アステラス製薬株式会社(本社:東京、代表取締役社長CEO:岡村 直樹、以下「アステラス製薬」)は、9月13日から17日にかけてスペインのバルセロナで開催される2024年欧州臨床腫瘍学会(European Society for Medical Oncology: ESMO)において、承認取得済みの進行性または難治性のがんを対象としたポートフォリオに関する演題の発表と、幅広いがん種を対象とした2つの早期パイプライン(がん免疫および標的タンパク質分解誘導)に関する第I相試験結果の初めての発表を行います。
主な発表は以下の通りです。
- 治療歴のない局所進行性または転移性尿路上皮がん(locally advanced or metastatic urothelial cancer:la/mUC)患者を対象に、Pfizer Inc.と共同で開発を進めている抗体-薬物複合体であるエンホルツマブ ベドチンとMerck & Co., Inc., Rahway, NJ, USA(米国とカナダ以外ではMSD)のPD-1阻害剤ペムブロリズマブの併用療法群と、化学療法群を比較した第III相EV-302試験におけるネクチン-4の発現と有効性に関する結果。これらの結果は、ネクチン-4の発現の有無に関わらず、la/mUC患者サブグループ全体にわたって、本併用療法が一次治療薬となる可能性を支持します。
- シスプラチン不適応のla/mUC患者を対象とした一次治療として、エンホルツマブ ベドチンとペムブロリズマブの併用療法を評価した第I/IIb相EV-103試験の用量漸増/コホートAの5年間の追跡結果。これらの結果は、シスプラチン適応の有無に関わらず、本併用療法が広くla/mUC患者に有効で、患者さんに長期的なベネフィットをもたらす可能性を支持します。
- Claudin 18.2陽性、HER2陰性の切除不能な局所進行性または転移性の胃腺がんおよび食道胃接合部腺がん患者の一次治療薬として、ゾルベツキシマブと化学療法の併用療法を評価する第III相SPOTLIGHT試験およびGLOW試験の統合解析における全生存期間(Overall Survival:OS)の最終結果を発表します。
- Claudin 18.2陽性、転移性の膵臓がん患者の一次治療薬としてゾルベツキシマブとゲムシタビン+nab-パクリタキセルの併用療法と、ゲムシタビン+nab-パクリタキセル療法を比較、評価した第II相試験に関する最新情報を公表します。
- 生化学的再発(Biochemical Recurrent:BCR)のリスクの高い非転移性ホルモン感受性前立腺がん(non-metastatic Hormone-Sensitive Prostate Cancer:nmHSPC)を対象にリュープロレリンの単剤療法(プラセボ群)を対照とし、エンザルタミドとリュープロレリンの併用療法と、エンザルタミドの単剤療法を評価した第III相EMBARK試験の事後解析結果。これらの結果は、70歳未満および70歳以上の患者におけるエンザルタミドの併用療法および単剤療法の有用性を支持します。
- 早期パイプランの臨床データ:
- 進行性の膵臓がん、大腸がん、非小細胞肺がん患者を対象に、世界で初めて臨床試験を開始したKRAS G12D変異体をターゲットとするタンパク質分解誘導剤であるASP3082の第I相試験の結果を公表します。
- 進行性固形がん患者を対象とした新規DGKζ阻害薬ASP1570の前臨床、トランスレーショナル/初期臨床試験の結果を示します。
これらの結果は、様々ながん種を対象とした上記臨床試験の継続を支持します。
2024年ESMOにおけるアステラス製薬の発表演題(現地時間)
エンホルツマブ ベドチンに関する発表
演題 | 演者 | 発表形式および 抄録番号 |
EV-302: Exploratory Analysis of Nectin-4 Expression and Response to 1L Enfortumab Vedotin (EV) + Pembrolizumab (P) in Previously Untreated Locally Advanced or Metastatic Urothelial Cancer (la/mUC) | T. Powles | 発表形式: Mini Oral Session 抄録番号: 1966MO 日時: 9月15日 |
Study EV-103 Dose Escalation/Cohort A (DE/A): 5y Follow-Up Of First-Line (1L) Enfortumab Vedotin (EV) + Pembrolizumab (P) in Cisplatin (cis)-Ineligible Locally Advanced Or Metastatic Urothelial Carcinoma (la/mUC) | J. Rosenberg | 発表形式: Poster 抄録番号: 1968P 日時: 9月15日 |
Epidemiology and treatment patterns of patients with locally advanced or metastatic urothelial cancer in France: a non-interventional database study | F. Joly | 発表形式: Poster 抄録番号: 2001P 日時: 9月15日 |
ゾルベツキシマブに関する発表
演題 | 演者 | 発表形式および抄録番号 |
