立つ新たなデジタルヘルス -

 アステラス製薬株式会社(本社:東京、代表取締役社長CEO:岡村 直樹、以下「アステラス製薬」)は、心不全管理を目的とした非侵襲的なデジタルヘルスDIGITIVATMについて、米国食品医薬品局(Food and Drug Administration:FDA)から認証を取得しました。DIGITIVATMは、医療機器ソフトウェア(Software as a Medical Device:SaMD)としてクラスIに分類され、510(k)申請の対象外となりました*。DIGITIVATMはアステラス製薬が米国で提供する、初めてのデジタルヘルスです。

 DIGITIVATMは、心不全患者さん自身が治療の中心となり、医療関係者と協力しながら、より積極的に自身の健康管理に取り組むことができるようにデザインされており、CORE 500TMデジタル聴診器、スマートフォンアプリおよび臨床レビューチームにより構成されています。CORE 500TMデジタル聴診器は、Eko Health Inc.(本社:米国カリフォルニア州、以下「Eko」)により開発されました。スマートフォンアプリは、Welldoc, Inc.(本社:米国メリーランド州、以下「Welldoc」)のプラットフォームを用いて心不全用に設計され、米国心臓協会(American Heart Association:AHA)が提供する疾患啓発コンテンツを含んでいます。臨床レビューチームは、これまで見つけるのが難しかった心不全特有のバイオマーカーを含む患者データを選別し、特定のシグナルが検出され医師の介入が必要だと判断された場合、急性心不全や再入院などの臨床結果を改善するため、担当医に通知します。

 アステラス製薬のRx+事業創成部 部門長であるRichard Cassidyは、「DIGITIVATMは、患者さんが自宅で病気をモニタリングでき、必要に応じて医師の介入が可能となる新たなオプションを提供することで、患者さんと医師が心不全をより適切に管理する手助けとなる可能性があります。DIGITIVATMは、個別化された親しみやすいケアを患者さんに提供し、健康状態の改善を目指す先駆的なデジタルヘルスです。革新的な技術と、個別化された患者さんへの支援を統合できたことは、アステラス製薬にとっての重要な節目となりました」と述べています。

 心不全は、世界中で6,400万人以上の人々に影響を与えている世界的な保健医療問題です1。米国では、心不全患者数は約690万人(2020年推計)に達しており、今後、高齢化と人口増加に伴い、2030年までには24%増の約850万人に達すると予想されています2,3,4

 Ekoの共同創設者 兼 最高経営責任者CEO(Chief Executive Officer)であるConnor Landgrafは、「DIGITIVATMの登場は、在宅と医療機関のケアの間に存在するギャップを埋めることで、心臓の健康を取り巻く状況を大きく変える、素晴らしい一歩です。アステラス製薬との連携により、当社の最先端のCORE 500TMデジタル聴診器およびAI技術と、Welldocのデジタルセラピューティクスアプリをシームレスに統合し、心不全がリアクティブ(受動的)ではなく、プロアクティブ(能動的)に管理される未来に向けて、大きく前進します」と述べています。

 Welldocの最高経営責任者CEOであるKevin McRaithは、「DIGITIVATMは、患者さんが自宅で快適に心臓の健康を管理するために必要な情報や支援を提供することで、デジタルヘルスの可能性を具現化します。当社のプラットフォームを統合することで、DIGITIVATMは患者さんに、AI駆動型のリアルタイムで個別化されたフィードバックを提供し、ポジティブなライフスタイルの変化を促します。また、データに基づく洞察を医師に提供し、個別の臨床判断を支援します」と述べています。

 本件によるアステラス製薬の業績への影響は、通期(2025年3月期)連結業績予想に織り込み済みです。

以上

* FDAは医療機器の安全性と有効性に基づき、3つの異なるクラスに分類しています。クラスIには、低リスクとされる医療機器が含まれ、クラスIIIには生命支援や生命維持などに関わる高リスクとされる医療機器が含まれます。クラスIとクラスIIの医療機器の多くは、FDAによる事前審査である510(k)の対象外となります。ほとんどのクラスIIIデバイスは、FDAによる市販前承認(PMA)が必要となり、臨床試験の結果などに基づく有効な科学的根拠によって、医療機器の安全性と有効性を示す必要があります。

アステラス製薬株式会社について
アステラス製薬は、世界70カ国以上で事業活動を展開している製薬企業です。最先端のバイオロジーやモダリティ/テクノロジーの組み合わせを駆使し、アンメットメディカルニーズの高い疾患に対する革新的な医薬品の創出に取り組んでいます(Focus Areaアプローチ)。さらに、医療用医薬品(Rx)事業で培った強みをベースに、最先端の医療技術と異分野のパートナーの技術を融合した製品やサービス(Rx+®)の創出にも挑戦しています。アステラス製薬は、変化する医療の最先端に立ち、科学の進歩を患者さんの「価値」に変えていきます。アステラス製薬の詳細については、(https://www.astellas.com/jp/)をご覧ください。

Eko Health Inc.について
Ekoは、デジタル聴診器や、患者・医療従事者向けのソフトウェア、AIを活用した解析などにより、心疾患および肺疾患の検出・モニタリング方法を深化させるデジタルヘルス企業です。FDAが承認した同社のプラットフォームは、世界中で500,000人以上の医療従事者が使用しています。Ekoの詳細については、(https://www.ekohealth.com)をご覧ください。

Welldoc, Inc.について
Welldoc®は、心代謝性疾患ケアに革新をもたらすデジタルヘルス企業です。心代謝性疾患を抱える人々の生活に、個別化された、リアルタイムで実用的な洞察を提供し、健康の向上に貢献しています。Welldocの包括的なデジタルヘルスプラットフォームでは、糖尿病、高血圧、心不全、体重管理などにおいてAI駆動のデジタルコーチングを提供し、メンタルウェルビーイングや睡眠支援も統合されています。Welldocの詳細については、(www.welldoc.com)をご覧ください。

注意事項
このプレスリリースに記載されている現在の計画、予想、戦略、想定に関する記述およびその他の過去の事実ではない記述は、アステラス製薬の業績等に関する将来の見通しです。これらの記述は経営陣の現在入手可能な情報に基づく見積りや想定によるものであり、既知および未知のリスクと不確実な要素を含んでいます。さまざまな要因によって、これら将来の見通しは実際の結果と大きく異なる可能性があります。その要因としては、(i)医薬品市場における事業環境の変化および関係法規制の改正、(ii)為替レートの変動、(iii)新製品発売の遅延、(iv)新製品および既存品の販売活動において期待した成果を得られない可能性、(v)競争力のある新薬を継続的に生み出すことができない可能性、(vi)第三者による知的財産の侵害等がありますが、これらに限定されるものではありません。また、このプレスリリースに含まれている医薬品(開発中のものを含む)に関する情報は、宣伝広告、医学的アドバイスを目的としているものではありません。

参考文献
1 GBD 2017 Disease and Injury Incidence and Prevalence Collaborators. Global, regional, and national incidence, prevalence, and years lived with disability for 354 diseases and injuries for 195 countries and territories, 1990-2017: a systematic analysis for the Global Burden of Disease Study 2017. Lancet. 2018;392(10159):1789-858.
2 Benjamin EJ, Virani SS, Callaway CW, Chamberlain AM, Chang AR, Cheng S, et al. Heart disease and stroke statistics-2018 update: a report from the American Heart Association. Circulation. 2018;137:e67-e492.
3 Heidenreich PA, Albert NM, Allen LA, Bluemke DA, Butler J, Fonarow GC, et al. Forecasting the impact of heart failure in the United States: a policy statement from the American Heart Association. Circ Heart Fail. 2013 May;6(3):606-19.
4 Bozkurt B, Ahmad T, Alexander KM, Baker WL, Bosak K, Breathett K, Fonarow GC, Heidenreich P, Ho JE, Hsich E, Ibrahim NE, Jones LM, Khan SS, Khazanie P, Koelling T, Krumholz HM, Khush KK, Lee C, Morris AA, Page RL 2nd, Pandey A, Piano MR, Stehlik J, Stevenson LW, Teerlink JR, Vaduganathan M, Ziaeian B; Writing Committee Members. Heart Failure Epidemiology and Outcomes Statistics: A Report of the Heart Failure Society of America. J Card Fail. 2023 Oct;29(10):1412-1451. doi: 10.1016/j.cardfail.2023.07.006. Epub 2023 Sep 26. PMID: 37797885; PMCID: PMC10864030.

 

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