First-line (1L) zolbetuximab + chemotherapy in patients (pts) with claudin 18.2 (CLDN18.2) +, HER2–, locally advanced (LA) unresectable or metastatic gastric or gastroesophageal junction (mG/GEJ) adenocarcinoma: A pooled final analysis of SPOTLIGHT + GLOW | Y-K Kang | 発表形式: Poster 抄録番号: 1438P 日時: 9月16日 |
Zolbetuximab With Gemcitabine + Nab-Paclitaxel (GN) in First-Line Treatment of Claudin 18.2–Positive Metastatic Pancreatic Cancer (mPC): Phase 2, Open-Label, Randomized Study | W. Park | 発表形式: Poster 抄録番号: 1532TiP 日時: 9月16日 |
エンザルタミドに関する発表
演題 | 演者 | 発表形式および抄録番号 |
Enzalutamide (enza) with or without leuprolide in patients (pts) with high-risk biochemically recurrent (hrBCR) prostate cancer (PC): EMBARK post-hoc analysis by age | N. D. Shore | 発表形式: Poster 抄録番号: 1638P 日時: 9月15日 |
パイプラインに関する発表
演題 | 演者 | 発表形式および抄録番号 |
Phase 1/2 Trial of ASP1570, a Novel Diacylglycerol Kinase ζ Inhibitor, in Patients With Advanced Solid Tumors | D. Olsen | 発表形式: Poster 抄録番号: 1004P 日時: 9月14日 |
Preliminary safety and clinical activity of ASP3082, a first-in-class, KRAS G12D selective protein degrader in adults with advanced pancreatic (PC), colorectal (CRC), and non-small cell lung cancer (NSCLC) | W. Park | 発表形式: Proffered Paper Session 抄録番号: 608O 日時: 9月15日 |
以上
エンホルツマブ ベドチンに関するPfizer、Merck & Co., Inc., Rahway, NJ, USA(米国とカナダ以外ではMSD)との提携について
Seagenとアステラス製薬は、治療歴のない転移性尿路上皮がん患者を対象に、PADCEVTM(エンホルツマブ ベドチン)とMerck & Co., Inc., Rahway, NJ, USAのKEYTRUDA®(ペムブロリズマブ)の併用療法を評価するために、臨床開発の提携契約を締結しています。既に案内の通り、2023年12月14日にPfizerはSeagenの買収を完了しました。KEYTRUDA®はMerck & Co., Inc., Rahway, NJ, USAの子会社であるMerck Sharp & Dohme Corp.の登録商標です。
エンザルタミドに関するPfizer Inc.との提携について
2009年10月、現在はPfizer (NYSE: PFE)の子会社であるMedivation, Inc.とアステラス製薬(TSE:4503)は、米国でXTANDITM (エンザルタミド)を共同で開発および商業化するための商業契約を締結しました。アステラス製薬は、米国外での商業化と、グローバルでの製造およびすべての追加の規制当局への申請を担っています。Pfizerは、米国における利益の一部として提携収益を受け取り、米国外の売上に応じたロイヤルティを受け取ります。
アステラス製薬株式会社について
アステラス製薬は、世界70カ国以上で事業活動を展開している製薬企業です。最先端のバイオロジーやモダリティ/テクノロジーの組み合わせを駆使し、アンメットメディカルニーズの高い疾患に対する革新的な医薬品の創出に取り組んでいます(Focus Areaアプローチ)。さらに、医療用医薬品(Rx)事業で培った強みをベースに、最先端の医療技術と異分野のパートナーの技術を融合した製品やサービス(Rx+®)の創出にも挑戦しています。アステラス製薬は、変化する医療の最先端に立ち、科学の進歩を患者さんの「価値」に変えていきます。アステラス製薬の詳細については、(https://www.astellas.com/jp/)をご覧ください。
注意事項
このプレスリリースに記載されている現在の計画、予想、戦略、想定に関する記述およびその他の過去の事実ではない記述は、アステラス製薬の業績等に関する将来の見通しです。これらの記述は経営陣の現在入手可能な情報に基づく見積りや想定によるものであり、既知および未知のリスクと不確実な要素を含んでいます。さまざまな要因によって、これら将来の見通しは実際の結果と大きく異なる可能性があります。その要因としては、(i)医薬品市場における事業環境の変化および関係法規制の改正、(ii)為替レートの変動、(iii)新製品発売の遅延、(iv)新製品および既存品の販売活動において期待した成果を得られない可能性、(v)競争力のある新薬を継続的に生み出すことができない可能性、(vi)第三者による知的財産の侵害等がありますが、これらに限定されるものではありません。また、このプレスリリースに含まれている医薬品(開発中のものを含む)に関する情報は、宣伝広告、医学的アドバイスを目的としているものではありません。